吉野朔実の最後の短編集『いつか緑の花束に』、亡くなってから復刊された映画評『新装復刊 吉野朔実のシネマガイド シネコン111』

吉野朔実さんが亡くなったのが4年前の昨日、4/20だった。最近すきま時間にずっと読み返していて、ふと検索して気づいた。彼女がいたらきっと今回の騒動にぴったりの映画や小説をたくさん紹介してくれただろうな。

最後の短編集『いつかみどりの花束に』に未完の作品が収録されていて、途中までいつも通り端正にペン入れされていたのにページをめくってシャーペンの下書き状態になった瞬間のあの暴力的な不在感について、ブログにまとめないまま4年も経ってしまったなあ。
あれは本当に堪えた。彼女がもういないのだ、ということが、印刷に出るか出ないかの薄い線と思いつくままの粗いデッサンからこれでもかと伝わってきて、ものすごい説得力だった。痛烈で圧倒的な報せだった。
シリーズ化するはずだった『MOTHER』は吉野朔実が初めて描くSF、しかもテーマが母性って。もっときちんと読みたかったなあ。

だけど、そんな胸がえぐられるような哀しみもページをめくった最初だけで、ネームにもかかわらず引き込まれる素晴らしいストーリーだった。
他の話もとても素敵だった。特に表題作であり、最後に発表された短編でもある『いつか緑の花束に』。吉野朔実さんらしい、日常的で文学的でそして不穏な、男女の出会いのストーリー。

もっと読みたかった。



以下、リンク集。
今日だけでなく、亡くなってから時々検索していてふと見つけた、まだ読んでいなかった映画評!
2017年発売。『吉野朔実のシネマガイド シネコン111』
“吉野朔実の最後の短編集『いつか緑の花束に』、亡くなってから復刊された映画評『新装復刊 吉野朔実のシネマガイド シネコン111』” の続きを読む

星野源『うちで踊ろう』オーケストラ!!そして英訳は “at home” ではなく “inside”

おおお…!
アンドリューロイドウェバー氏のオーケストラ編集を見て、源ちゃんのもこんなふうにたくさんの楽器まとめたの誰か作ってくれないかなーと思っていたのです。
思ってはいたのですが……
ここまでとは!!!


すごい!!
ブラボー!!
“星野源『うちで踊ろう』オーケストラ!!そして英訳は “at home” ではなく “inside”” の続きを読む

[まじめに]うちの子10ヶ月健診でヘンな小児科行ったらむちゃくちゃ不安にさせられた思い出



タイトル通りです。ほんとに。いまだに恨んでる。

小児科で子供に対してフェアに接してくれる先生のあたたけえ話が続いていた反動で、闇を出します。
あ、ここに書ける程度の闇なので大したことはないんですけどもね。もっとエグい闇いっぱい抱えてるから(余計なこと言わないでいいよ、みんなそうだから)(そうか!?)。

赤子が生まれますとね、予防接種やら健診やらで、けっこう頻繁に小児科のお世話になるのです。
予防接種はほぼ毎月なにかしらあるのに比べ、健診はそこまでではない。わりと任意。1ヶ月健診の次は3ヶ月だったかな?小児科ではなく、地域の福祉センターに行きます。そこに小児科の先生や眼科、歯科医師が集まってくれていて、流れ作業でいろんなことを診てもらえるようになっている。
その次あたりの6ヶ月健診から先は、「行きたい人は自主的に小児科に行ってね」という形になります。次に福祉センターで大々的にやってくれるのは1歳半健診と、3歳児健診。

で、なにしろ最初の子だし、育児のぶっつけ本番感パネエし(ネットで見かけて気に入っているフレーズです)、右も左もわからないのであひるちゃん、6ヶ月も10ヶ月も自主的に小児科に行き、健診してもらいました。
“[まじめに]うちの子10ヶ月健診でヘンな小児科行ったらむちゃくちゃ不安にさせられた思い出” の続きを読む

うちの子5歳、採血で泣かなかったその後。最近の小児診療は子供にきちんと説明してくれる先生が多いと感じた話

はい皆様ひとつ前の採血記事にハートをありがとうございます!なんだ!みんな読んでんやん!新井英樹とか寄生獣恨み節とか書いてもちっともハートつかないからハートが機能してないのかな?と不審に思ってたけど違うやんか!皆さん素直につけてなかっただけやってん!心の扉を開いて素顔の自分でスルー!
いいのです。それでいいのです。ありがとうございます。嘘のないあひるちゃんの読者の皆様。ありがとうございます。

