はい、悪いことばっかりネットに放流するのもあれなんでね。親が子供の中傷をリーク、みたいな。ごめん我が子よ。数年後に母ちゃんのブログ読んでみたらなんやねんこれ俺の恥ずかしい話が面白おかしく書かれとるやんけー!と怒られたら困るから。無断で書いたのは謝る。だが誓って脚色はしていない。すべてお前が実際に面白おかしいことをしたその忠実な記録やで。って答えて全面戦争突入するやつ。
なので良いことも書きます。平和のために。
以前びっくりしたうちの子の冷静さというか、探究心について。
うちの子タローさん、鼻炎でして。
赤ちゃんの頃から鼻水がちな子でした。
私もオットも鼻炎気味だし、遺伝的に鼻が弱いんだろうね、とかかりつけのお医者さんにも言われたり。
あれを買ったわよ!鼻吸い機!えれえごついやつ!何万もするやつ!その名も『思いやり』!すごく良かったわよ!そのうち書きたい!
で、5歳の9月のことです。
風邪ひいてまたしても鼻ずるずるになった時にね、鼻が出るだけでなく夜中も呼吸が苦しそうだったり鼻水のせいで咳き込んだりが治まらず、いつもの小児科で、一度アレルギー検査をお願いしようかと、って話したんですね。
軽めのはやったんです、指からぷちっと血を取るやつ。花粉の季節に目が腫れたので眼科で。その時は花粉などのアレルギーは出なかったんです。3歳頃、2年近く前だったかと。
だったら次はきちんと腕から採血した方がいいねえ、と先生。
先生「どうする、やってく?」
えっ今!?
鼻水の薬もらいにきただけなのに!?
そんな、寄ってく?(飲み屋?常連?)みたいな気軽さで!?
うちの子、採血未経験ですよ?
通り一遍の予防接種は受けているし、その時も大変大人しく覚悟を決めて耐えてくれるので素晴らしく理性的で助かっていますけども、採血って予防接種より滞空時間、じゃなくてなんていうんでしょう、針刺さってる時間長いですよね。針も太いし。わりと覚悟がいると思うんですよ?
と、ぐるぐると頭の中をいろいろが駆け巡る俺。わたし心はおしゃべりだわ。
とりあえず…本人の希望を聞いてからでいいでしょうか…、と言ってみたら先生「いいよ〜。まあ、子供はイヤだって言うけどね」
まあ、そうでしょうね…。
診察台の端にちょこんとえんこして、先生と私のこれまでのやりとりを無表情に見つめていたタロー。の横に膝をつく私。
タローえっとね、鼻水がずっと止まらないのはどうしてか、調べてみようかって今母ちゃんと先生話してたでしょう。
(聞いてた、というふうに頷くタロー)
それで、アレルギー検査っていうのをしてみようかって。ちょっとだけ血を取って、何が原因で鼻水が出ているのかを検査してもらうの。
TR「前に眼科でやったのと同じやつ?」
そうそう!眼科で指からちょこっと血を取ったよね。あれだと血の量が少なすぎるから、今度はもっとしっかり検査できるように、腕から注射器でちゅうって血を取るの。
TR「痛い?」
そうねえ、ちょっと痛いね。
TR「注射とおんなじくらい?」
そうだねえ(もっと長いんだよね…)
どうする?今やってみる?
TR「やらない」
やらない。断固拒否。
今度にする?
TR「今度にする」
この次、来週ならできる?
TR「できる」
じゃあそうしようか。
すいません来週にしていいでしょうか。
先生「おっそうする?いいよー」
診察室を出て(すいません話し込んで…でも先生いつもどの患者さんに対してもきっとこうです、待ち時間けっこう長い。けどウェブ予約もできるから助かる)処方箋をスマホで撮って薬局にアプリで送信して(すごく便利!!すごく便利!!)、一度帰宅。
そしてタローさんと、採血ってどんなものだか調べてみようか、とiPhoneで検索。
「採血 イラスト」で画像検索してみると、(注射器とかが苦手な方はご注意ください)出てくる出てくる!可愛いイラストが!
