(機能不全家族や毒親、毒母関連が苦手な方は、具体的なやりとりを細かく書いているのでご注意ください)
はい、少し前に一旦取り下げた、あひるちゃん大学時代、実母から従妹をかばったお話を少し修正しつつ、前後編に分けて載せることにしました。前はちょっと長すぎたので…。
20歳の頃の話なのですが、この体験が衝撃的アンド劇的すぎて私、大学の卒論として小説に仕立てたことがあるんですね。数日の間に目まぐるしく事態が転がっていってついには帰着するという家庭内サイコサスペンス。その小説を元にして、今回ダイジェスト版のような形でお送りしようかと。
最近ふとこの時のことを思い返して、私、この頃から今とやってることあんまり変わってないな、と思いまして。変わったのは、当時はものすごく狼狽しながら、翻弄されながらだったけれど、行動原理が変わってないなと改めて。あひるちゃん、割と一貫してるなと。
その最初の奮闘が、今回のお話でございます。
ちょっとなんか、書いてみたら口調が稲川淳二さんになってますが大丈夫、怖い話ですんで(大丈夫じゃないやつ)。
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■実母から従妹をかばった20歳の頃の話(改)
思えば受験の時期の出来事だから今からちょうど30年前のこと…
実母が。ハハがですね、姪っ子(弟の娘)をしばらくうちに泊めることにしたんですね。私にとっては母方のいとこ。大学受験で地方都市から東京にくると。受験期間の1週間ほどホテル暮らしをさせるつもりだ、と弟の配偶者さんとハハが電話で世間話しているうちにそんな話が出たらしく。あらまあそれならうちに泊らせなさいよ!とハハ。向こうはだいぶ恐縮している様子。いいのよいいのよ気にしないで!ホテル暮らしなんてリラックスできないし、〇〇ちゃん(弟配偶者)も心配でしょ!?その点うちなら安心じゃない!あたし受験生二人も世話した経験あるんだから!ね!そうしなさいよ!息子もスキー合宿でいない期間だからちょうどいいわよ!
嫌な予感しかしない。
もともと大して親しいわけでもなかったハハのゴリ押しを断れなかったおばさまは、残念ながら大学受験を控えた娘というただでさえ大事な娘さんの人生でも結構大事な時期にあたるのに(回文か早口言葉か)、うちのハハみたいなやべえモンスターに預けちゃうんですね。1週間も。
そしたらハハがいとこをいびり倒しまして。
急展開すぎん。一体何が起きるとそうなるのか。根本的に謎。
そもそもハハは、もともとその弟配偶者さんをあんまり良く思ってなかったんですね。ハハは歳の離れた弟を溺愛していて、それはもううちの兄と時々名前を呼び間違えるほどの溺愛ぶりで。なのでその配偶者のことが当然気に入らないわけですいや嘘ごめん当然なんかじゃない。邪悪。意味わかんない。わかったつもりになりたくない。
で、そのいとこちゃんがね、うちにくるじゃないですか。その時点で会うの数年ぶり。もともとうち親戚付き合い希薄だったし(ハハは婚家とはもちろんながら自分の実家の姉妹や実母とも折り合いが悪かった)。そのいとこちゃんに対し、母親そっくりねえ!とハハ。確かに顔立ちすごくお母さん似に育ってたんですよ。ちっちゃい頃の印象しかないのにいきなり大学受験の年齢になって現れたらまあ大きくなって!お母さんそっくりになって!ってなるじゃないですか。でもハハの場合はなんか違うの。ニュアンスが邪悪なの。夜中に私に向かって「ま〜いい性格してるわよあの子、〇〇ちゃんそっくりよ」とか言うんです。えっなんの話?と思って聞くと、あの子のここが気に入らないあそこがわがままだと悪口のオンパレードで。
例えばですね、もともと少食だし、朝はトースト一枚くらいであまり食べませんと事前に聞いていたにも関わらずてんこもりに朝ご飯出す。うちは私も兄も身体大きいしけっこう食べる方だったんですけど、少食だっていうその子に同じ量を出す。たじろいでいるいとこちゃんに向かって「試験前なんだから!たくさん食べないと力が出ないわよ!(試験当日の朝にそれ!?)」「あなた偏食なのねえ〜(少食を偏食と言い換えている)あなたのお母さんがお料理下手なのかしら〜(母親を攻撃)お母さんがあなたをちゃんとしつけなかったのねえ(母親を攻撃)」