せっかくなのでその後の話をちょこっと書きます。
うちの子、採血に落ち着き払って臨んだのが9月。
10月にはインフルエンザの予防接種がありまして。でももう採血で泣かなかったんだから余裕だろうと思っていました。これまでも予防接種、あんまり泣かなかったんですよね。すごい。必要性を説いて聞かせて、じゃあ仕方ないか…みたいな感じで渋々ではあるけれどきちんと受けてくれていたので。
採血であんなに落ち着いてたんだから全然余裕だろうと。

そう思いまして、その日の朝くらいに、そうそうタロー、今日帰りにインフルエンザの予防接種受けに行こうかと思ってるんだ、と言ったら、

TR「えー!!注射こないだもう終わったー!!いやぁだ!!!ギャーーン!!!」

ギャン泣き!?
まさかの!!
導火線短か!!!
即ギャン!!!
“うちの子5歳、採血で泣かなかったその後。最近の小児診療は子供にきちんと説明してくれる先生が多いと感じた話” の続きを読む

うちの子5歳が採血の前にやったこと。



はい、悪いことばっかりネットに放流するのもあれなんでね。親が子供の中傷をリーク、みたいな。ごめん我が子よ。数年後に母ちゃんのブログ読んでみたらなんやねんこれ俺の恥ずかしい話が面白おかしく書かれとるやんけー!と怒られたら困るから。無断で書いたのは謝る。だが誓って脚色はしていない。すべてお前が実際に面白おかしいことをしたその忠実な記録やで。って答えて全面戦争突入するやつ。

なので良いことも書きます。平和のために。
以前びっくりしたうちの子の冷静さというか、探究心について。

うちの子タローさん、鼻炎でして。
赤ちゃんの頃から鼻水がちな子でした。
私もオットも鼻炎気味だし、遺伝的に鼻が弱いんだろうね、とかかりつけのお医者さんにも言われたり。
あれを買ったわよ!鼻吸い機!えれえごついやつ!何万もするやつ!その名も『思いやり』!すごく良かったわよ!そのうち書きたい!

で、5歳の9月のことです。
風邪ひいてまたしても鼻ずるずるになった時にね、鼻が出るだけでなく夜中も呼吸が苦しそうだったり鼻水のせいで咳き込んだりが治まらず、いつもの小児科で、一度アレルギー検査をお願いしようかと、って話したんですね。
軽めのはやったんです、指からぷちっと血を取るやつ。花粉の季節に目が腫れたので眼科で。その時は花粉などのアレルギーは出なかったんです。3歳頃、2年近く前だったかと。
だったら次はきちんと腕から採血した方がいいねえ、と先生。

先生「どうする、やってく?」

えっ今!?
鼻水の薬もらいにきただけなのに!?
そんな、寄ってく?(飲み屋?常連?)みたいな気軽さで!?
“うちの子5歳が採血の前にやったこと。” の続きを読む

理不尽とファンタジーについて。小野不由美『十二国記 白銀の墟 玄の月』読了によせて(ネタバレなし)



さっきもぽろっと理不尽とか言ってしまいましたけども。それはね、実は『十二国記』を読み終わったこととちょっと関係がありまして。
ええそうなんです!
『十二国記 白銀の墟 玄の月』読み終わりまして!
読み終わりまして!
(あまりにも読み終わったので二回言っています)
ネタバレなしで、まずはこの感慨を書き記しておきたくて。

もうね、『十二国記』といい、上橋菜穂子先生の『獣の奏者』といい、おがきちか先生の『Landreaall(ランドリオール)』といい、この世の理不尽というもの、それにどう立ち向かうか、どう受け止めるか、ということがすごく、とても、切々と、熱く、冷徹に、描かれていてですね。

やっぱりファンタジーって素晴らしいなと思うのです。
“理不尽とファンタジーについて。小野不由美『十二国記 白銀の墟 玄の月』読了によせて(ネタバレなし)” の続きを読む

上野樹里さん主演ドラマ『監察医 朝顔』が良かった、子役の子がほんとに熟睡してて超可愛かった




『監察医 朝顔』、すごく良かったです。淡々と、切々としていて。
私自身、放送期間中に身内に不幸があったりもしたので、なんというか、いろいろと個人的にも感じるところが多かったです。
原作では阪神淡路大震災だそうですが、ドラマでは東日本大震災で家族を失くしたこと、その喪失感とどう向き合うか、登場人物それぞれの思いを描いています。

