NHKドラマ『燕は戻ってこない』がすごい…代理出産の闇と真実を突きつけまくる…[生殖医療][まじめに]


<燕は戻ってこない 桐野夏生/amazon>


いやあすごい…すごいものを見てしまった…
1回目からすごかった…

確かに私も書きました。代理出産に反対ですと書きましたが…それでも、この技術に望みを託している人たちもいるだろうなと思うとあまり辛辣な書き方はできないなと、かなり言葉を選んだのですがそんな私の葛藤レシーブを強烈スパイクで叩き落としてくれるNHKさん…すごい…

え、国営放送ってこんなに、真っ向反対の立場取っていいんでしたっけ…?商品名や企業名さえ出さなきゃ何やってもいいの…?

まあ…原作が桐野夏生さんなら!エグい内容になるか!
『OUT』が怖すぎて他を手に取れないままなのですが、それでも桐野夏生らしい…と納得してしまうひたひたとにじり寄る不快感…(褒めてます…)

あとね。前回代理出産について書いた時はそうやって躊躇があったために大事なことを明記し損ねていたことに気づいたのですが。

今回のドラマのテーマは他人の卵子や子宮を使う「代理出産」「代理母」だけれど、若い女性たちに向けて今カジュアルに提案されている「卵子凍結」にも、必ず「体外受精」が必要になるのです。

そして、若いうちに卵子を凍結しておけば、いつでも好きな時に子供が産めるわけでは決してない。
“NHKドラマ『燕は戻ってこない』がすごい…代理出産の闇と真実を突きつけまくる…[生殖医療][まじめに]” の続きを読む

あさイチの共同親権特集が良かった!5/13月曜にも2回目の特集放送予定![共同親権を廃案に][まじめに]

なんと!共同親権について、NHKあさイチで5/9木曜に放送された特集が!素晴らしかった!
良かった!
すごくほっとしました。短い中で改正法案の懸念や不安をしっかり伝えてくれたように思います。さらに、木曜の15分間だけでなく、来週5/13(月)にもまた取り上げてくれるとのこと!

以下、番組について思ったことと、5月7日におこなわれた参議院法務委員会で、共同親権に反対する立場の方々の弁論をメモとして載せておきます。

“あさイチの共同親権特集が良かった!5/13月曜にも2回目の特集放送予定![共同親権を廃案に][まじめに]” の続きを読む

共同親権、各地の弁護士会等の反対声明まとめ [共同親権を廃案に][まじめに]

2024-02-07 共同親権に反対します、オンライン署名にも賛同しました [まじめに][機能不全家庭]

2024-05-06 共同親権について、NHKあさイチで5/9木曜に特集[STOP共同親権][まじめに][機能不全家庭]

続きです。
各地の弁護士会などの会長声明が続々と出ている、と小魚さかなこ先生のツイッターで知り、調べてみたらこんなにあった!この物量。私が現在確認しただけで14道府県(北海道は札幌と函館二ヶ所出ていた)、その他医師会なども含めて20以上の団体が!

できるだけ発表日付順に並べます。各会によってニュアンスが異なる。明確に反対、廃案、差し戻しを強く要請する、と言い切っている会もあって頼もしい。ただ、すべてに目を通すと、「十分に検討・審議される必要がある」というやや婉曲な書き出しでも、重大な問題を感じているのが伝わってきます…。ぜひ読んでみていただきたいです。励まされる…。みんな真剣に考えてくれている…。 “共同親権、各地の弁護士会等の反対声明まとめ [共同親権を廃案に][まじめに]” の続きを読む

共同親権について、NHKあさイチで5/9木曜に特集[STOP共同親権][まじめに][機能不全家庭]

おお!あさイチで共同親権についてのアンケートをとっている!とは知っていたのですが、放送日が思ったより早い!

2024年5月9日木曜の冒頭企画が『共同親権』だそうです!

当初は放送日が「5月中旬」とされていて、弁護士の太田啓子さんをはじめとして「それでは遅すぎる」という意見が多数あったのですが、それを受けて早めたのだろうか。

検索してみると、共同親権推進派も意見を送っているらしいので、あさイチがどういう番組作りにするのか気がかり…。

今年2月にも書きましたが改めて。共同親権を認める民法改正案が衆議院で可決されてしまいましたが、参議院での可決をなんとか阻止、衆議院に差し戻し、最終的には廃案をめざして、全国の心ある弁護士や専門家が警鐘を鳴らし続けています。

私も共同親権には反対です。今の日本に必要なのは、共同親権よりも、養育費の強制徴収と、DV加害者更生プログラムの義務化だと思っています。

“共同親権について、NHKあさイチで5/9木曜に特集[STOP共同親権][まじめに][機能不全家庭]” の続きを読む

日本国憲法に “両性の平等” 条項を起草した女性(『虎に翼』オットも見ている)


<1945年のクリスマス 日本国憲法に「男女平等」を書いた女性の自伝 ベアテ・シロタ・ゴードン,平岡磨紀子(訳)/amazon>

ほい、せっかくなので憲法記念日の本日にあわせて、載せようと思っていたこの話を。

朝ドラ『虎に翼』をね、うちの子10歳だけでなくオットも一緒に見てまして!最初は1週目と2週目のまとめだけ見たんですけど、いやこれ全然足りてないんで、オリジナル版のこれとこれだけは見る?いかが?じゃあ、ってんで最重要回だけピックアップして見たりなどし。

