■2024-02-07 共同親権に反対します、オンライン署名にも賛同しました [まじめに][機能不全家庭]
■2024-05-06 共同親権について、NHKあさイチで5/9木曜に特集[STOP共同親権][まじめに][機能不全家庭]
続きです。
各地の弁護士会などの会長声明が続々と出ている、と小魚さかなこ先生のツイッターで知り、調べてみたらこんなにあった!この物量。私が現在確認しただけで14道府県(北海道は札幌と函館二ヶ所出ていた)、その他医師会なども含めて20以上の団体が!
できるだけ発表日付順に並べます。各会によってニュアンスが異なる。明確に反対、廃案、差し戻しを強く要請する、と言い切っている会もあって頼もしい。ただ、すべてに目を通すと、「十分に検討・審議される必要がある」というやや婉曲な書き出しでも、重大な問題を感じているのが伝わってきます…。ぜひ読んでみていただきたいです。励まされる…。みんな真剣に考えてくれている…。
こんなにもたくさん、反対声明が出るって異常なことでは…。これを推進派は「離婚裁判の利権を狙う悪徳弁護士」扱いして攻撃していますが(以下の声明の中でも触れられていました)、私からすれば、離婚された男性たちの妻子への処罰感情につけこんで、焚き付けて金を払わせ裁判を長引かせている父親親権弁護士の方がよほど悪質だし、そういう弁護士の存在によって脅かされるのは何よりもDV被害者である女性や子供たちである、という事実に、暗澹たる気持ちにさせられます。
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■2024年2月15日 会長声明 離婚後共同親権の導入に反対する会長声明 全国青年司法書士協議会
これらが実現しない段階での離婚後共同親権の議論は、子どもの利益に基づくものではなく、現時点での議論そのものが拙速であると考える。
以上の理由から、当協議会は本要綱案にある離婚後共同親権の導入に反対する
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■2024年2月16日 家族法制の見直しに関する要綱についての会長声明 日本弁護士連合会
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■2024年3月8日 離婚後共同親権を導入する家族法制見直しに反対する共同声明 札幌弁護士会
重大な問題があるため、たとえ選択的なものであってもこれを認めるべきではない
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■2024年3月21日 共同親権について、十分かつ慎重な審議を求める声明 金沢弁護士会
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■2024年3月22日 会長声明 離婚後共同親権を導入する家族法制見直しについて、慎重な議論を求める会長声明 函館弁護士会(pdf)
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■2024年3月22日 離婚後共同親権の導入について、十分に国会審議を尽くすことを求める会長声明 福岡県弁護士会
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■2024年3月26日 離婚後共同親権導入について、その是非の判断も含めより慎重な検討を求める会長声明 千葉県弁護士会(pdf)
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■2024年4月10日 会長声明 離婚後共同親権の導入について、是非の判断も含めて慎重かつ十分に国会審議を尽くすことを求める会長声明 福井弁護士会
なお、先般、共同親権導入に反対する意見をメディア、SNS等で発信している愛知県弁護士会及び神奈川県弁護士会所属の弁護士に対する業務妨害事件も発生している。
現段階で、犯行目的や犯人の属性等は判明していないが、当該弁護士に対しては、インターネット上での誹謗中傷、危害を加える旨の告知、その他種々の嫌がらせ行為が続いているとのことである。
弁護士に対するこの種の業務妨害行為は、法の支配と表現の自由に対する重大な侵害行為であり、当会は断固抗議する。そして、今後も業務妨害行為に屈することなく、弁護士の使命である基本的人権の擁護と社会正義の実現のため全力を尽くす所存である。
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■2024年4月12日 離婚後共同親権の拙速な導入に反対する会長声明岐阜県弁護士会
以下のとおり看過できない重大な問題があり、現状のままでは子の利益を害するところが甚だしい。
これにより、最も過酷な立場に置かれるのは子であり、十分な議論のないままの離婚後共同親権の導入は、子の利益を損なう。
よって、当会は、離婚後の共同親権制度の導入に関する拙速な議論を止め、国会をはじめとする関係各所における慎重な議論を強く求めるものである。
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■2024年4月15日 離婚後共同親権に関する家族法制見直しについての会長声明 愛知県弁護士会
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■2024年4月17日 離婚後共同親権について、さらに慎重かつ十分な国会審議を求める会長声明 大阪弁護士会
「子の利益」の最後の砦である家庭裁判所が修正改正案で期待される役割を十全に果たすため、家庭裁判所の人的・物的基盤の拡充が急務であり、修正改正案の施行までに実現されるよう強く求める。
