なんと!共同親権について、NHKあさイチで5/9木曜に放送された特集が!素晴らしかった!
良かった!
すごくほっとしました。短い中で改正法案の懸念や不安をしっかり伝えてくれたように思います。さらに、木曜の15分間だけでなく、来週5/13(月)にもまた取り上げてくれるとのこと!
以下、番組について思ったことと、5月7日におこなわれた参議院法務委員会で、共同親権に反対する立場の方々の弁論をメモとして載せておきます。
あさイチに専門家として呼ばれていた棚村政行弁護士は、共同親権に合意しない夫婦について「一時の感情で」「冷静になれず」「ささいなことで踏み切れないでいる」と笑顔で繰り返していて、かなりの不審感、不快感を抱かずにはいられませんでした。
さらには、話し合いで合意に至らなかったご夫婦の場合はどうなるんですか?というゲストからの質問に、「(合意に”踏み切れない”人には裁判所が)ほんのちょっと後押しする、みたいなイメージで」と。つまり、合意しない場合も裁判所が命令、強制することができると…。
共同親権に合意しない人の意思や、個別の事情をまったく無視する話しぶりで、DV被害を軽視しているように感じました。実際推進派は、子供を連れて命からがら逃げる親の訴えを虚偽DVと言って憚らない。それと同じじゃないか、こんな人を専門家として招くとは…と番組作りに不安を感じたのですが。
棚村弁護士があまりにも…ふんわりしてらして。何を訊かれてもまだ審査中です、まだ決まっていませんが私個人の考えとしてはですね、と精神論や、漠然とした具体性のない、良いイメージの話しかされないので、スタジオが怪訝な空気に包まれていたのは…良かったです…。朝から皆さんすごい眉間に皺寄ってて…。え…?ええ…?ってなってました。あさイチの皆さんが素朴で真っ当な疑念を次々口にしてくれて、結果的に共同親権法案の問題点が浮き彫りに。そういう番組作りか?だとしたらすごい…。
中でも見ものだったのは、安倍アナウンサーが「さらにもうひとつ、今回の法案ですと、これまでに離婚が成立している夫婦も対象になります」と言ったらゲストのどなたかが「えっ」
「これまでに離婚が成立している夫婦も対象になります」
「えっ」
ほんとそれ!!
ほんとそれなんですよ。過去に離婚が成立している夫婦も対象なので、何年もかけて裁判してようやく離婚が成立した夫婦も、片方の親が再び共同親権を争ってまた裁判を起こすことが可能になってしまうんです。
そんな大事なことを、「えっ」て言うくらい知らない。しかも「えっ」て言うくらい異常なこと。
大吉さんがコーナーの最後に、「(こんなにいろんなことが)まだ決まっていない段階のものが、もう国会で審議されているという…なんでやる前提で進んでいるのかなというのが正直な疑問」と。本当に!その通りで!
あの、数日前のTBSのニュース23の特集は酷かったらしいんですね。共同親権は良いものですよ、と言わんばかりだったらしい。それで大変憤っていて、ツイッターの反対派の皆さんが。でも推進派の人も中途半端だ!って怒ってるの見かけたから誰のための番組だったんだろう。
でも今回のあさイチは、すごくしっかりと取材されたんだな、と伝わってきました。安倍アナウンサーも鈴木奈穂子アナウンサーも、すごく真剣に、深刻な問題だと取り扱ってくださって、有り難かった。
もうひとつ良かった点としては、棚村弁護士が「共同親権になったからといって、今まで会えなかったお子さんと面会できる、ということではない」と明言されていたこと。そこを明確にしてくださったのは良かったかな。
同時に、養育費がもらえるとも限らない、とも仰っていたけれど。確かにその通りなので、本当にここまで強引に共同親権に変える意味がなさすぎる。養育費の強制徴収、あるいは国や自治体による立て替え払いを導入しない理由がまったくわからない。25%(28%という数字も)しか払われていないまま放置せず、税金みたいに地獄の果てまで取り立てればいいのに。
そんな感じの、濃密な15分間でした。月曜も見ます!月曜には養育費の問題についても言及する予定とのこと。あさイチの皆さん頑張って!期待しています!
