父と遺言と食洗機 [亡きオット父の話]

えー、ブロガー関連から家電関連と続けて、ふと思い出したこちらをお送りします。オット父が亡くなった2009年に、SNSで書いた文章です。加湿器記事に家電を買う際テッテ的に調べ上げると書きましたが、そんな私の癖(ヘキ)がお役に立ったお話。3600字。

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父と遺言と食洗機

オットくんのお父さんがですね。
最後に買った家電が食洗機だったんだそうで。ビルトインじゃなくて据え置きタイプ。
それが実は失敗というか、お父さんにとって大変納得いかない買い物だったんだそうです。
メーカーに電話して部品の取り替えにこさせた(!!)のが最後の旅行の直前で、それでも問題が解決せず、かなり怒っていたらしい。

お父さんは超倹約家&慎重派なので、家電とか買い換える時も超慎重。何ヶ月もかけて調べ上げ、さあこれが一番だと思ってからさらに何ヶ月も待つんだそうです。新しい機種が出ないかどうかとか、出るとしたらどう性能が違うのかとか、とするとこの機種はどのくらい値下がりするのかとか。とかとか。

そんな慎重に慎重を重ね、発表されている情報はすべて目を通して比較に比較、選びに選んで買った機種が、買ってみたら話と違ったと。

洗浄時の騒音レベルが35dBで静音設計、とうたっているんだけど、排水時の騒音が実は45dBだったと。えっ。

(以下、価格コムの書き込み)
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Pnsnc(メーカー名)のカスタマー・センターにも問い合わせたところ、「運転音が気にならない低騒音35dB」((社)日本工業会新基準))というのは、洗っている最中の音のことで、排水時には、45-48dBの音がするとのことでした。
製品に添付されている取り扱い説明書の「故障かな?」という項には、確かに、「排水するときには大きな音がします。故障ではありません。」と書いてあります。ですから、Pnsnc(メーカー名)も、カタログでは低騒音をうたっていながら、買った人がビックリするような騒音が出ることを分かってこの商品を売っているわけです。

でも、パンフレットに「運転音が気にならない低騒音 35dB」と書いてあれば、常識では、使用中の一番大きな音でも35dBだと解釈しますよね。天下のPnsnc(メーカー名)さんが、消費者を欺くような(あるいは、一般消費者には分かりにくい(社)日本工業会新基準)なるものを根拠に)パンフレットで低騒音を宣伝するのには大きな疑問を感じます。
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以上、お父さんによる価格コムの書き込みより抜粋。

ってお父さんww価格コムに書き込んでるwwww
お母さんに教えてもらって超うけました。お父さん超怒ってる。
わざわざこのためにアカウント取ってる。
アカウント名「ぴい君」(仮名)
苗字をもじった2文字でして、妹ちゃんが友達に呼ばれてるらしいけどお父さんなぜそれを自分で。
「君」とかつけて。かわいいかよ。
オットも高校の湯川先生(実名かよ)からふざけて呼ばれてたこれ。

あげくアイコンが、野球帽の男の子。
ちょ、お父さん?なんで普通に眼鏡の男性とかにしなかったんですかお父さん??
カワイイ名前の野球帽の男の子「ぴい君」が、「パンフレットで消費者を欺くような低騒音を宣伝するのには大きな疑問を感じます」とマジギレ。

シュールすぎる。我々の知らないお父さん像がここに。
いやオットたちはみんな知ってたらしいです。お父さんしょっちゅういろんな製品のカスタマーセンターにクレームの電話してたって。えっ。たとえばシャンプーボトルがですね、最後まで出ないものですよね。最後は水足したり、ポンプ外して逆さにして振ったりするものですよね。お父さんそれが許せない。ポンプで出す商品なんだから最後まで出せるように作るべきじゃないですか、とカスタマーセンターに電話。申し訳ありませんと送られてくる新品のシャンプー。もちろんまた出ない。「やっぱり最後までは出ないんだよねこれも…」とぶつぶつ言ってるお父さん。カスタマセンターの人ごめんなさい、と思いながら遠巻きに見守る家族。そんなかんじだったそうです。おっお父さんそれ…最近(※2009年当時)名前がついた「カスタマーハラスメント」というやつでは…

まあそれはいいとして(良くないかもだけど)、しかしなるほどこの食洗機の件では確かに怒るのももっともである。と思うあたくし。

一方お母さんは、学校の先生を長年勤めてとってもきちんとしっかりした人に見えていたのですが、その手の生活に関すること、家電選びから日用品の買い出しに至るまでお父さんに完全任せっきりだったんだそうで。お母さん実は超おっとりお嬢さまだった。萌え。何にも知らないし何にもできないと。

