…何つうことしてくれてんの…。
これが第一感想でした。
顔を覆って泣いてしまったじゃないか(本当)。
人が、いや自分ね?わたくしが、48にもなろうという身で、いまだ自己とは…とかアイデンティティの獲得にもがいているというのにあなた…。
1週間前のバックアップは果たして自己と、その人と言えるのか、とか…。
そんな命題突きつけてくるのやめていただけないです!?
第二感想はブラックジャックか!だったんですが、まさしく秋田書店から出版されてるしチャンピオンで連載してたとか!合ってた!(何かが)
こんな感じの動揺でとっちらかった感想が続きます。
確かにね、SFとしては普遍的なテーマですよね。命とはとか自己とはとか人間とはとかどこまでが俺であいつが俺でとか。
ただそれを、こんな、日常的な些細な、ほんのささやかな出来事にまで落とし込んで提示されたことはあまりないように思う。そこに不意を突かれたと言いましょうか。オムレツに生クリーム入れるか入れないかで泣くとか。ほんとこれ誰も悪くない。みんな良い人で、必死で一生懸命で、なのにどうしようもなく悲しい、という救いのなさ、って言うんでしょうか。
ただ、同時に救いを感じたのも、この娘ちゃんの悲しみでした。
その人をその人たらしめるのは本人の思いだけではない。身近にいる人、その人を大事に思う家族や友人の存在も、とても重要なのだな、と。当たり前といえば当たり前のことですが。本人がどうもがいていようと、足りないと思っていようと、隣にいる人は、あなたがあなたであるだけで何も足りないところなんてないと感じ、満ち足りているのかもしれない。
そう思うと救われる気もするのですが、一方、生クリームを入れる工夫をしてくれた、1週間前のママは消えてしまったのだという事実に涙してしまう娘の悲しみはどうしようもないことで。
いやあもうちょっとこれ。つっら。
だってほらあひるちゃんここ数年更年期とかでね、ホルモンバランス乱れがちだから。というか乱れてんの今に始まったことじゃないのでは!?とようやく気づいたから。自分の気分の浮き沈みは、もしや脳の分泌物のせいなのでは!?って。脳とか生殖器とかに感情が左右されてしまうって、そして薬飲んだらある程度コントロールできるって、では感情とは…私が感じているこの悲しみ、苦しみ、恨み、つらみ、そねみ、怒り、憤り、憤怒、激昂、激しい発汗、といったものは(マイナスのグラデーション多すぎんか)(もっと書こうか)(やめ)(あといっこダークソウルの呪術混じってる)
そういった感情はすべて、ホルモンに見せられている幻影のようなもの、なのか…?
なんて思っていたところへあなた!!
80になっても悩んでるなんておじいちゃんそんなこと言わないで、と歌ったのは橘いずみ氏でしたが(『ズレテル』)、AIになっても悩んでるなんてヒューマノイドの皆さんそんなこと言わないで。いや、言うか。悩むか。そうか悩むのか。
ーー
でね?
関連リンクをあれこれたどっていたら…
■人格コピーAIは21世紀の写真? “亡き妻のAI再現”で受賞の松尾Pと「AIの遺電子」山田胡瓜が考える「デジタル人格」のこれから(1/5 ページ) – ITmedia NEWS
ってふおお!!これ…『異人たちとの夏』じゃあないですか!!
うわあああ、あれが現実に、かなり肉薄してきている…。20年の歳月を感じます。
あの、すいませんこのリンク先に貼られている動画をまだ観てないんですけども。つらくて観れない。動画の、動く姿と声の破壊力すごいもん。どうしても自分の大事な人がもしも亡くなったら、と考えてしまって観れない。非常に興味深い技術、と切り離しては思えない。
いやあ、つら。
原作も電子で買ってあるけどじっくり読む時間取れないままだったので…というかしんどくなりそうだから腰を上げられないでいたんですよね。んんー、いや面白そうなんだけど。んんん。
SFは好きだ、と前に書きましたが…当時の自分は「構築された世界観を垣間見るのが好きなのかもしれない、SFに限らず(ファンタジーやミステリも)」「その人(作者)がその人のルールで秩序だてた箱庭を見学させていただくかんじ」と書いているが…いやさこんな、箱庭を覗き込んでいたつもりが、自分の部屋を、現実世界を大きな手で掴まれ揺さぶられているではありませんか的な…世にも奇妙なオチはちょっと…。深淵を覗いてしまった感満載で。
ああびっくりした。
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死者の人格コピーといえばこれも。