でも先日オット出張だったので視聴が途切れて、それを機にフェイドアウトしちゃうかなあ…と思っていたら「向こうでも見てたよ毎日」あらまあ!嬉しいこと!これね、一部の男性には不評らしいので、オットが毎回見てくれて嬉しい。ぜひとも、ここに描かれている様々な事柄が、ドラマとして誇張しているわけでも昔の話でもなく、今に至るまで女性たちから見えている世界というのはこういう不当で過酷なものなのだ、ということを感じ取ってもらえたら尚嬉しい。

2週目の離婚裁判を見終わったくらいのタイミングだったと思うのですが、オットが「これだけ不平等だった憲法に、”両性の平等”が盛り込まれたのってすごいことだね」と仰り。

1回目のオープニングでも読みあげられていた日本国憲法序文、「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」という。すべて国民は平等であって性別で差別されないと。明記されているはずなのですが。

え、でも実際には機能してないじゃないですか、とつい私。それでもはっきり書かれただけでもすごいんじゃないの?とオット。

んーまあ確かに、書かれないよりは書かれてた方がそりゃあまあ。と思いつつ、どうして書かれることになったのかの経緯を検索してみましたら。

ベアテ・シロタ・ゴードンさんという、一人の女性の提言だったと知ることができました。

“日本国憲法に “両性の平等” 条項を起草した女性(『虎に翼』オットも見ている)” の続きを読む

米津玄師『さよーならまたいつか!』、有史以来こんなにも女性に寄り添ってくれた男性アーティストがいただろうか [まじめに][フェミニズム]

さあ皆さん。みんな大好き米津米津のお時間がついにやって参りました(米津米津?)(あとでご説明します)。6000字くらいかけて米津玄師さんの解釈がいかに米津米津かって驚嘆賞賛してるだけの記事です。

米津といえば解釈の悪魔ですよね?
ヒロアカとかウルトラマンとかいろんな古参ファンを調伏してきた米津米津。

そんな米津の解釈砲が…
解釈の悪魔米津が…
フェミニズムに、女性が受けてきた抑圧の歴史に発動された時…

「空に唾を吐く
(そォ゛オ゛オ゛らにツバを吐゛くゥ゛ウ)」
「したり顔で触らないで 背中を殴りつける的外れ」
「100年先もあなたに会いたい 消え失せるなよ」

お…おおおおおん!!(群衆の声を一人で)
こんな歌が!出来上がったなんて!
こんな歌を!作ってくれたなんて!

これほど心強いエールがあるだろうか…!!

第1回のオープニングで3回くらい泣きました。だってほらまず歌の前に、主人公とら子が日本国憲法を読むじゃないですか。ナレーションの尾野真千子さんがゆっくりと、力強く、「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」と。この時点で泣く。

そしたら!この米津米津曲が!
色使いも華やかなイラストレーションとともに流れ出して!

「いつのまにか花が落ちた」
「誰かが私に嘘をついた」
「土砂降りでも構わず飛んでく その力が欲しかった」

あああああ!!
泣く!!!!!
“米津玄師『さよーならまたいつか!』、有史以来こんなにも女性に寄り添ってくれた男性アーティストがいただろうか [まじめに][フェミニズム]” の続きを読む

NHK朝ドラ『虎に翼』股間を蹴り上げる [まじめに]

<虎に翼 Part1 [吉田恵里香]/楽天>

<女ことばってなんなのかしら?「性別の美学」の日本語 平野卿子/amazon>

股間を蹴り上げる[まじめに]って。いや、でもそうとしか言いようがないな。今からまじめに股間を蹴り上げる話をします。今回4000字くらいです。

ええ前回は週まとめはカットされまくっててもったいないから!と1週目をコマ送りでお送りしましたが、まだまだ書きたいことがあるとらつば。すごく勧めたいのに短く書けないので、とにかく見て!としか。見て!の3文字でOKなんですけど。

今回は、「殿方の股間を蹴り上げる」についてです。(殿方の股間を蹴り上げる)(なんで2回言った?)

華族の涼子お嬢様が、わたくしも毅然と、殿方の股間を蹴り上げられるようになりたい!と仰っておられましたが。「殿方の股間を蹴り上げる」といえばね?村上春樹の『1Q84』にも出てくるよね! “NHK朝ドラ『虎に翼』股間を蹴り上げる [まじめに]” の続きを読む

NHK朝ドラ『虎に翼』素晴らしすぎる!週まとめだとカットされまくってるからぜひ毎朝のノーカット版見て![フェミニズム][まじめに]


<NHK連続テレビ小説「虎に翼」シナリオ集 第1週[全26巻]吉田恵里香/amazon>

いや!もう!はい!皆さん!ご覧になっておいでですかしら?あひるちゃんはついつい華族言葉になってしまうくらい毎朝楽しみにしておりましてよ?

