うちの子ランドセル空っぽで下校してくる中編、シュレーゲルアオガエル [コロナ休校/学校再開][まじめに]



※5/11追記。あまりにも長すぎたので、記事をもう少し分けました。

前編がこちら。
2020-06-8 うちの子ランドセル空っぽで下校してくる前編、休校中の生活と学校からの連絡

さて。
5月末の10分の面談で配られた大量の連絡プリントに帰宅後ひいひい目を通していたら、

「登校初日の持ち物:休校中の課題プリントすべて」

すべてえええええ!!!???
えっちょっと待って。
だって2週間前に突然どかっと大量に渡されたひらがな書き取りと足し算のプリント。ひらがなだけで25枚あるんですよ?他にも数字を書くだけのやつとか、足し算とか時計の読み方とかも含めたら40枚近く。
それをもしかしてあの日あの時あの場所で(トゥクトゥーン)2枚ずつこなしておかないといけなかったってこと?
え、うち1枚もやってませんけど?
そうなんです。1枚もやってなかったのです。
いやうちの子ひらがな書けるし足し算できるし、これはきっと「まだ書けない子や足し算できない子はやってみてね」っていう自由意志の課題だろうと思い込んでしまって。
それよりも、ちゃんと小学校の授業についていけるように、もっと文章の読み書きとか足し引きとかが必要かなと思ってそういうのをずんずんやってしまいまして。
4月末に学校ホームページ上で発表された教科書の自習範囲はコツコツ進めてあったし、足し算プリントは一部やってあったのでそれで十分かと思っていた。正直、子供が無理なく取り組めるプリントの量を考えるととてもそんな期限だとは思えなかった。

そんなわけで、ひらがなはまるっきりノータッチだったのです。まるっと25枚。
“うちの子ランドセル空っぽで下校してくる中編、シュレーゲルアオガエル [コロナ休校/学校再開][まじめに]” の続きを読む

うちの子ランドセル空っぽで下校してくる前編、休校中の生活と学校からの連絡 [コロナ休校/学校再開][まじめに]

くまのがっこうドリル小学1年生の算数★国語
桝谷 雄三
フォーラムA企画
2017-01-01



(※6/11追記。すいませんあまりにも長すぎたので記事を少し分けました。こちらが前編、次が中編カエル、最後が後編あさがおです)

タイトルは「100日後にランドセル空っぽで下校してくるうちの子」にしようかと思いましたすいませんつい。

ええとですね。新型コロナの影響で遅れに遅れた新学期、ようやく先週月曜からスタートいたしましてですね。うちの子新一年生タローさんも、ほぼ初めての学校生活を1週間満喫してきまして。無事に。
なのに。のっけから。登校5日目の金曜日にランドセル空っぽです。
でも5日というよりですね。もう本当に今年はその登校までに、ちょうど100日くらい前から世界中で急展開とカウントダウンがあったじゃないですか。しかもカウントが乱高下するやつ。急に止まっていつ動き出すかと思ったらいきなり1ヶ月くらい巻きで進んだり。
世界中が振り回されていましたけれども、わがやも例外ではありませんで。
ええもうそもそも子供というより親ができてませんでした。
提出物の期限やぶりまくり。
小学校の洗礼半端ない。聞いてはいたけど。

というお話を、今から蕩々とします。長いです。
書きたいなと思いつつ書けていなかったこのコロナ対策下のなか学校がどんな様子だったかもあわせてせっかくなので書き記しておきます。出来事と、その時の自分や子供の状況を可能な限り。過ぎると忘れちゃうし。でもこれ残しておいた方がいいやつかもなと。やや真面目に語っている部分もあります。

そうですね、事の起こりは2月末。突然の全国一斉休校発令。東京に住んでいる身としては、そこからようやくスタートでした。
うちの子がランドセル空っぽで下校してくるまであと99日。
“うちの子ランドセル空っぽで下校してくる前編、休校中の生活と学校からの連絡 [コロナ休校/学校再開][まじめに]” の続きを読む

「ソーシャル離れてディスタンス」、小池都知事の『密です!』濃厚セッション動画、杏さんの『教訓1』カバー

Distance (2018 Remastered Album)
UNIVERSAL MUSIC LLC
2019-01-23



まだ外出自粛がはじまったばかりの頃、緊急事態宣言が出てなかった時かな?
用事でコンビニに立ち寄ったら、床に「ソーシャル離れてディスタンス」って書いてあってフフッてなりました。

正確にはね、「ソーシャル」と「ディスタンス」の間が微妙にあいていてまさにソーシャルディスタンスを保った状態で書かれており、その真ん中に日本語でも説明あったほうがいいかな?と思われたんでしょうねデザインした人が。それで「ソーシャル」と「ディスタンス」の間の空間やや上あたりに「離れて」が配置されちゃって、「ソーシャル離れてディスタンス」が爆誕していたのでした。
歌謡曲の歌詞みたいだ。
宇多田ヒカルさんの歌であったなー、と帰り道の頭の中をくるくる回りました。