私も学校とバイトでバタバタしていて、ある日一緒に朝食の席についてみたらこんなかんじで仰天しまして。これはあかんと。ハハが台所に立ったすきにいとこちゃんに「無理して食べないでいいからね」とそっと耳打ちし、タイミングを合わせて一緒に家を出たりなどし。
そんなこんなで、必死にいとこをかばいながらの数日間を過ごしまして。うちのハハがほんとにごめんね…。一度は試験中に気分が悪くなって休み時間にトイレで吐いたと言うではないですか。なんてことを!もう謝っても謝りきれない。結果から言うとですね、いとこちゃん試験ほぼ全落ちするんです。一番最初に受けたとこ(つまりハハの悪影響がまだ無かった日)以外全落ち。第一志望確実と言われていたはずなのに…。
そうこうするうちに、とうとうXデーがやってきます。
夜、私がバイトから帰宅したらハハがいつものように台所で大声で電話していて。相手はいとこちゃんの母親さん。「ま〜いとこちゃんわがままなのねえ〜!びっくりしちゃった!いえいえいいのよそうじゃないのよ〜ただねえ、あーんなに偏食だなんて思ってなくてね、何を出しても食べてくれなくてもう困ってしまって〜、え?いえいえいいのよ〜ただねえ〜?」とかやっているではないですか。なぬう!?い、いとこちゃんどこにいるの!?聞いてないといいけど…
滞在中、私は留守中の兄の部屋を使って、自分の部屋はいとこちゃんに貸していたので自分の部屋をノックしまして。コンコン。いとこちゃん、いる…?返事がない。そっとドアを開けると、部屋の真ん中でうずくまって耳を塞いで泣いているいとこちゃん。うわあああああ!!うわあああああ!!私は急いでお風呂に走って湯沸かしボタンを押してからバスタオルつかんで部屋に戻りまして、いとこちゃんをそっと立たせ、「これで顔隠してお風呂に行きな(ほらハハに泣いてるのがばれるとけなしてくるから)、思い切り泣いちゃいな」とそっと耳打ち。バスタオルに顔を埋めて大きく頷くいとこちゃん。ちょっともう無理…無理すぎる。
やれやれとお風呂場から居間に戻ってみたら、ハハの電話の相手が妹に替わっているんです。「も〜参っちゃうわよあの子すごいのよ?も〜お姫様なのよ!〇〇ちゃんが相当甘やかしてるわねあれは、弟ちゃんもかわいそうよ!あーんなヨメと娘に囲まれて!」「今?あの子?ああ大丈夫よお風呂入ってるのよ、お風呂がまた長いのよ〜!居候なのに!お姫様だから!」
この時私、身体中の血が逆流しそうなくらい、カアーっと腹が立ちまして。
なぜお風呂が長いのか教えてやろうか、お前にいびられて泣いているからだろうが、と台所のアコーディオンカーテンを開け放ってハハを怒鳴りつけてやりたかった。でもそれをしても無意味だ。私ではハハを止められない。どうしたら。じゃあどうしたらいいんだろう。
何がショックって、この数日間いとこが目の前でやられていたことは、私自身が物心ついてからずっと20年間やり続けられたことの追体験だったのですね。いちいち何をしてもなじられ小馬鹿にされ時には怒鳴られる、という日常。ちなみに「子供に向かって親を悪く言う」のもよくあることでした。私の友人に対してとか、知人の子を預かったりした時などに「あなたのお母さんはヘンな人ねええ!」とか言うんです(何それ怖い)。当時の私はいい加減慣れてしまったのもあり、どうすればハハの攻撃を避けられるのか子供の頃から試行錯誤を重ねてだいぶ回避できるようにもなっていたので、同じものを真正面からまともに食らって狼狽し、なす術もなく泣いているいとこちゃんの姿を目の当たりにしてですね、これを私も食らってきたのかと。私が20年間与えられてきた環境というのは、外から来た子がこんなにも傷ついて弱ってしまうほど、劣悪なものだったのかと。衝撃を受けたものです。
で、電話が終わったハハが、24時間銭湯に行ってくるわーと言い出して。もー疲れちゃって疲れちゃって!と。今思えば受験生の娘さん預かってるのに夜通し留守にするって何考えてんのかだけど当時は内心バンザイでした。やった!いなくなる!ストレス源が!