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■2024年4月19日 離婚後共同親権導入に関し慎重かつ開かれた議論を求める会長声明 兵庫県弁護士会
共同親責任・共同養育制度を先に導入した諸外国において、その後、子の利益を害する深刻な事例が相次いだことから、現在、まさに制度の見直しが始まっているところである(オーストリア2023年家族法改正案、イギリス司法省報告書等)
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■2024年4月24日 離婚後の共同親権導入を含む民法等改正法案について十分かつ慎重な議論を求める会長声明 広島弁護士会
今国会において拙速に可決されようとしていることに対し、強い懸念を表明する。
そして、離婚後の共同親権についての国民の理解を得るため、今国会において拙速な採決をするのではなく、法案をいったん取り下げた上で、多くの当事者(離婚を選択した父母だけでなく、子ども及び子どもを取り巻くあらゆる関係機関を含む。)をはじめとする国民の意見を踏まえた十分な議論を重ねることを求める。
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■2024年4月25日【声明2024.04.25】共同親権法案は衆議院に差し戻し、あらためて徹底審議を求める 全日本民主医療機関連合会
全日本民医連は3月11日付けで声明「拙速な離婚後の共同親権導入ではなく、子どもの権利を中心とした親権の確立を求める」を出し、医療の現場に多大な混乱をもたらしかねない本法案に反対を表明した。他にも日本産科婦人科学会や日本小児科学会など4学会からは、緊急的な医療行為については双方の同意を必要としないことなどを求める要望書が提出された
医療現場に混乱と負担増を押し付けるのではないかとの我々の懸念は消えていない。
他にも、共同親権により各種ひとり親支援制度が使えなくなる場合が生じることで貧困が助長されかねないこと、虐待・DVの被害継続の懸念など、法案は十分に議論が尽くされたとはいえず、何より当事者である子どもの気持ちは置き去りにされたままだ。法案の衆議院通過はあまりに拙速と言わざるをえない。
全日本民医連は、本法案にあらためて反対を表明するとともに、指摘されている数々の不安や疑問点について衆議院で徹底した審議をやり直すことを求める
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■(2023年9月1日)法務大臣宛て「家族法制の見直しに関する中間試案」への要望について 日本産科婦人科学会/日本法医学会/日本法医病理学会/日本小児科学会
この度、法制審議会において「家族法制の見直しに関する中間試案」(※引用者注:後述)が示されており、父母が離婚した後に双方を子どもの親権者とする民法第 819 条の改正案が示されています。その改正案の趣旨・理念については理解するところですが、同時に、子どもに医療を提供する医療者の立場からは、患者の代諾者となる親権者に医療行為の実施についての同意を求める場面において重大な問題が発生することを懸念します。
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■2024年4月26日 離婚後共同親権の拙速な導入を危惧し、慎重かつ十分な国会審議を求める会長声明|京都弁護士会
1.どのような場合に単独で親権を行使できるかが不明確である。
2.「急迫」という文言から生じる弊害への懸念がある。
(DV・虐待からの避難や、被害者への支援を萎縮させるおそれ)
3.DV・虐待からの避難、被害者への支援に必要な手当てについての審議が尽くされていない。
4.協議離婚における「共同親権の合意」真意性の担保に関する審議が尽くされていない。
5.関係省庁所管事項への影響が不明である。
6.慎重かつ十分な国会審議を求める。
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■2024年4月30日 共同親権について、十分かつ慎重な審議を求める会長声明 島根県弁護士会(pdf)
問題点1
修正改正案第819条第1項は、「父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その双方又は一方を親権者と定める。」とする。日本は、他国と異なり、当事者の意思及び離婚届の受理で離婚が成立する協議離婚制度を有しており、また、離婚全体の約9割が協議離婚である。そのため、協議離婚において、子の利益の観点から単独親権が望ましいDVや虐待がある場合はもとより、当事者の婚姻中の支配・被支配関係の影響の下で、一方当事者の真意に反して共同親権を強いられる可能性が否定できない。
(問題点1〜6)以上の問題点を十分審議すべきであり、また、問題点が残されたまま拙速な導入がなされないよう求めるものである。
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■2024年4月30日離婚後共同親権を導入する「民法等の一部を改正する法律案」についての充実した審議を求める会長声明 群馬弁護士会
本改正案については、国会提出に至るまでの経緯について、以下の極めて特異な事情があった。
(1)本改正案の閣議決定に先立ち発表された「家族法制の見直しに関する要綱案」は、これを審議してきた法制審議会家族法部会の審議過程において複数の委員が反対を表明する中で、全会一致の慣例を破って採決がなされ、委員21名中3名が反対、部会長を含む2名が棄権し、多数決で承認されるという異例の経過をたどっている。
家庭裁判所の負担を考えれば、速やかな紛争解決を期待することは困難である。そして、裁判所が、令和5年2月の異例のパブリックコメントにおいて、離婚後共同親権の導入について、重大な懸念を示している