私、励ましのお便りを送りました。
■NHKや番組についてのご意見・お問い合わせ | NHK みなさまの声にお応えします
上記のNHKお問い合わせフォームから、番組名「あさイチ」と書いて、共同親権について真摯な内容で取り上げてくださってありがとうございました、と。月曜も楽しみにしています、どうぞ頑張ってください、と。そういう声を届けないと。あさイチの公式サイトでは、お便りの受付は生放送中のみだったので、月曜に送ろうと思います。
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以下、反対派の先生たちについてのリンク。木村草太先生!
今回の法案について正確に説明すると、非専門家の出演者が当然の疑問を投げかけて、専門家として出演する人の説明がぐにゃぐにゃになるの、この番組に限らず、他の番組でも見られる傾向。
まぁ、そういう法案なんだ。#あさイチ— 木村草太 (@SotaKimura) May 8, 2024
朝イチ、「共同親権は、これまでに離婚が成立している方も対象です」スタジオ「えっ😳」…今回、立法としていちばん異様なところは遡及法であるところ。既に離婚が成立している母子の新しい生活、また再婚して新家庭になっているところに、元夫が親権を主張しうると聞けば、みんな「えっ😳」てなるよね pic.twitter.com/pZ1SJ2bRr1
— 加藤郁美 (@katoikumi) May 9, 2024
#あさイチ は #共同親権 がきちんと説明されたら「えっ!?」「そんなことで損害賠償に!」「離婚済みの家庭にも…?」となる法律だってことを伝えてくれて、感謝です。ぜひ続編お願いします。ちゃんとした弁護士さんを呼んで。両論併記どころじゃない、誰得案件なんです。pic.twitter.com/F4V9Xzk6mK
— 藤井セイラ (@cobta) May 9, 2024
なるほど!!
#共同親権
木村草太氏
この考え方はすごく納得!欧米で共同親権が主流なのかについて
「子どもが生まれた場合、日本では97.6%が結婚しているから共同親権率100%から始まる
欧米では婚姻率が低いので、離婚後に共同親権の制度の導入が必要なのかと」
そもそも結婚のカタチが違うのよね pic.twitter.com/utfJOZcDD5
— ふっちゃん (@ashitawawatashi) May 7, 2024
上記のツイート「欧米に共同親権が多いのは、そもそも婚姻率が低いから」という大変興味深い説の詳細はこちらのリンク2つめ、木村草太教授「参考人に対する質疑」に載っています。どれも大変素晴らしかった…長いですが、どれも読み応えがありました。
■木村草太教授 2024年5月7日参議院法務委員会(民法改正の参考人聴取)|七緒
■木村草太教授 2024年5月7日参議院法務委員会(参考人に対する質疑)|七緒
■山崎菊乃氏 2024年5月7日参議院法務委員会(民法改正の参考人聴取)|七緒
どれも素晴らしい…各地の弁護士会会長声明を読んでいてもつくづく思いましたが、知識、知性は強力な武器であり、盾でもあるなあと。こんな方々が、知恵を振り絞って、虐げられようとしている親子の味方をしてくれている、そう思うと胸が熱くなりました。皆さん嫌がらせに訴訟を起こされたり、事務所に仕事を妨害する電話やメールが殺到したりされていると…つらすぎる。
木村先生の弁論が素晴らしすぎるので、一部引用させていただきます。
「欧米では共同親権が主流」というスローガンばかりが独り歩きしていますが、どの国でも、DV被害者の声はかき消され、あるいは虐待の被害者の声はかき消され、その支援者は嘲笑されているのです。
どの国でも嘲笑されてた。
このように検討してみると、「なぜ日本の現行法は、そんなにまともなのか」という疑問が浮かぶのではないでしょうか。