で、朝までハハがいない間になんとか救出方法を考えよう…とあれこれ画策しまして。
どうしたら…
次の試験までのあと3日間、どこで過ごせば…
とうんうん唸って、
あ、そうか。
いったん実家に帰ればいいんじゃないか、と。
新幹線で2〜3時間なんだから、もう明日朝イチで帰ればいいんだ。次の試験にあわせてまた上京して、今度こそホテルに泊まればいいじゃないか。
よし!おうちに帰ろういとこちゃん!
とソファから跳ね上がって言ったら、不安そうに私の様子を見守っていたいとこちゃんほっとして泣き崩れる。もう本当に酷すぎる。次の試験まで実家でゆっくり休めばいいよ、と声をかけるとうんうん頷くいとこちゃん。
さて。
方向性が決まったのはいいとして。
毒ハハ相手には根回しが必要なのです。
その時点で残念ながら終電は出ていたので(今なら駅の近くのビジホ予約してとにかく家から逃がすし、なんなら私も一緒に泊まってあげるけど当時はそこまでの発想も経験値もなかった)、朝一番の新幹線で出ることにしようと。そしてそれを、事前におばさま(いとこちゃんの母)に伝えておこうと思いまして。
そこで私は電話をかけ、あの…先ほどはハハが本当に申し訳ありません、いえいえ本当に、本当に申し訳…。で、いとこちゃん、そちらに帰ったほうがいいと思うんです、明日朝の新幹線で。いえいえ本当に、本当にもうすみません。でですね、この件を、私が言い出したというのはハハに内密にしてほしいのです…とお願いしまして。私の立場上ちょっとあれなんで。そこで口裏を合わせて、ハハとの電話を切った後で、やはりご迷惑すぎるから娘を帰らせようと思い立ちました、ということにしてもらいまして。(もしこれが兄相手だったら、リダイヤルの履歴見られて向こうからの着信じゃなくこちらから2回かけてるじゃないかとバレるのでハハで良かったし兄ほんと怖い)
そのあと、いとこちゃんにも少し電話を代わったんですね。
そしたらいとこちゃん、お母さんの声を聞いて泣き出してしまって。うん、うん、と頷きながら泣いてて。それを見るともなく眺めながら、ああ、いとこちゃんにとって母親というのは、心細い時に声を聞くと安心できるような、そんな存在なんだなあ、と思ったものでした。私と真逆だなあ、と。私は当時すでに風邪などの不調はハハに隠すようになっていたし(具合が悪そうにしているとイライラされるので、咳を我慢したり、発熱を隠してこっそり薬を飲んだりしていた)、何かを見咎められないよう、常に用心深く振る舞っていたから。
そして翌朝。
後編に続きます。
拝読し、まさに言葉を失いました。あひるさんが今日(こんにち)まで辿りつかれたことに心からのリスペクトを覚えます。何を書いても言葉は足りませんが、いつも応援しています。
aaさん
わ、ありがとうございます!ふてほどに続き、とっても励みになります…!ほんとにありがとうございます。
しかし思えば、実家がこういうわかりやすいダメな人で構成されていたおかげで、結婚後のダメさに気づくのがだいぶ遅れたんですよね…塞翁が馬。でも結果良ければ良しと思ってごいごい突き進んでおります。