はい、いよいよ大詰めとなりました、あひるちゃんの2014年の出産日記。長文詳細記録、その補記(育児の孤独)、看護師Mさん、克実小ネタ、担当医師T先生、オット母、オットくんの発言その1、その2(ゾンビ)、と来まして。
ついにうちの子登場です。
2014年の出産について、3年後の2017年に書き起こした文章です。
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2017年3月30日
分娩感謝シリーズ、生まれたてのうちの子、大人な新生児
分娩で命を落としかけた感謝シリーズ、そういえば!うちの子タロー(仮名)にも感謝しなければなりますまい。
ベテラン看護師Mさんが入院中、しみじみと「私は仕事柄たくさんの赤ちゃんを見てきたけれどね、この子、タローちゃん(仮名)は大人だわ…と思うのよ〜」と話してくれた。
私が分娩4日後の大出血で緊急手術(そして子宮摘出)になってしまい、一晩ICUに入っていた時、子供は新生児室で預かってもらって看護師さんたちが交代でお世話してくれたのだ。
分娩は総合病院で、産科の看護師は全員助産師の資格も持っているとのことだった。
(毎回書いてすみませんが、この記事だけ初めて読む人に向けて、また、「自然なお産」を盲目的に礼賛し、「病院での出産」を無闇に敵視する風潮について常々疑問を感じてきたので、少しでも誰かの心に引っかかればと思い、「私はあえて病院での分娩を選びました」と書いています。この辺もまた詳しく書きたい…色々ある…)
小さな病院や助産院もアットホームで楽しそうではあるのだが、何かあった時に緊急搬送されるくらいなら、初めから緊急搬送先である周産期医療センターに指定されている病院で産めばいいのでは、と思い、うちからももちろんだがオット母も通いやすい立地で、生まれた子供に何かあった時のためにNICU(新生児集中治療室)のある病院、と絞り込んで選んだのだが、まさか自分がICUのお世話になるとは。
で、そんな私が一晩ICUで過ごしていた間のうちの子のことを、看護師Mさんが後から話してくれたのだ。
Mさんがうちの子を抱き上げ、「ママ今がんばってるからね、タロちゃんも応援しようね」と声をかけたら、うちの子生後4日、Mさんの顔をじっと見つめ、何やら何かを理解したふうな、何となくこれはただごとではないな、と察したふうな表情をしたのだそうな。
Mさん曰く、「赤ちゃんって大体2通りいて、一方はいかにも『ウエーン!ウエーン!』(と新生児のまね)っていう赤ちゃん赤ちゃんした赤ちゃん。
もう一方は、大人の言うことや周りの状況をなんとなーく感じ取っているような、大人な赤ちゃん。この子は後者だわ…」
Mさんはとにかく細かなことを様々に褒めてくれる人だったので、これも新米母を励ますためにやや盛ってくれたところもあったのだろうと思う。でもまあやっぱり、嬉しいですよね、そんなふうに言ってもらえると。
それから、産後一ヶ月健診でもう一度病院へ行く時、丸一日付き添ってくれた福祉センターの保健師さんも(これについてもそのうち詳述する予定です)、同じようなことを言ってくれた。
お産が大変で、回復に時間のかかるお母さんの子は、大人しくて育てやすい、というパターンがとても多いように思う、と。
「赤ちゃんなりに何かを察して、お母さんを助けようとしているのかなーと思うんです」
それを聞いて、こんなに小さいのに、私がお世話しないといけない側なのに、子供に気を遣わせてしまって申し訳ないな、と思った。でもありがとう。
その後も、まともに立って歩いたり、普通の生活ができるようになるまで半年くらいかかったように思う。これから出産予定のかた、産んだばかりというかた、どうぞお大事に過ごしてくださいね。当時は自分がそこまで傷んでいるという自覚がなかった。だってしんどくても動かないことにはどうしようもなかったから。
だけどできる限り身体を横にして(座ってるだけで身体ってやはり疲れるものだ、とこの時期実感)、必要な時だけ動けばいいように、可能な限り休んでほしいな、と思います。
あと、この時期言われてホッとしたのは、「たとえ5分でも眠れば、妊産婦さんの身体は休息が取れるようにできている」ということでした。本当かどうかわからないけど、でも泣き声で目が覚めて時計を見た時「5分しか経ってない…」というあの絶望感が、少し薄まりました。
うちの子もおとなしいとはいえやはり新生児、3時間おきに泣いたり、5時間6時間泣き続けたりももちろんした。それでも、今日はどうにも本当に調子が悪くて起きられない…というような日は、一緒に大人しく横になってくれて、いつもより長めに眠ってくれたり、私が立って抱っこして歩き回らなくても怒らなかったり(赤子未体験の皆様がたへ、赤子は怒ります。豆知識)、しっかり休ませてくれたように思う。
3週間の長きに渡った入院生活で、うちの子はすっかり新生児室の重鎮と化していた。
普通は生後5〜6日で退院していく中、うちの子はただでさえ少し大きめに産まれたのに加え3週間も新生児室に居座っていたので、生まれたての他の赤ちゃんたちに比べてずいぶん育っていて泣き声もパワフルで、さらには抱き上げた時にじっと相手を見つめる物問いたげな表情が看護師さんたちに評判で、その顔見たさにみんなが代わる代わる抱っこしたがったそうだ。うちの子大人気。
退院の日、諸々の手続きを終え、いよいよ最後に入院患者がつけるリストバンドをはさみで切ってもらっていたら、看護師さんたちがナースステーションからたくさん出てきて「わ〜タロちゃんに会えなくなっちゃうの寂しいわ〜」「元気でね〜」とみんなして代わる代わるタローに指を握らせたり、頭を撫でたり足をふりふりしたり。うちの子大人気。皆さんに可愛がってもらって有り難い限り。
タロー現在3歳3ヶ月の、生後3週間の出来事でした。
(2017年3月30日)
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これで!2017年に書いた分娩日記は全部です!長々とお付き合いありがとうございました!この後、書き下ろしこぼれ話を書く予定。そのあと体外受精や代理出産、子宮移植について思うことなども書いておきたいなと考えています。
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うちの子関連あひる
何度でも書いてしまいますが、このお知らせ記事にたくさんの祝福コメントを本当にありがとうございました。
■ 2014-12-25 [お知らせ] こどもがうまれました
ここでもちらっと大変なお産だったって書いてますね。大変過ぎだろ。
■ 2017-01-06 うちの子タロー、生まれたての頃の思い出(長文)
■ 2015-04-21 うちの子タローさんはいっつもにっこにこしている[ちょっと真面目に]
あれ…1歳〜2歳頃までは確かに朗らかバンコランみたいなニッコニコな赤ちゃんだったのに、いつの間に魔太郎に…?
■ 2022-04-01 うちの子には800人の敵がいる(お伝とでんじろう)