『海に眠るダイヤモンド』配信版はディレクターズカット、未公開場面満載!随筆の続きも少し(ややネタバレ)

なんと!!TVerの配信版、だいぶ追加シーンがあります!!
さだ和尚の説教が長かったり!(まっさきにそこ?)
しかも…しかも…テレビ放送では2時間一気だったけど、配信では9話10話と別々だから…9話(前編)の終わりにも、King Gnuの『ねっこ』タイムが!!あそこで!!あのシーンで!!ぶるわあああん!!

ぜひ!ぜひぜひ!

こちらが前編。
後編はこちらです。
あとはインタビュー集や、前回の随筆と感想に続き、もうちょっと追加を。けっこうネタバレなので、未視聴の方は薄目でお願いします。3000字。

はあ泣いた…もうだめあかん。いやあもう…

ここからリンク集。野木亜紀子さんへの最終回放送前のインタビュー。

野木亜紀子が『海に眠るダイヤモンド』に懸けた思い 「面白いと思うドラマを作り続ける」|Real Sound|リアルサウンド 映画部

そう!進兄が膝からくずおれるシーン!リアルに「ああ!」って声出た…もおおおお。でもねあそこもね、亡き妻栄子さんの幻に引き寄せられてそのまま亡くなるんだとリナが悲しすぎるので、そうじゃなく、違う幻だ、生きて戻らないと、誠、リナ、と気づいて引き返そうと歩き出すところに救いが、生きようという進兄の意志がしっかりと描かれていて、野木脚本の真骨頂が…感じられて…ウェッ(それはLemon)。

他にも野木さん、女性の地位向上などの問題意識が、70年も経っているのに当時も今とあまり変わっていない、と語ってらして興味深かったです。
それから現代パートでホストクラブを取り上げた意図についても、搾取の構造に気づいて欲しい、と。ほんとそれ!!「キャバクラにはツケがないのに、ホストクラブにはあるのはなぜかわかった」のシーンで、私も思わず一時停止してうちの子10歳に説明しました。ホストクラブのお客さんは主に若い女の子で、それもキャバクラっていう、男の人に接待するお店で働いてる女の子たちが、そのストレスを発散するために大金を使ってる、それをツケという形で気軽に借金を背負わせて、払えなくさせてもっと劣悪な環境で性的サービスをさせられる、そういうシステムが出来上がってるんだよ、と。ドラマの中の話じゃなく現実ですと。それを勝手に遊んで破滅しただけだとかふしだらだとか自己責任だとか、女の子は楽して稼げていいよね〜とかがあああ。

そして、インタビューの最後に。「端島の終わり、と聞くと、どうしても悲劇的な印象ばかりを持たれるかもしれませんが、実は島民たちの努力もあって珍しく平和的に幕を下ろしている」「あの島の人たちは大いに働き、大いに生き、やり遂げた」、それを鉄平たちの物語を通じて感じ取って欲しい、と。そう!すっごく伝わりました。端島の人々の清々しい旅立ち。寂しさと、希望に満ちた出発でしたよね。

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さて、このあとわりと重要なネタバレ感想を書きます。
その前にこれを挟んでおきます。
これ!!スペシャルトーク!私もまだ見てないのですけど!!



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はい、ここから重要ネタバレ感想です。

あの、ええと、似てなかった件です。いやあすごい…驚かされた…。なんて、こう、ありそうな話なんだろう、と。

玲央は結局、誰とも血縁関係もなければ、見た目がそっくりだったわけでもない。ただいづみさんが、鉄平ならそうしたであろう行動を取っただけ。それも無意識に。悩みや問題を抱えていそうな様子の若者を、放って置けずに思わず声をかけただけ。なんて…温かい種明かしだろうかと…。
優しい通りすがりさん。あれですね!ヒロアカ最終回もそうでしたね!通りすがりのおばあちゃん!!うわあああん!!

私たち一人一人にできることは小さいけれど、ささやかでいい、ほんのひと声、ほんの少しの動作で、何かが変わるかもしれない、誰かが救われるかもしれない。行動にまで起こせなくてもいい、心持ちを変えるだけでもきっと空気が変わる。そういう小さなひとつひとつを芽吹かせたら、ささやかな花が咲き誇る花畑が、ふと目を上げた時そこに広がっている光景を見ることができるんじゃないだろうか。

それから、前回の感想記事には鉄平の人生があまりに辛いと書いたけれど。途中でどうにかならんかったのか、と。でもそれは結果論であって。後からならどうとでも言えるわけで。もっといいやり方があったんじゃないかとか。でも。

バナナフィッシュのアッシュもそうだったけれど、鉄平の人生が無駄だなんて誰に言えるだろう、と。きっと誰より鉄平自身がそんなふうには思っていないだろう。ただその時々に決死の選択をし、懸命に生き抜いただけであって。結果的に意に沿わない方向に進まざるを得なかったとしても、その先々で鉄平はきっと鉄平であったのだろうと。また自分に重ねてしまいますけれど、私の結婚生活もはたから無駄に思われたとしても、気の毒で悲壮とみなされても、私自身は、やれるだけのことをやりきったと思っているので。だからこそ、とっとと切り替えて前に進むしかないな、と。もしもこうでなかったなら、の幸せな仮定の話をしてもそれこそ意味がなくて。

だから本当に、この作品から、登場人物たちから、たくさんの励ましを受け取りました。素晴らしいドラマをありがとうございます。

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こちらも!鎌倉殿から楽しみにしていたKEI-COさんの感想絵!!毎回素晴らしかった…

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