そんな流れで、くせになるこちらの動画も載せときます。
「都知事の『密です!』と濃厚セッションしたら世界がソーシャルディスタンスした。」っていうタイトルもアホで最高です。
“「ソーシャル離れてディスタンス」、小池都知事の『密です!』濃厚セッション動画、杏さんの『教訓1』カバー” の続きを読む

ヤマシタトモコ『さんかく窓の外側は夜』実写映画化!ホラー、オカルトであり、親と子供、大人と子供の物語でもあり、自由と闘争の物語でもある



いやあ、1月くらいに気づいて密かに楽しみにしていたのです。そして原作漫画も大っ好きで。大っ好きで。好きすぎて1巻から読み始めて最新刊まで読むと必ずもう一度1巻から読み返しちゃうくらい好きで。
何にこんなに惹かれるのかわからないんですけどとにかく好きで。怖いんですけどね。かなり。

それがこの、コロナで。いろんなイベントとか中止になっちゃってるんだろうなあ、10月公開となっているけど大丈夫なのかな…と気になっていたのですが。

ひょんなことからたどりついた平井堅さん『ノンフィクション』2017年FNS歌謡祭の平手友梨奈さんのダンスに衝撃を受けていたら。
平手友梨奈さんの佇まいが、『さんかく窓』の非浦英莉可(ヒウラエリカ)に似ているなあと思っていたら!


映画『さんかく窓の外側は夜』公式サイト

キャスト、岡田将生 志尊淳 平手友梨奈!

ほんとに平手友梨奈さんが非浦英莉可役だった!!
ますます楽しみになりましたー!

以下、リンク集と、原作漫画、ヤマシタトモコさんの作品について。怖い話注意です。原作は幽霊とかそういうのの話なのです。
“ヤマシタトモコ『さんかく窓の外側は夜』実写映画化!ホラー、オカルトであり、親と子供、大人と子供の物語でもあり、自由と闘争の物語でもある” の続きを読む

吉野朔実の最後の短編集『いつか緑の花束に』、亡くなってから復刊された映画評『新装復刊 吉野朔実のシネマガイド シネコン111』

吉野朔実さんが亡くなったのが4年前の昨日、4/20だった。最近すきま時間にずっと読み返していて、ふと検索して気づいた。彼女がいたらきっと今回の騒動にぴったりの映画や小説をたくさん紹介してくれただろうな。

最後の短編集『いつかみどりの花束に』に未完の作品が収録されていて、途中までいつも通り端正にペン入れされていたのにページをめくってシャーペンの下書き状態になった瞬間のあの暴力的な不在感について、ブログにまとめないまま4年も経ってしまったなあ。
あれは本当に堪えた。彼女がもういないのだ、ということが、印刷に出るか出ないかの薄い線と思いつくままの粗いデッサンからこれでもかと伝わってきて、ものすごい説得力だった。痛烈で圧倒的な報せだった。
シリーズ化するはずだった『MOTHER』は吉野朔実が初めて描くSF、しかもテーマが母性って。もっときちんと読みたかったなあ。

だけど、そんな胸がえぐられるような哀しみもページをめくった最初だけで、ネームにもかかわらず引き込まれる素晴らしいストーリーだった。
他の話もとても素敵だった。特に表題作であり、最後に発表された短編でもある『いつか緑の花束に』。吉野朔実さんらしい、日常的で文学的でそして不穏な、男女の出会いのストーリー。

もっと読みたかった。



以下、リンク集。
今日だけでなく、亡くなってから時々検索していてふと見つけた、まだ読んでいなかった映画評!
2017年発売。『吉野朔実のシネマガイド シネコン111』
“吉野朔実の最後の短編集『いつか緑の花束に』、亡くなってから復刊された映画評『新装復刊 吉野朔実のシネマガイド シネコン111』” の続きを読む

星野源『うちで踊ろう』オーケストラ!!そして英訳は “at home” ではなく “inside”

おおお…!
アンドリューロイドウェバー氏のオーケストラ編集を見て、源ちゃんのもこんなふうにたくさんの楽器まとめたの誰か作ってくれないかなーと思っていたのです。
思ってはいたのですが……
ここまでとは!!!


すごい!!
ブラボー!!
“星野源『うちで踊ろう』オーケストラ!!そして英訳は “at home” ではなく “inside”” の続きを読む

[まじめに]うちの子10ヶ月健診でヘンな小児科行ったらむちゃくちゃ不安にさせられた思い出



タイトル通りです。ほんとに。いまだに恨んでる。

小児科で子供に対してフェアに接してくれる先生のあたたけえ話が続いていた反動で、闇を出します。
あ、ここに書ける程度の闇なので大したことはないんですけどもね。もっとエグい闇いっぱい抱えてるから(余計なこと言わないでいいよ、みんなそうだから)(そうか!?)。

赤子が生まれますとね、予防接種やら健診やらで、けっこう頻繁に小児科のお世話になるのです。
予防接種はほぼ毎月なにかしらあるのに比べ、健診はそこまでではない。わりと任意。1ヶ月健診の次は3ヶ月だったかな?小児科ではなく、地域の福祉センターに行きます。そこに小児科の先生や眼科、歯科医師が集まってくれていて、流れ作業でいろんなことを診てもらえるようになっている。
その次あたりの6ヶ月健診から先は、「行きたい人は自主的に小児科に行ってね」という形になります。次に福祉センターで大々的にやってくれるのは1歳半健診と、3歳児健診。