興味津々で覗き込んでくるタロー。見て見てこんな感じでね、腕からちゅうって取るんだよ。
ここです。
いよいよ。
タローさんからまさかの提案。
TR「動画も見たい!!」
ど動画!?
ええっと…「採血 動画」で検索すると…
(↓リンク先、注射を刺したりしている写真満載のサイトなので苦手な方はご注意ください)
看護師さん向けの、
採血のやり方解説サイトと、
解説動画!!!
見ました!これをうちの子5歳児と一緒に!!
TR「もっかい見る!!」
ももももっかい見る!?
『日常』のドドドドッピオ!?みたいなことになる俺。
見ました!!3回くらい見ました!!
看護師さん向けの採血のやり方解説動画を見て予習をする5歳児。
知的好奇心が恐怖心を凌駕しているうちの子。
すごすぎる。あなたすごすぎる。
あなた採られる方やからね?採る方ちゃうねんで?もしかすっかり採る気かもしれんけど。あなたのポジションはこっちの横になってる青い服着た人の方やよ?
ちなみにこの動画で採血の実験台いやいや練習台…あんま変わらんな…になってらっしゃる人、「注射器の場合」と「真空管の場合」両方に出演してらして。
TR「おんなじ人だね!」
おっおんなじ人だねえー!!
2回もとられて!!どっちも同じ腕だよ!?別日に撮影したのか!?すぐ撮った(採った)のか!?
気になる!!
思わぬ方向に動揺する俺。
真空管の方がね、注射器を動かさないで済むからラクなんだよ採る方も採られる方も、血管に刺すだけでぴゅーっと血が吸い込まれていくの、ほら見て見て面白いねえ!
親子で楽しむ看護師さん向けの採血のやり方解説動画。おやつ食べながらキャッキャ見ました。
感じる。オットくんと同じコスモと書いて小宇宙、じゃなかった逆だ、を感じるわ。
無神経系。血の色みどり系。いやちゃんと赤かったですし。一応は(一応って言ってやんなし)(あとさりげなく寄生獣のセリフだし)(さりげなさすぎる)。
近江谷先生(仮名)(突然ですがキャラメルボックスの近江谷太郎さんに似ているから)のとこではどっちの方法かなあ?などと盛り上がりながら予習を完了し、いざ翌週になり。
タローさん、無事に落ち着いて採血を受けることができました。
できたどころか、泣きませんでした!!
すごい!!
いくら予習してもやっぱり怖いし痛いし、うえーんて泣いちゃいはするだろうなと思っていたのに。
病院に行く時も、いきたくな〜い〜ってなるかなと思いきや、粛々と向かうタロー氏。
「どう?今日はできそう?」と問う近江谷先生(仮名)に、看護師さん向けの採血のやり方動画を見て予習してきました、と話したら「すごいね!」とびっくりされました。私もびっくりです。
さすがにちょっと怖がってはいましたが、針を刺す瞬間に「ひん」って言っただけで暴れもせず、泣きもせずじっとしていました。すごい。
以下、2019年9月当時にメモしてあったタロー氏のヒーローインタビューです。
TR「思ったより痛くなかった」
TR「泣くのを我慢したんじゃないよ、泣くほどは痛くないって思ったんだ」
TR「こんなに痛くなくてほんとにお病気治るのかなって思っちゃった」
おお〜そうか!言うじゃない!
たぶん先生がね、かなり細い針と管を使ってくれてたんだよ、そのおかげであんまり痛くなかったんだと思う。
(そのかわり10mlためるのにけっこう時間がかかりましたが、針と注射器をじっと見つめながら最後まで動じないタローさんでした)
(なぜ泣かなかったのか、という質問に)
TR「だって泣いちゃうと、はい終わったよ、ってなってもありがとうございましたって言えなくなっちゃうから」
(いや泣いてなくても言えてなかったけど心がけは大変立派ですね)
さらに。
TR「あのね、え〜採血したの僕なんだから自分に作ればいいのに〜ってきっと母ちゃん言うと思うけど、母ちゃんにお礼に何か作ってあげる」
何それ!そうなの!?どうして!?
TR「だって(採血の間)そばにいてくれたから」
何それあなた!出来すぎたお子さんすぎない!?出木杉くんなの!?