「お気立てに難がおあり」(おめえ性格悪りいな!)
「殿方の股間を蹴り上げる」(殿方の股間を蹴り上げる)

声に出して読みたい涼子お嬢様語録。これについては別記事にて詳述いたします(えっ)。

あの、すいませんもう素晴らしく面白いし朝ドラ史上最高とも謳われ、本っ当に素晴らしいのです。共同親権に揺れたこの4月半ばの一週間にDV裁判を取り扱った奇跡、そして慈愛に満ちた大江殿裁き…それが!まさかの史実だったとか!実際に当時あった判例だとか!

もう。あの。ぜひ見て。できれば土曜にやってる週まとめだけじゃない方がいい…大事なセリフや場面が悉くカットになってるから!

例えばですね。第1週の金曜日にね!石田ゆり子さん演じる、主人公の母はるさんが。いつも甘いもの食べようとしてるとこを遮られる運命を背負ってる松山ケンイチ氏に啖呵を切る場面があるんですけれども。娘の寅子(ともこ。愛称とら子。我らが伊藤沙莉ちゃんん!)がマツケンから、君のように甘やかされて育ったお嬢さんは泣いて逃げ出すに決まっている、と言われているのを聞いてお黙りなさい!と割って入って。

その時のやりとりを一部書き出します。太字は週まとめでカットになっていた部分です。
“NHK朝ドラ『虎に翼』素晴らしすぎる!週まとめだとカットされまくってるからぜひ毎朝のノーカット版見て![フェミニズム][まじめに]” の続きを読む

クドカン『季節のない街』2話の毒母、ゲス兄描写が容赦なくて素晴らしかった [まじめに][機能不全家庭]

季節のない街 シナリオ

<季節のない街 シナリオ 宮藤官九郎/amazon>

「コントが始まる」Blu-ray BOX
<コントが始まる/楽天>



はい。さっき9000字もかけてクドカンふてほど(不適切にもほどがある)にダメ出ししまくったのに。すいません。クドカン大好きなんです…。でね、今やってる『季節のない街』は、2話まで見た今のところ、あまり引っかからずに見ることができています。2話の毒母、ゲス兄回は良かった。良くない。胸糞悪くて良かった。良くない。(『いだてん』か。違う!そう!違う!て)

えっとですね。しばらく前のなんですけど、残念だったドラマの話をまたします…仲野太賀くん繋がりで思い出したの。『コントが始まる』です。脚本は金子茂樹さん。菅田将暉くんと神木隆之介くんに有村架純ちゃんというすんげえキャスティングで。とっても面白かったの大好きだったの途中まで。

そうですよ、神木隆之介くんの毒母回ですよ。

(以下、『季節のない街』2話までと、『コントが始まる』のネタバレが含まれます) “クドカン『季節のない街』2話の毒母、ゲス兄描写が容赦なくて素晴らしかった [まじめに][機能不全家庭]” の続きを読む

クドカンドラマ『不適切にもほどがある』批判的レビュー、茶化さないでほしかった [まじめに][フェミニズム]

不適切にもほどがある!

<不適切にもほどがある! シナリオブック
宮藤官九郎>

はい!ええと、すいません元気にはい!って言っといてなんですが、クドカンドラマ『不適切にもほどがある』に対する批判的レビューです。好きだった人には申し訳ないんですが…いや、面白いところやぐっときたところもあったんだけど…クドカンドラマ好きなだけに辛かった…というお話です。

どうしたって楽しく書けないだろうな…とほぼお蔵入り案件だったのですが、令和うる星やつら記事にちらっと書いたらぜひ読みたいですとお便りをいただいてしまい!ほんとにラジオみたいな様相を呈してきた。そんなのすごく嬉しいじゃないですか!

それに、『虎に翼』とかね!(見てます!)その主題歌『さよーならまたいつか!』で米津玄師さんが米津米津してるとことかね!(聴いてます!横ピース!)それから共同親権法案がとうとう可決されてしまった日には激しく落胆しましたが、ネット上では廃案をめざそう、それが無理でも何とか有効な附帯決議を付けよう!とまだまだ活動してらっしゃる方がたくさんいて。反対署名も20万を超えて!

そういった、難しい題材にとことん真摯に取り組み、かつ素晴らしい作品を作り上げている方々、諦めずに世に訴えようとしている方々がたくさんいることに、とても勇気づけられているこの4月なので、『ふてほど』に関しても、やっぱり黙っていないで書こう、と思うに至ったのでした。

批判的レビューというか、単なる一個人の感想です。「私にとっては笑えなかったし、悲しい気持ちになってしまった…」という。でも、その個人的感想も、黙っていると無いことになってしまう。今回のドラマに対する違和感が、あまりに最近の自分のテーマに重なりすぎているので、沈黙のままにせず書き残しておきたいと思って。それに、好意的でない感想も、共感してくれる人にとっては何かの救いになるかもしれないし。

そんなわけで!前置きが長くなってしまいましたし、本文も9000字越え!と長くなってしまいましたが、アップします。
“クドカンドラマ『不適切にもほどがある』批判的レビュー、茶化さないでほしかった [まじめに][フェミニズム]” の続きを読む