これらの問題の議論は、国会に委ねられたが、国会審議の場では、国民の代表者である国会議員によって、これらの極めて困難かつ深刻な問題を解決するために、知性に富んだ充実した審議・採決が行われなければならない。
ところが、衆議院では充実した審議・採決がなされたとはいい難く、本年4月16日の衆議院本会議における採決では、与党議員の中から、「審議が拙速であった」として、造反者が出る状況であった。
以上の経緯に鑑みて、「良識の府」である参議院においては、本改正案の国会提出までの異例さや本改正案に内在する問題点を真摯に受け止め、これらを解消するため、現実に事案対応にあたる裁判所や弁護士らの声にも誠実に耳を傾けて、衆議院において可決された法案を抜本的に修正することも視野に入れて、充実した審議・採決を行うべきである。
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ううすごい…この物量と熱量…。現場の弁護士の方々がいかに危機感を抱いているかが伝わってきます。
私が住んでいる東京弁護士会の会長声明を調べてみたのですが、2023年度、2024年度も今のところ、共同親権に関する声明は見当たりませんでした。
代わりに、法務省民事局参事官室に提出された、東京弁護士会の中での意見をまとめたものがありました。日付は2023年1月18日なので、これが最新ではないかもしれないのですが、載せておきます。冒頭に「離婚等の際の共同親権の導入の可否や暫定的面会交流の新設等において当会でも賛否が分かれている」とあり、共同親権に賛成派、反対派の両方の意見が延々と書かれています。全文はものすごく長いです。びっしりのpdfファイルが82ページある。私もまだ1/3くらいまでしか読めてませんが…。
■「家族法制の見直しに関する中間試案」に関する意見書(pdf)
「中間試案に盛り込まれなかった意見について」と題して、
①司法の役務提供に係る情報提供や費用支弁の支援、家庭裁判所の人員体制強化が必要である、
②税制・社会保障制度・教育支援との関係を整理する必要があり、その検討のための省庁横断的な検討会を設置すべきとの指摘が一部の委員からされたとの記載がある。
②は養育費の履行確保の方策と関連することから、この他に、養育費の履行確保のための公的な支援として、立替払い制度の検討が必要との意見も示された。
今回の法改正の検討と併行して、これらの体制強化や公的支援制度を充実することは必要不可欠であることはいうまでもなく、国としても必要な体制整備を行うことを強く求める。
せっかく国に提出した「中間試案に盛り込まれなかった意見」が大事すぎる!盛り込んで。ぜひ盛り込んで。
東京弁護士会の、『虎に翼』に関連するツイートもありました。
【べんとらーの法律小話🌻】
昨日の『虎に翼』で話題になったように、旧民法では、「子ハ其家ニ在ル父ノ親権ニ服ス」として、父親が親権者となることを原則としていました。… pic.twitter.com/YFU2XjWHor— 東京弁護士会 (@TobenMedia) April 25, 2024
昨日の『虎に翼』で話題になったように、旧民法では、「子ハ其家ニ在ル父ノ親権ニ服ス」として、父親が親権者となることを原則としていました。
穂高博士のモデルの穂積重遠博士は、『民法読本』(昭和2年・日本評論社)で、「これは頗る自然の人情に反したこと」と指摘し、婚姻中の父母に共同親権を認めるべきと主張していました。
穂積博士は、親権について、子を支配する権利と考えるべきでなく、「親義務と云う意味から観念すべきではあるまいか」とも述べています。
「親に取って愉快な義務である」という表現もあり、小林薫さん演じる穂高博士を思い浮かべながら読むと、味わい深いです。
これ…「穂積重遠は共同親権派」と紹介されているのもちらほら見かけたのですが、父親にしか親権が認められていなかった時代に「婚姻中の父母に共同親権を認めるべき」と主張していたということは、穂積先生は当時なんの権限も持たされていなかった母親にも親権を認めるべき、と仰っていたわけで、それは今強引に施行されようとしている共同親権とは真逆のものでは…。
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他にも調べてみたら、2022年10月にはこんな判決が出ているのですね。後退している感…。
■民法の「単独親権」、合憲判断が確定 最高裁 事件・司法 日経新聞
離婚した父母の片方しか子どもの親権を持てない民法の「単独親権」制度は、法の下の平等などを定めた憲法に反するとして、東京都の50代男性が国に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(宇賀克也裁判長)は1日までに、男性側の上告を退ける決定をした。
2021年2月の一審東京地裁判決は「子どもの利益のため、裁判所が父母のうち適格な方を親権者に指定する現行制度には合理性がある」と指摘し、共同親権を認めるかどうかは国会の裁量に委ねられている段階だとして退けた。21年10月の二審東京高裁判決も支持した。
共同親権を巡っては、父母どちらも子育てに責任を持つべきだとして導入を求める声がある一方、元配偶者との関わりを避けたいドメスティックバイオレンス(DV)被害者らを中心に反対意見も根強く、議論の行方が注目されている。
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あさイチの特集や、参議院での審議がどうなるのか…もうしばらくは落ち着かない日々が続きます。いや、私はあくまで間接的な立場ですが…兄のDVから逃げている姉と子供たちを案じている、という。それでも他人事と思えず、当事者の人たちの不安や焦燥を思うと、本当に憤りを感じます。
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■#STOP共同親権 〜両親のハンコなしでは進学も治療も引越しもできない!実質的な離婚禁止制度〜 オンライン署名change.org