たとえば自分一人で家電やさんに行ってこの食洗機交換してもらうとか、そんな交渉とてもできない。でもお父さんが亡くなる直前まですごく嫌がっていたものを、このまま使い続けるのもどうかしら。それに食器がちょっと入れにくいの(´・ω・`)。
お父さん、これ買い換えたかったんじゃないかしら…(´・ω・`)。

というわけで、あたくしの出番でございますよ。
まあいつものように価格コムなど中心にとりあえずざっと機種比較。
今回買った機種は2位3位を独占する人気。洗浄力の強さと静音に定評らしい。同じく人気かつ同価格帯のTSB(別メーカー)機種を見てみると、どうも今回のと比べてどちらかを選択している人が多いみたい。と、ガリガリ比較検討していく。

今回のは洗浄力高い。音も静か(洗浄音は)。ただ、従来より収納力が低くなった。食器も並べにくい。
TSB(別メーカー)は食器が入れやすい。収納力高い。ただ洗浄力が若干弱い。収納力はあっても、詰めると汚れが落ちない(特に庫内右側が落ちにくいとの声多数)。

で、家電量販店に行って実際の機種も見てきたぜ。
なるほど確かにTSBの方が入れやすそうだ。でもその収納力を活かせないなら意味ないがな。
あと肝心の排水音はどうだ。店員さんつかまえて聞いてみる。TSBの方、具体的に何dBか教えろください。
超待たされる。メーカーに超問い合わせてる。
が、なんと「メーカー側もわからない、排水音に関しては何dBか測ってないと言っている」
おっお父さん?TSBがこうってことはPnsncもこうだったんじゃないか?ひょっとして測らせましたねお父さん!?ぴい君!!

また、ぴい君(仮名)の書き込みによると、「従来、排水と給水に2つモーターを使っていたのを、1つのモーターだけを使い、電動弁で切り替える方式にした後に出るようになった音だと、Pnsncの方が言っていた」らしい。ので、こちらのTSB(別メーカー)の機種はモーターいくつ使ってるんですかと聞いてみる。
超待たされる。
1つだそうな。
とすると、同じくらいの騒音が出ると思ったほうがいいだろうな、構造的に。

そういうことならば…。
確かに排水時の音はうるさいが、現行の据え置き食洗機では今のこれが一番高性能で使いやすい、ということになる。洗浄力は高いらしいし、庫内の入れにくさに関しても、TSBにしたからといって解決するものではない。お父さんもきっと、そういうところを比べてこちらを選んだんだろうし、買い換えに値する機種がないという結論も、きっとお父さんが調べたとしても同じだったのではないかと思う。

そんなわけで、これをそのまま使うのが、現状で一番よい選択肢です。( ・`ω・´)キリッ。

と、実家を訪れお母さんに説明しまして。
それから私が説明書を見て食器の入れ方を学んでやってみたりしまして。
お母さんから超喜ばれました。よかったよかった。
家電比較検討とか普段から普通にやってます、という話は確かにそれまでしたことがなかったので(ていうか私の周りそういう人ばっかりだし普通のことすぎて話題にしなかった)お母さんにとっても驚かれた。お父さんも安心してるわ、とっても頼もしいわとお母さん。いえいえそんな。光栄至極。

父の遺言ですんでと一歩も引かない構えで全額返却の返品を要求しようかとも思っていたが(やりすぎ)、買い換えはしないことに落ち着いてまあ良かったです。向こうもあのめんどくさいクレームの人しんじゃったのかよ!と思ったら娘がまためんどくせー!!えっ長男のヨメ!?血縁じゃないのかよ!どゆこと!?と半泣きだったろうな実際やってたら。
そうだな、そして一緒に家電やさんとか行ってみたかったな、とも思いました。お父さん子供のように相手を質問攻めにするからな。横で見てても面白いんですよね。私はお父さんが取りこぼした質問するだけでいいからラク。実際やったら店員さんはヤメテ!何このヒトたち!!と半泣きだったろうな。

(初出:2009年10月 mixi日記より)

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はい2026年に戻ってまいりました2009年から。いや〜だいぶ前だな〜。思えば遠くへ来たもんだ。今更アップするのも正直迷ったのですが、でも義両親との良い思い出は大事にしたいな、と思って。

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