産後一ヶ月健診に、福祉センターの保健師さんが付き添ってくれた話

皆様、ここ最近の重い記事にもたくさんの温かい反応をありがとうございます…!ど重いど長文を読んでくださって…ほんとに…!
ここ何年も、いつかしっかりまとめたいなあと思ってきたテーマにようやく着手できて、そして区切りが見えてきたのでホッとしております。

今回は、前2つの記事、妊婦健診で、実母と疎遠にしていると言った時の助産師さんたちの反応に傷ついた話と、その後日談の派生話です。「保健師さんが産後1ヶ月健診に付き添ってくれた」ことについて詳しく。2017年7月に書いたものをベースに、ちょこちょこ直したり追記したりしています。2024年の今振り返ると、この7年で色々と世の中も変わったなあ…。3000字。

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保健師さん、ほんとにきちんとした、明るく朗らかで頼もしい同年代の女性が来てくれて、めちゃめちゃ助かりました!
なんと、産後一ヶ月健診のための通院にも付き添ってくれたのです!

産後1ヶ月の節目には、産婦と赤ちゃんみずから病院に出向く1ヶ月健診だけでなく、地域の福祉センター等から各家庭に保健師さんが来てくれる訪問健診もあるのですが、残念ながら訪問の保健師さんは当たり外れが非常に大きく、産んだ病院に愚痴や苦情が聞こえてくることもままあるのだそうで。
○○さんの場合はそんなハズレな人に当たってる場合じゃないので、しっかりした人を担当につけてください、と福祉センターに連絡しておきましたよ、安心してね、と。
な、なんと有難い…!

この訪問健診で保健師さんからヒドイことを言われた、と友人たちからもちらほら聞いてたんですよね…。
普段は気にしないでいられるとしても、産後1ヶ月ってほんっとに特殊な状況で。たぶんほぼ一歩も外に出られん。3時間とまとめて寝れん。トイレもお風呂もままならん。「自分が目を離したら何かあるかもしれない…」という赤ちゃんと(おそらく大半の人の旦那さんは日中仕事で不在だから)二人きりの生活。時が分刻み秒刻みでなかなか過ぎて行かず、葛湯の中を泳ぐようなもどかしさ。

そんななか外からやってくる、育児のプロの保健師さん!
もう神のような存在です。
そもそも夫以外の大人と顔を合わせて会話をするのが久しぶり。何年振りかのように感じる。
そんなんなのに、「あら〜この子はおっぱい飲むの下手ね!」とか、「おかーさんは仕事に復帰なんて考えてちゃダメよ!だから子供の情緒が安定しないのよ!」とか(友人たちから聞いた実例)、毒とか麻痺とかかけてくる人もいるのが現状…。苦情の多い人は担当を外されていくらしいです(地域によるかもですが…保健師さんの数や質が十分に足りているかどうか、などにも左右されそうだし)。

私の場合、分娩後3週間入院したので退院1週間後が本来の1ヶ月健診の日だったのですが、さすがに早すぎるとのことで、病院が退院2週間後の健診にずらしてくれまして。
それでも1人で赤子と荷物を担いで外出できる状況ではなかった。家の中でもトイレまで歩くのに時間かかるくらいだったし、オットは仕事がどうしてもずらせず。出産予定日前後の仕事をセーブしていたから、この時期は仕事が詰まっていてリスケできなかったと。まさか1ヶ月経ってもまだろくろく出歩けないくらい酷い状況だとは予測できなかったし、こういう健診ってその後も何度かあったけど、急に日時決め打ちで通達されるから正直困ったこともしばしば…

そしたら。
保健師さんが、家まで迎えに来てくれることになって!
荷物を持って一緒にタクシーに乗ってくれて!
子供の健診と私の退院後診察も合わせて朝から夕方まで丸一日、ずっと付き添ってくれたの…!
おむつ替えもしてくれて、私が診察の間は抱っこであやしてくれて。
おそるおそる聞いたら、費用は無料!ていうか税金。日本ありがとう。福祉ありがとう(しかし2024年の今考えると、これは本当に贅沢なことだったな…)

行きのタクシーの中で(タクシー代はもちろん自己負担)雑談的に、おむつ替えが頻繁すぎて大変です〜と言ったら「それだけ母乳がたくさん出ているということですよ」とにこやかに答えてくれて、ああそうなんだ、とすごくホッとできました。だったらおむつ替えの苦労も報われるな〜と励まされた。

母乳って、どれだけ出ているか目に見えないからよくわからないんですよね。赤ちゃんくぴくぴ飲んでるふうで超かわいいけどほんとに出てるのかな…?と。特に私のように最初は必死に絞っても3ml、とか5ml、なんていうお高めの精油みたいな量だと、ほんとに足りてるのかな…と不安になる。「母乳不安」という単語があるくらい、新米母さんがよく陥る状況なのだそうで。

だから、保健師さんのこの一言が、母乳に対する不安と、さらには頻繁すぎるおむつ替え(1日20回!)の徒労感まで、両方結びつけて一気に解消してくれたのです!素晴らしい!!デリケートでナーバスな産褥婦と接する保健師さんかくあるべし!!

もうひとつ、前に分娩感謝シリーズ、生まれたてのうちの子、大人な新生児にもちらっと書いたのですが、

お産が大変で、回復に時間のかかるお母さんの子は、大人しくて育てやすい、というパターンがとても多いように思う、とも話してくれました。「赤ちゃんなりに何かを察して、お母さんを助けようとしているのかな、と思うんです」と。

それを聞いて、思わずスリングの中で丸くなってすやすや眠っている生後5週間のうちの子を見下ろし、こんなに小さいのに、私がお世話しないといけない側なのに、子供に気を遣わせてしまうとは…と申し訳なく思ったものですが、今思うと、世話をする側の様子を敏感に嗅ぎ取って休息を取らせてくれるとは…できた采配だな…赤子さんのマネジメント力…。

診察と薬の受け取り、お会計まで全部終わったのが夕方17時近くになってしまって、このまま帰りも一緒にタクシー乗ってうちまで送ってもらったら保健師さんが事務所に戻れるのは18時!?渋滞したらさらに遅くなる…これ以上付き合わせるのが申し訳なさすぎて、電車でお一人で動いた方が絶対早いし、あとは大丈夫です本当にありがとうございました〜!!と病院で現地解散にしてしまったんだけど、あれで良かったんだろうか…かえって失礼だったかな…(今さら…)。

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そんな後日談でした!

それにしても…2017年にこの記事のベースを書いた時にはそこまで思いが至らなかったのですが、2020年のコロナ、2021年〜22年の母の介護と看取りを経た今となっては、当時の私がこんなにも潤沢な福祉の恩恵を受けられたのは、都会に住んでいて、福祉事務所の人材にゆとりがあったからだろうな、と。

母の介護の担当者会議の時にも思ったのですが、高齢者一人に6〜7人もの専門家がわざわざ自宅を訪問して相談に乗ってくれるなんて、私が高齢者になる20年後には絶対無理だろうなあ…と。今私はこの国の福祉の最後の輝きに立ち会っているのではないか…と心が遠くへ旅立ってしまいました。
本当に、医療も福祉も、現場の方々の懸命の努力と職業倫理、使命感に頼りきっている部分が多すぎて。もっと国がしっかり支えてほしい…税金を上げるのならこういうところにこそしっかり使ってほしい。と思います。

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この後の予定

(短め)・虐待の世代連鎖はわずか3割、優しい通りすがりさんの続き

(長編)・凍結受精卵を破棄した話

・うちの子がこれを読むなら

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