うちの子がこれを読むなら [まじめに][自分史まとめ]

はい、ええと、一連の!自分史的なものをようやく!ひとまず!出し切ることができましたー!とにかくひとまずなによりすなわち。ありがとうございます!読んでくださって本当に!ありがとうございます…。今回は、まとめというかおまけというか。

自分史をまとめ直していて改めて思ったんですね。これ、親のしんどい生い立ちの話やら、壮絶だった分娩、その前の苦労した生殖医療通院みたいな話を、もしかしてうちの子が読む可能性を考えた時、ただこのまま置いといたらいけないんじゃないかな、と。親の影響の大きさを知っているだけに。

読むかわからないんですけど。どこかで直接話す機会もある、というか改めて考えてみるとすでに話して聞かせていることが多いのですが。なので、すでに伝えていることを整理しがてら、あとがきのようなものです。めちゃくちゃ私信なんですけど、うちの子宛に伝えたいことも。4300字。

というのもですね。
高校生の頃、先輩がね。ぽそっと言ってたことがあるんです。うちの母親は、俺を産んだ時のお産で子供が産めなくなっちゃったんだよね、俺のせいで、と。

俺のせいで、のところでそんなバカな、先輩のせいであるもんか、と思ったのですが当時は言えなくて。
で、数十年後、自分がまさしく分娩直後のトラブルで子宮摘出になった時まっさきに、ああ、もしかしてうちの子も、先輩みたいに自分を責めてしまう日がくるんだろうか、と気になったんですね。

あと、産んだ病院の看護師さん(兼助産師さん)や友人から、こんなに大変な思いをして産んだんだからきっと将来親孝行なお子さんになるわね、と言われた時にもおおいに違和感で。いや、私を労おうとして言ってくれたのはわかるんですが、産むのに苦労したからといって子が親孝行になるかどうかはまったく別問題である。だって子に負わされた傷じゃないし。親が大変な思いをしたから親孝行しなければ…と言われると…いや大変じゃないお産ないし…じゃあ子は全員が全員無条件に親孝行しなければならぬのか…そもそも…親孝行…とは…。

うん、いいんですそんなことは加味せず。1人で育ったような顔をして飛ぶように駆けていってほしい。親の有り難みなんてわからないくらいの方がいいと思う。でも日々の生活のケアやメンテナンスを家族分請け負っている、家事労働に関してはしっかり認識しておいてほしいな、と思ってちょいちょい伝えたり、一緒にやったりしています。もちろん家族分の稼ぎを担っているオットへの感謝も。我が家は完全分業制だけど、今の時代はそうじゃなく、女の人も男の人も外で働きながら家事育児も分担するのが主流になりつつあるんだよ、て話もしています。いずれにせよタローもいずれ一人暮らしするだろうから自分のことは自分でできるようになっておこう、というわけで洗濯物を一緒に干したり。

分娩が大変だった話や、不妊治療に通っていた話も、小さい頃からその年齢に応じた言葉で伝えてきていました。たりょー(タロー。仮名)の赤ちゃんの頃のお話する(するのはこちらなんですが)、と寝る前によくリクエストされたので、父ちゃん母ちゃんは、赤ちゃんほしかったけどなかなか授からなかったから、病院に通ってお医者さんに手伝ってもらったんだよ、そうしてタローがお腹にきてくれたんだよ、とか。

予定日を数日過ぎても生まれる気配がなかったから、日曜日になったら計画分娩で外に出しましょう、って言われてたら、土曜の夜中に陣痛が始まって夕方に産まれてきたんだよ、出されるの嫌だったのかもね、自分で生まれる日を決めたかったのかね、とか。

無事に産まれた後で、母ちゃんの方は出血が止まらなくてタイヘンで、血を止めるために緊急手術になっちゃってね、それで普通は5日くらいで退院できるのに母ちゃんはタローと一緒に3週間も入院してたんだよ、でもゆっくり休めて良かったよ、楽しかったよ、タローもずっと元気で、看護師さんたちに面倒見てもらって人気者だったよ、とか。

父ちゃんもおばあちゃんも毎日きてくれて、母ちゃんが起き上がれなかったから父ちゃんがオムツ替えたりミルク飲ませたりせっせとタローのお世話してくれてたよ、おばあちゃんも看護師さんも、こんなに新生児の面倒見る旦那さんなかなかいないって感心してたよ。
少しも泣かせておかないの。タローがふえって泣くとすぐどした?って抱っこするの。ふえって言うとすぐ抱っこ。ふえって言うとすぐ抱っこ。

それから、小学2年生の終わり頃にですね。さらに突っ込んだ話をする機会がありまして。
道徳の授業がきっかけでした。当時コロナの関係で、オンライン配信で自宅から見れたんですね。
教科書のお話は、あなたは小さく産まれて保育器に入っていたのよ、とお母さんが話して聞かせるというストーリーで。そこに関連して担任の先生が、2人の息子さんの他にも2度の流産の経験があることを子供たちに簡易な言葉で説明してらして。

「先生は、それまでは赤ちゃんってお腹にやってきたら生まれるのが当たり前だと思っていたけど、そうじゃないんだなってわかりました。無事に生まれてくることは実はとても難しくて、それだけで奇跡なんだな、って。だからみんなも、こうして生まれて育ってここにいるだけですごいことなんだよ」