その答えは、憲法24条と、それによる戦後家族法の大改正にあります。日本の法律家の中には「欧米に比べ、日本の法律は遅れている」と考える人が多くいます。例えば、同性婚の問題にかかわっている人は、日本の取り組みはあまりに遅いと感じているでしょう。そうした分野があるのは事実です。しかし、男女平等の親権法の実現は、ヨーロッパよりも長い歴史を持っています。フランスやドイツでは、父権に基づく男性優位の制度が20世紀後半まで続きました。これに対し日本は、新憲法を制定した1940年代に、憲法24条の男女平等の理念に基づく親権法を実現しました。婚姻中の共同親権を導入し、離婚後は女性であっても子どもの親権をもてるようにしたのです。
(戦後の民法改正をリードした我妻栄先生は)ある最高裁判決について、夫婦の力関係の差が現にあることを強調した上で、夫婦を形式的に平等に扱えば「その争いはとかく力の強い夫の勝利となり、夫婦の平等は実現されない」と批判しました。
もちろん、「夫は常に強く、妻が常に弱い」ということはなく、逆のケースもあるでしょう。しかし、協力関係が築けない背景に、力関係の大きな格差があることは少なくありません。そして、その格差は、当事者の「一緒にいることの辛さ」としてしか表現できないこともしばしばあるのです。我妻先生は、形式論や理想論だけでなく、それがどんな現実をもたらすのかを含めて、豊かな想像力を持って家族法を考えました。先人は、子どもの利益と男女の実質的平等への深い洞察の上で、現在の民法を作り上げました。私たちがなすべきは、憲法の当事者の合意の尊重の理念と、戦後民法を作り上げた先人の遺産を受け継ぐことです。大事な遺産を台無しにすることではありません。
参議院議員の皆様は、被害者の声を無視して、差別し嘲笑する側につくのか、子どもが適時に決定を得られる権利と被害者が安心できる環境を得られる権利を守る側につくのか、重大な岐路に立っています。ぜひ、このことを自覚して、法案の審議に臨んでください。
もう全部太字にしたい。
そしてやはり!ベアテシロタゴードンさんが残してくれた憲法24条、日本国憲法の”両性の平等”条項は、国際的に見ても優れたものだとのご指摘!
この、「当事者の『一緒にいることの辛さ』としてしか表現できないこと」、というのは、山崎菊乃さんの発言に詳しいですね…ご自身もお子さんを連れてシェルターに避難したご経験があり、その後20年以上DV被害者支援現場で、シェルター活動や自立支援活動を行ってこられたと…。DV被害を受けた女性や子供たちがどんな状態に追い込まれるか、読んでいてつらくなる内容です…。
こちらも一部引用します。
加害者の中には、加害意識は全くなく、自分を被害者だと心から思っていて、自分のもとから逃げ出したパートナーに対する報復感情を強く抱く人が多いことを皆さんに知っていただきたいです。
彼らはこう考えます。自分は何も悪いことをしていないのに、妻が子どもを連れて出て行ってしまった。
自分に逆らわなかった妻がなぜ出て行ったのか本当に理解できない。
支援者や弁護士がそそのかしたのではないか。
自分こそ妻からの精神的暴力を受けた被害者だ。
これではメンツが立たない。絶対に妻の思い通りにはさせない。
自分をこんな目に遭わせた妻に報復してやる。
たとえ離婚しても共同親権を取って、妻の思い通りにならないことを思い知らせてやる。と考える人も多くいると思います。
この法案は加害者に加勢する法律です。
そうなんですよ…本当にそう。兄がおんなじこと言ってた。まったくおんなじこと言ってました。妻が子どもを連れて出て行ってしまったと。DVだなんて事実無根なのに、あいつ(妻)の弁護士も家裁の裁判官もみんなあいつの言うことを鵜呑みにしている、子どもたちもあいつに洗脳されている、と。前にも書きましたが、兄はよほど特殊な、レアケースだと思いたかった。でもそうじゃなかった。残念ながら。
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