そして母ちゃんのリクエストを聞いて、いや聞いてくれなかった。何作ってほしい?って聞く割に言うもの全部却下された。やっと採用になったのは幼稚園で習ったばかりの、折り紙の天の川。それをちまちまと作ってくれたタローさんでした。とっても嬉しかったです。子供のこのてらいない感謝の表現。
えっとですね。最初に先生から「やってく?」と言われた時に強引にやってもらっちゃう選択肢もあったとは思うのですね。
ただ、うちの子の場合、事前の説明や予備知識を入れることによって、不安や恐怖がかなり軽減されるんですよね。
何をされるか、どうして必要なのかをあらかじめ把握しておけば、不安や恐怖を自分で律することのできる子なんですね。
なんとびっくり。すごいんですよ本当に。理性的なお子さんで。
私にそういったタローへの信頼があったので、こうした回り道をすることにしたのでした。
直近の予定も特になく、近所だしウェブ予約もできて再度の通院も苦じゃなかった、というのも大きい。
というか、むりやりやっちゃったら絶対泣くし、それで恐怖心や、蹂躙された!という恨みを植えつけてしまうとですね、絶対忘れないからうちの子。私の子やから。そっちの方が後々大変やから。
その辺もね、その場ではギャン泣き大暴れでも終わったらケロっと忘れちゃう子もいるし、変に間をあける方が恐怖が長引いちゃうから泣かせても即決の方が有効な子もいると思うので、きっとどこのご家庭でも保護者の方々が、お子さんの性格や、通院にかかる時間や労力など諸々を天秤にかけてベスト、ベターな手段をその都度臨機応変に取っているんだと思います。皆様ほんとに!ほんとにおつかれさまでございます!
以上、うちの子と採血でした!
なに?ここまで手取り足取り子供のご機嫌とってやってんの?だから今時の子供はひ弱に育つんだよとか誰か言いましたか?
うっせえバーカ!昭和が雑だったんだよ!(突然の誘いギレ)
あひるちゃんが子供の頃はもちろん色々雑に扱われたよ?昭和50年生まれ俺。
それを恨んでるから。いまだに恨んでるから。恨むの得意だから。
だから自分が大人と呼ばれる側に立つこととなった今は、子供と呼ばれる側の人間に対しなるべくやらないようにしたいなと思ってるだけですよ。自分がされて嫌だったことを。なかなか難しいけど。
でもねほんとね、私のまわりの親御さんを見ていると、みんなそうやってがんばって丁寧な子育てしてるなあと思いますもん。自分が親から「お姉ちゃん」って呼ばれるのが嫌だったから上の子のことは絶対名前で呼んでる、とか。「お兄ちゃん、お姉ちゃんなんだから我慢しなさい」って怒られるのがいつも嫌だったから、自分は「我慢しなさい」とは言わないようにしてる、とか(下の子はまだ小さいから言葉で言ってもわからないんだよ、と説明してあげたり、上の子が嫌な思いをしていたら「そうかそれは嫌だったね」と同意してあげる、など)。
別に甘やかしてるとかじゃないから!本物のスポイルを知らないだろ!見せるぞ本物を!怖いものを!(誰と戦ってるの?)
自分がやられて嫌だったことはしないように努力してる、というだけですよ。というだけ、であると同時にとても難しいそれに日々チャレンジしている人多数。断ち切れ!負の連鎖。
以上です!
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その後の話を書きました。
■2020-02-13 うちの子5歳、採血で泣かなかったその後。最近の小児診療は子供にきちんと説明してくれる先生が多いと感じた話
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これだ!その名も「おもいやり」!
うちのは旧モデルですが、お値段はこんなかんじでした。「悩んだけど買って良かった」「もっと早く買えば良かった」とのレビューが多数ついてまして、少なくともわがやもまったく同意でした。買って良かった。2歳頃に買って数年間ずーっとフル活用、もうすぐ6歳の今は自分で鼻を噛めるようになってきたことと(まだ練習中)、耳鼻科で薬を飲むようになったから鼻水頻度が減ったのですが、今でも時々使ってます。
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