みんな真剣に聞き入っていて、中にはしきりと目をこすっている子も(男女共に)。みんな優しくて可愛いな…そして先生それはおつらかったですね…

帰宅後タロー氏、授業の内容や先生が話してくれたことを詳しく教えてくれまして。感想には「僕はなかなか産まれてこなくて、日曜にはもう外に出しましょうねって入院する予定にしてたら土曜に産まれてきましたって書いた」ほほう!そのへんの話をしてたの幼稚園より前だけど良く覚えてるねえ。「その後お母さんは血がたくさん出て大変だったって書こうと思ったけど時間がなかった」そうか!時間切れ。救命病棟24時!みたいな衝撃のレポートになってしまうね。

そんな話から、産む時どのくらい痛かった?とかなんで血が止まらなかったの?と訊かれるままにあれこれ答えているうちに、癒着胎盤の話になり。母ちゃんの場合は全然血が止まらなくてドボドボ出て、先生が必死に手で止血してくれたんだよ、でも全然止まらなくて、仕方ないから命を守るために、子宮っていう、赤ちゃんが入っていた袋を切り取るしかなかったんだって。
と話したらタロー、

TR「じゃあもう僕にきょうだいは120%!できないの?」

おお、そうなのよ〜(いずれ話そうとは思ってたけど、この話から8歳でそこまで理解が及ぶとは。聡い子だなあ)。
ただ、他の選択肢として、お父さんお母さんがいない赤ちゃんをもらってくるというのもあるけど、そこには色んな難しさもあってね、今のところはうちには子供はタロー1人って父ちゃんも母ちゃんも思ってるんだ。

あとね、赤ちゃんがお腹にいるうちに胎盤のトラブルが起こることもあって、

TR「それだと赤ちゃんもしんじゃうの…」

そうなんだよ〜。そういうこともあるんですよってお医者さんが話してくれたんだ。だからタローが無事に産まれた後で起こってくれて良かったし、母ちゃんも次の子は産めなくなったけど命は助かって、タローの成長をこうして見守ることができて良かったなって思うよ。にゃーんとお膝にのぼってくるタロー。母ちゃん自身の子供の頃の悲しかったこととか、痛い話とかをするといつも登ってきてぎゅってしてくれるうちの子です。やさし。

などなど、芋づる式にいろんな話をしました。他にも、担任の先生と同じで、母ちゃんもタローの前にお腹の中でしんじゃった子がいたよ、とか(2度の流産)(じゃあほんとは3人きょうだいだったかもしれないってこと?そうだよ)、妊娠や出産、流産の説明のために生理や排卵、体外受精の詳しい話まで、これまで話してなかったことまで盛りだくさん!入院中に担当医師が書いてくれたように図解しながら説明しました。

てんこ盛りな内容でしたがさすがタロー、帰宅直後から1時間以上、あれこれ質問をはさみながら興味深げにずっと聞いてくれました。最後に顔をまじまじ見合わせつつ真顔で、

TR「母ちゃんて、1%みたいな少ない確率のものに、良いことも悪いことも当たりすぎてない?」

そうなのよ!ほんとよ!禍福はあざなえる縄の如しって言ってな?しかも1%じゃないんやで。0.01%やで。
こんなこともあろうかと総合病院を選んで良かったのよ。

TR「慎重で良かったね」

ほんとよ!

TR「良いことの方が多かった?」

そうだね、母ちゃんはそう思う。ただそれは考え方次第なところもある。人によっては、流産や子供が産めなくなってしまったことをずっと悲しみ続けてしまう人もいるし、母ちゃんも確かにタローにきょうだい作ってあげたかったなって悲しく思う気持ちもあるけれど、それでも命が助かって良かったと思うし、父ちゃんもそう言ってくれたんだよ。最初は悲しいかもしれないけど、そのうちにタローと3人で仲良く暮らしていこうってきっと思えるようになるよって。と父ちゃんを上げることも忘れない母である。

そんな話を。大体してあるので…まあ、あなたはたぶん自分のせいでこうなってしまった、とは思わないでいられるんじゃないかな?実際そういうことではないしね。色々あったけどなんとかなってる。あなたも毎日楽しそうで、お友達と遊びに行ったり、文句言いつつも塾にも通って勉強も頑張っていて、にこにこすくすく大きくなってくれているのが母はとても嬉しいです。学校を出て自活できるようになるまであと12年か14〜15年か、進学で親元を離れるとしたらもっと早く別々に暮らす日が来る。親子初期の濃密な時間はもう終わりかけていて、ここからは今までよりももっと自立、独立を目指す関係にシフトしていくんだと思う。この今の、実家で暮らした子供としての日々が、あなたの人生の滋養となるように願っているし、そのためにできる限りの努力をしているつもりです。それも大人として当然の務めなので私に感謝する必要はないが、子供として庇護されるのが悲しいけれど決して当たり前ではないことも知っておいてほしい。それから、側から見てどんなに恵まれたように見えても、その人それぞれの苦しみや葛藤がある。親に言えないこと、言っても聞いてもらえないことを、相談できる人を見つけてほしい。1人2人に言ってみても通じない場合も多い。そういう時にも諦めないで、話して良かったと思える人が見つかるまで探し続けてほしい。きっと見つかるから。

と、すんごい理解ある良い親っぽく書いてしまったが、普段は大体手ー洗えとか歯ー磨けとか早く寝ろとか怒ってばかりの母ちゃんなこともご存知ですよね。一応こういう理念もあるのですよって話です。

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うちの子に伝えたこと、伝えたいこと中心に。

コメント欄ですごく祝福されて母ちゃん感激だったよ。
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まだ考え中の課題です
2022-09-25 ネット上に我が子について書くこと(西原理恵子さんの娘さんのブログ)[まじめに][機能不全家庭]


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