<きのう何食べた?22 特装版【期間限定販売】よしながふみ>
ちょっと皆さん…読みましたか!?ご覧になりましたか!?
よしながふみ先生はどんだけ我々の涙を搾り取るおつもりか。
きの何…最新刊でまさか…こんな形で泣かされるとは!
そしてドラマでも…そうくるとは!!
という、両方のネタバレ感想です。
(最後になんだか、自分の夫婦関係の悩み吐露が漏れ出てしまいましたけども…)
まずは22巻から。
小日向さんとジルベールの結婚式じゃないですか。いや〜素敵。めでたい。結婚式までのダイエットやら仲違いやらのくだりも少しずつ描いてくれて楽しかったです。シロさんとジルベールの庶民な実家のおかん小芝居好き。牛肉を炒めすぎて固くしないと実家の味じゃないとジルベール。きっと小日向さんにも頼んでみたけど高級牛肉と高級おだしでふっくら上品に仕上げちゃってこれじゃない!ってなったんだろうな。じゃがいもも角ぴんぴんで。もっと煮崩れてないとだめなの!
で。その披露宴の…シロさんのスピーチが!!
まさかの!
自分は周囲に同性のパートナーと暮らしていることを伝えていないから、本日二人一組でこうして晴れの席に招待されたのが初めての経験で、こんなに嬉しいものだと思わなかった、パートナーは僕以上だったのでしょう、二人の結婚を心から喜んでこの日を指折り数えて楽しみにしていました、今日の披露宴は私たちにも幸せな経験をさせてくれたんです、こういう席を設けてくれて本当にありがとう、末長くお幸せに。
ぶるわあああああああん!!!(泣き方)
こんなん泣くやろがあああいあいあい!!
そしてケンジが号泣してるのがちっともピンとこないシロさんひど。なんでここまで言っといてわかんないのおおおお。ジルベールにも公開プロポーズとか言われてるし!ですよね!もう!これは!
どこまでいってもシロさんは、ケンジが嬉しそうにしているのが喜びなんだなあ…としみじみしてしまったじゃないですか。なんなんあんたがた…幸せか…幸せの具現者か…
でね。この巻特装版で、ドラマのシーズン2レポートや主演のお二人、西島秀俊さん、内野聖陽さんとの対談集もついててこれがまた面白かった!あっあとこの手の特装版はいつも紙で買ってるんで今回もそうしてから気づいたんですが、今回なんとKindle版でも特装版が読めるんですね!すごい!進歩!もっとやれ!
その特装版、特によしながふみ先生のヤマコーさんへのコメントが!圧の強い山本耕史さんそっくりの顔とポージングの横に書き文字で「お願いします山本さん、もう十分爪痕は残してくださってると思うのでどうかもう…」止めに入ってる!お腹いっぱいですと!勘弁してくださいと!ほんとにヤマコー小日向さんのしつこさったら大好きです。料理シーンに無駄に写り込む筋肉。
先程のシロさんの披露宴スピーチでも「日頃は冷静な大索さん(小日向さん)が本当に嬉しそうで」ってドラマ版の小日向さんいつも全然冷静じゃないけど!?ハッスルしまくり。ハロウィン仮装で「可愛すぎる…逮捕だッ!捕まえちゃった!捕まえちゃった!もう離さないぞ?」ってずっと言ってるんだけどジルベールとシロさんのセリフをかぶされた挙句主題歌でぶちっと切られてる。全然冷静じゃない。お客が帰ってはーやれやれとソファにすっ転がってわさビーフ食べ食べオオカミ耳を外そうとする磯村ジルベールを微笑ましく見守ってたかと思った次の瞬間「つけてて!!」て。声でか。
あとわさビーフ、確かきの何かヤマヨシの公式ツイッターに載ってたんですけど、ジルベールの好物という設定はドラマオリジナルなんですね!?そういえばそうだ!原作には出てきてないわ!「わさビーフは神の食べ物だから他のものじゃ替えがきかないの!」が名ゼリフすぎるし真理すぎるからすっかり馴染んでたけど。ほんとこの実写化素晴らしすぎる。
披露宴もね、ぜひとも実写化してほしいですよね!!「日頃冷静な大索さん」問題をどうするかはともかく、シロさんのスピーチに号泣するケンジ見たい。佳代子さん原作では笑ってたけど田中美佐子さん一緒に号泣しそう。やだ私まで泣けてきちゃった〜!て。ドラマよりきっと映画向きですね!京都旅行編も観に行ったしディスクも買ってもうた。シーズン1も買った。今回のシーズン2もこんなん買う。きりがないからなるべく買わないようにしていたBlu-rayBOXもね、コロナ以降、作り手を応援したい気持ちが溢れて。良いものを作ってくれる人たちにはきちんとお金を払いたくて。
あの、Blu-rayBOXに入ってたメイキングやインタビューでね、西島秀俊さんがもうほんとにしきりと、内野聖陽さんのケンジが可愛いんですよ!ってめちゃめちゃ語ってらっしゃるじゃないですか。西島さん内野さんを好きすぎる…。シーズン1の直後に共演された朝ドラ『おかえりモネ』(すごく好きでした…)の収録現場で、西島さんが内野さんに「ケンジ…ケンジなんだろ…?」と迫って内野さんを困らせていたというエピソードが大好きです。そんな西島さんだから、ドラマではシロさんよりよっぽどデレてて!ケンジのちょっとした小ネタにいちいち笑顔の輝度が高すぎる!眩し!パナソニックの照明のCMにも出たらいかがですか!ツイッターでちょろすぎとか言われてて笑いましたけど。西島シロさん笑いの沸点低すぎ。
そしてそんな!