で、なにしろ最初の子だし、育児のぶっつけ本番感パネエし(ネットで見かけて気に入っているフレーズです)、右も左もわからないのであひるちゃん、6ヶ月も10ヶ月も自主的に小児科に行き、健診してもらいました。
“[まじめに]うちの子10ヶ月健診でヘンな小児科行ったらむちゃくちゃ不安にさせられた思い出” の続きを読む

うちの子5歳、採血で泣かなかったその後。最近の小児診療は子供にきちんと説明してくれる先生が多いと感じた話

はい皆様ひとつ前の採血記事にハートをありがとうございます!なんだ!みんな読んでんやん!新井英樹とか寄生獣恨み節とか書いてもちっともハートつかないからハートが機能してないのかな?と不審に思ってたけど違うやんか!皆さん素直につけてなかっただけやってん!心の扉を開いて素顔の自分でスルー!
いいのです。それでいいのです。ありがとうございます。嘘のないあひるちゃんの読者の皆様。ありがとうございます。

せっかくなのでその後の話をちょこっと書きます。
うちの子、採血に落ち着き払って臨んだのが9月。
10月にはインフルエンザの予防接種がありまして。でももう採血で泣かなかったんだから余裕だろうと思っていました。これまでも予防接種、あんまり泣かなかったんですよね。すごい。必要性を説いて聞かせて、じゃあ仕方ないか…みたいな感じで渋々ではあるけれどきちんと受けてくれていたので。
採血であんなに落ち着いてたんだから全然余裕だろうと。

そう思いまして、その日の朝くらいに、そうそうタロー、今日帰りにインフルエンザの予防接種受けに行こうかと思ってるんだ、と言ったら、

TR「えー!!注射こないだもう終わったー!!いやぁだ!!!ギャーーン!!!」

ギャン泣き!?
まさかの!!
導火線短か!!!
即ギャン!!!
“うちの子5歳、採血で泣かなかったその後。最近の小児診療は子供にきちんと説明してくれる先生が多いと感じた話” の続きを読む

うちの子5歳が採血の前にやったこと。



はい、悪いことばっかりネットに放流するのもあれなんでね。親が子供の中傷をリーク、みたいな。ごめん我が子よ。数年後に母ちゃんのブログ読んでみたらなんやねんこれ俺の恥ずかしい話が面白おかしく書かれとるやんけー!と怒られたら困るから。無断で書いたのは謝る。だが誓って脚色はしていない。すべてお前が実際に面白おかしいことをしたその忠実な記録やで。って答えて全面戦争突入するやつ。

なので良いことも書きます。平和のために。
以前びっくりしたうちの子の冷静さというか、探究心について。

うちの子タローさん、鼻炎でして。
赤ちゃんの頃から鼻水がちな子でした。
私もオットも鼻炎気味だし、遺伝的に鼻が弱いんだろうね、とかかりつけのお医者さんにも言われたり。
あれを買ったわよ!鼻吸い機!えれえごついやつ!何万もするやつ!その名も『思いやり』!すごく良かったわよ!そのうち書きたい!

で、5歳の9月のことです。
風邪ひいてまたしても鼻ずるずるになった時にね、鼻が出るだけでなく夜中も呼吸が苦しそうだったり鼻水のせいで咳き込んだりが治まらず、いつもの小児科で、一度アレルギー検査をお願いしようかと、って話したんですね。
軽めのはやったんです、指からぷちっと血を取るやつ。花粉の季節に目が腫れたので眼科で。その時は花粉などのアレルギーは出なかったんです。3歳頃、2年近く前だったかと。
だったら次はきちんと腕から採血した方がいいねえ、と先生。

先生「どうする、やってく?」

えっ今!?
鼻水の薬もらいにきただけなのに!?
そんな、寄ってく?(飲み屋?常連?)みたいな気軽さで!?
“うちの子5歳が採血の前にやったこと。” の続きを読む

理不尽とファンタジーについて。小野不由美『十二国記 白銀の墟 玄の月』読了によせて(ネタバレなし)



さっきもぽろっと理不尽とか言ってしまいましたけども。それはね、実は『十二国記』を読み終わったこととちょっと関係がありまして。
ええそうなんです!
『十二国記 白銀の墟 玄の月』読み終わりまして!
読み終わりまして!
(あまりにも読み終わったので二回言っています)
ネタバレなしで、まずはこの感慨を書き記しておきたくて。

もうね、『十二国記』といい、上橋菜穂子先生の『獣の奏者』といい、おがきちか先生の『Landreaall(ランドリオール)』といい、この世の理不尽というもの、それにどう立ち向かうか、どう受け止めるか、ということがすごく、とても、切々と、熱く、冷徹に、描かれていてですね。

やっぱりファンタジーって素晴らしいなと思うのです。
“理不尽とファンタジーについて。小野不由美『十二国記 白銀の墟 玄の月』読了によせて(ネタバレなし)” の続きを読む