一番は、最終回で柄本明さんがふいに号泣するところ。幸せな時ほど、今ここにいてほしい人の不在が胸に痛いですよね。オットの父が亡くなって10年経ちますが、私もいまだによく思います。子供たち、父の孫たちが集まってわいわい賑やかにやっている時などには特に。

いろいろ感じてしまいましたが、子役の女の子がほんとにガチ寝してた姿が超!可愛かった!です。
“上野樹里さん主演ドラマ『監察医 朝顔』が良かった、子役の子がほんとに熟睡してて超可愛かった” の続きを読む

京アニ事件について海原純子先生「メディアは報道を見る人たちや取材を受ける人たちの心を想像して」

京アニ事件 報道を見るとつらい、苦しい人の心のケア(海原純子) – 個人 – Yahoo!ニュース

取材される人たちの心のケア

さてもう一つ気になるのはメディアの持つこうした潜在的な力と関連して、関係者に報道の暴力性についても改めて認識してほしいと思う。

真実を伝えるのが報道だという点に異論はない。ただ毎回事件が起きるたび被害者や被害者の家族、親しい方に向けるマイクがどのような影響を与えるかについて配慮しつつ取材をしていただきたい。
事件直後はまだ当事者はことを受け入れられず現実感のないままに取材に応じている可能性がある。また今回、取材を受けてインタビューに応じている方が、涙をのみこみ感情をおさえながらお話しなさっているのが気になった。
(中略)
当事者が自らの意思で語りたいときに語る場を提供することが本来であり、当事者が混乱し心の整理がつかない状況の中でマイクを向ける行為は時には精神的な「暴力」になる。事件が報道されることで支援が広がることは事実だろう。それゆえにメディアには、報道を見る人たちや取材を受ける人たちの心を想像し、共感と支援につながるように報道する姿勢を望みたいと思う。


“京アニ事件について海原純子先生「メディアは報道を見る人たちや取材を受ける人たちの心を想像して」” の続きを読む

京アニ放火事件、京アニに直接届く支援金預かり専用口座情報など

ご支援の御礼とご案内 – 新着情報 | 京都アニメーションホームページ

7月18日(木)に発生いたしました事件につきまして、世界中の方々からご支援のお声を頂戴いたしております。厚く御礼申し上げます。

弊社としても、再建を目指して最善の力を尽くしていく所存にございます。
そんな折、弊社に寄り添いたいという皆さまからの数多くのお声を受け取り、この度、弊社にて支援金の預かり口座をご用意させていただく運びとなりましたので、お知らせさせていただきます。

支援金につきまして、各方面より大変多くのお問い合わせをいただいております中、ご案内が遅くなりました事、お詫び申し上げます。

<株式会社京都アニメーション 支援金預かり専用口座>

銀行名 京都信用金庫
銀行コード 1610
支店名 南桃山支店
店番号 048
口座種別 当座預金
口座番号 0002890
口座名義 株式会社京都アニメーション 代表取締役 八田英明
※ 表示名「カ)キヨウトアニメーシヨン」


“京アニ放火事件、京アニに直接届く支援金預かり専用口座情報など” の続きを読む

[まじめに]うちの子3歳「なんで母ちゃんは優しい時と怒ってる時があるの?」

はい先ほどの、うちの子4歳(当時)にガチ説教されたお話の、ちょこっと補足です。

「母ちゃんはせっかちだからすぐイライラして僕のこと怒っちゃうんだ、っていつも言うでしょ」のとこ。
そうなんです、私いつもこう言ってるのです。
遡ること3歳はじめ頃のタローさんとの会話で。
(最初2歳半と書いていたのですが、アルバムメモを遡って調べたら3歳はじめでした)

小TR「ねえねえかあちゃん?」

うん?

小TR「かあちゃんは、やさしいときと、おこってるときがある」

うん。

小TR「なんで?」

よくぞ聞いてくれました。
あ、うちの子言葉早かったので2歳半頃からけっこうこんな感じで込み入った話ができたんです。

よくぞ聞いてくれました。
母ちゃんが怒る時には、大きくわけて2つの理由があります。
“[まじめに]うちの子3歳「なんで母ちゃんは優しい時と怒ってる時があるの?」” の続きを読む