ドラマシーズン2の!
ノブさん回ですよ!!シロさんの元カレ!
まさかのミッチー!で放送前から話題騒然でしたけども!もうこれ完全にネタとして、どんだけ笑わせてくれるのかしらと楽しみにしていたから…完全に油断してたのです…
まさか、あの話でこんなに泣かせにくるなんて!!
ノブさんといえば洗濯機と鶏肉ですよね。
洗濯機詰まって排水が溢れて大慌てのシロさんを見てまるっきり他人事みたいに「何これまだかかんの?えー(不満げ)じゃあ俺外で食ってくるわ」えっシロさんのご飯は?またシロさんもそこで「ごめんね!」とか!いやわかるけど。モラハラ調教されてるとこんなもんよね。
ミッチー演じるノブさんがね、「酷い男なのに見た目が好みすぎて逆らえない元カレ」を体現してる!説得力ありすぎる!とツイッターで絶賛されてて笑いました。でも「原作より酷い」ってご意見が多くて、私としてはむしろ原作よりニュアンスが柔らかいな、って思っちゃったんですよね。なんなら外に食べに出てってくれるだけ優しいよね(棒)理解あるよね(真顔)今すぐ作れよ!つって洗濯機放置して先にご飯作んないといけなくなったりするよね(10月10日の目)
鶏肉勝手に使ってた事件でも、わりと淡々と「なんでお前の許可を得なきゃなんないの?(呆)」て言ってくるシーンが、怒鳴らないだけ優しいなって待ってあひるちゃん大丈夫?モラハラ教育行き届きすぎじゃない?いやいや原作ではほら、ノブさんもっと怖い顔してすごく強く出るじゃないですか。あんなんされたら確かに怯んでなんにも言い返せなくなる。でもミッチーは呆れ気味でため息ついてるだけで、怒ってるってほどでもないから…私の伝え方が悪かったんだなってもうやめてあひるちゃん電話して?相談して当局に。えっそんな別に、DVとかじゃないですよ?いつも理性的な人なんです。怒鳴ったり感情的になったりしないですし。間違ったことは言わないですし。私が馬鹿だから呆れられたりため息つかれたりしてしまうだけで私が悪いんですし。うん、勘弁して?
ほんとに、こういうのがね、昔と違って問題視されるようになってきて、世の中変わったなって思いますよね。あのノブさんを見て「酷すぎる」「原作より酷い」という感想を多くの人が抱く未来。
でね!!
ケンジが、昼に使っちゃった玉ねぎ買いに行ってくれるじゃないですか(2つあったよな、1コは切ってみたら中が傷んでて…あるある)。確かに原作でもその後ろ姿を見送るシロさんははわわ…って感激して涙目になるけど、もう!この!ドラマ版の西島さんが!
えっ、あれ?もしかして…目うるんでる?泣いてる?
思わず周囲を見回すシロさんの目に映るのは…また詰まった時に困らないようにとケンジが買ってきてくれた洗濯機の排水ホース…さっきまで畳んでくれていた二人分の洗濯物…ぽたりと落ちる涙…
「ああ…そうか、俺、今幸せなんだ…」
ああああああ!!!
うわああああああ!!!
目が!目がああああ!!!
幸せバルスをくらってあひるちゃんの精神が崩壊した!!ロボットさんたちと茶色いスーツで海に落っこちてゆくあひるちゃん。またか。庵野秀明監督くんと安野モヨコの愛に走馬灯を見てしまったり、あひるちゃんいっつもこれだな。他人の芝生の青さは眩しいか?(ひどいこと言わないでよいくら中の人だからって)
いやもう本当に。お互いを思いやってて労りあってて。すごい。すごいです。しかもこんな長い間!かれこれ16年?うちとそう変わらんやん。長さを言い訳にできないやん。
ケンジがね、原作では玉ねぎ買いに行く時すごく慌ててわーごめんね!!って感じなんですけど、ドラマ版ではそこまでじゃなく、さも当然という感じで落ち着いて出ていくのがまたケンジの人柄と、2人の信頼関係の深さを表していて、ドラマオリジナルの素敵な改変でした。
うん、私も頑張ろう、と思いました。心地良い関係のためには努力が不可欠。
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最後につい、極個人的悩み吐露です。
あのね、ここ数年ちょくちょく書いてしまっている、目下私にとっての一番の煩悶の根源。オットの私への態度はモラハラなのか、そこまで言えるほど酷いのかは、正直自分ではよくわからないのです。時々ブログに書いているのは一例であって全てではないし、人によって判断基準って違うから何とも言えないと思う。
ただ、他の人の判断はともかく、私自身がオットの言動に大なり小なり傷ついてきたのは確かで。モラハラか否かという呼び名もともかく。そんなつもりじゃないのにとか、モラハラとまで言われたらこっちが傷つくんだけど、というオット側のつもりもともかく。
私は傷つくのだという事実と、だからやめてほしいという要望を、諦めたり飲み込んだりせずに伝えて、関係を改善したいのだと。不満を訴えることが目的ではないのだと。それも伝えたいのです。お気持ちで殴りあってどちらがよりしんどいかの勝ち負けを決めたいわけじゃない。論破じゃない。
そのために、諦めずに頑張ろう、と私は最近思うようになったのです。それと同時に、オットに対する気遣いや思いやりも忘れないようにしたいなと。両立はとてもとても難しいのですけど。