[まじめに] テレ東ドラマ『SHUT UP』が、女子大生の貧困と性被害について真正面から描く重厚社会派ドラマでびっくりした

【ご注意】紹介しているドラマもリンク先も、性被害について扱っています。直接的な暴力の描写は少ないのですが、かなりリアルに被害を想起させる内容なので、苦手な方はくれぐれもご注意ください。

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いや、びっくりしました!
テレ東ドラマ『SHUT UP』すごい。
すいません新しいドラマをチェックする時確かにこちらも見かけたのですが、やたら「パパ活」とか「復讐」とかを強調したあらすじだけ見て完全に「あ、これ下世話で悪趣味なやつだな」って思い込んで切ってました。すいません。

まさかこんな!ど真面目で社会派な意欲作だと誰が思うだろう。あんなどピンクのサムネイルで!

(「続きを読む」から先は、性被害について取り扱っています)

と、思わずかなり厳重にアナウンスしてしまいましたが、見ていただければわかると思う。
直接的な襲われている描写はないのですが、それにも関わらずこの重苦しさ…。特に女性にとっては本当に苦しくなるんじゃないだろうか。なぜならみんなこういう目に遭ったことがあるから。以前NHKの性暴力アンケートについて書いた時もそうでしたが(こちらの記事も性被害について詳しく書いているのでご注意ください)、あれも暴力だったのか、私も被害に遭っていたのだと、気付かされてしまう内容なのです…

特に6話が圧巻…。
「性の同意」という考え方について、非常に丁寧に説明されていて、すごかったです…!

私はTVerで、無料配信されている1話2話3話を見て、それから1−4話のダイジェストを見てから、ちょっと飛んじゃうけど問題の6話を見ました。これがすごかったけど月曜まで!22日(月曜)23:54で配信終了なのでご興味ある方はぜひお早く。ただしものすごく重いし苦しくなるのでほんとくれぐれも無理せず…。

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えー問題のどピンクサムネイルはこちらです。

4話までの内容を含むレビュー。
貧困、格差、望まぬ妊娠、パパ活……これまでのフェミニズム作品に描かれていたことから、更に踏み込んだドラマ『SHUT UP』 Hanako

なんとこちらに、野木亜希子『獣になれない私たち』の主人公の彼氏が「社会の中で男性として生きる中で、無自覚にミソジニーを身に着けてしまった、至ってどこにでもいる男性」とご紹介されちゃってる!けもなれの圭ですね!(京谷です)やっぱダメですよね!ですよね!

6話の内容も含むレビューはこちら。
女子大生の不同意性交トラブルを描くドラマ『SHUT UP』、現実とリンクして広がる共感(武井保之) – エキスパート – Yahoo!ニュース

「プロデューサーをはじめ、監督、脚本家らスタッフ全員が、社会問題をしっかりと提示して世の中を動かそうとするドラマ制作への意識の高さを持ち、加えてメインキャスト4人を演じる仁村紗和、莉子、片山友希、渡邉美穂の女性被害者へ寄り添うような役柄そのものに成り切った好演があるからこそ、本作が広く響いているのだろう」と。ほんと!ほんとに!メインキャスト4人が皆、熱演…!

あのね4人がね、みんな優しいの…誰かが辛い時、誰も責めないの…ひたすら寄り添うの…。大抵さ、この手のフィクションてさ、バカッなんでそんなことしたの!?とかメグミもいけないんだよ!?とか言い出す人おるやん。いないの。そんなんおらへんの。みんなひたすら支え合うの…。シスターフッドがすぎる…。

もうそれで、あの、6話がすごい。すごいのです。
あの、例えば親族や教師など、初めから主人公たちの身近にいる大人が親身になってくれるのはよくある設定だけれど、フィクションでは珍しいんじゃないだろうか、単なる端役の通りすがり的な「刑事」や「カウンセラー」が、きちんと存在感を持って被害者に寄り添ってくれるのです。まさしく専門家、プロフェッショナルのお仕事!目の前の若い女性の、声にならないSOSをじっと見つめ、あやまたず汲み取り、彼女たちを適切な支援に繋げようとしてくれるの…それも次々出てきてものすごい安心感!
あれです皆さんご覧になりましたか、WOWOWの野木亜紀子ドラマ『フェンス』で、新垣結衣さんが演じた精神科医のような!ゆっくりと落ち着いた声で語りかけてくれる…頼り甲斐!

6話なんて警察署での取調べのシーンなのに安堵の涙が溢れ出ました。気づいてくれた…!この人ならきっとなんとかしてくれる…!て。西丸優子さんて仰るのね。ぎゃっインスタ見たらなんて華やかな笑顔!ドラマでは硬派な刑事さんでシックな装いだったけど!



それから、自助グループを主催している野呂佳代さんも素晴らしかった。

野呂佳代“塔子”による性的合意に関する丁寧な説明に「深く考えさせられた」|SHUT UP|TVerプラス

仁村紗和が主演を務めるドラマ『SHUT UP』(テレ東系、毎週月曜23:06~)の第6話が、1月15日に放送。“性暴力”に焦点を当てた内容に、ネット上で「性教育で使うべき」という声が上がった(以下、ネタバレが含まれます)。

性教育で使うべき!ほんとに。小中学の道徳とか保健体育の授業で流せばいい。性の同意、ほんとに。ほんっとに早く常識として浸透させてほしい。あまりにも蔑ろにされすぎている。

あのね…ツイッター見てたらね、おそらく若い男性かと思うんだけど、この6話の感想で「一度OKしたのに後になって本当は嫌だった、性被害だなんて言われても…その場で言ってくれないとわからないよ…」って書いてる人がいたのです。正直な感想なんだと思う。でもさ…でも本当にね、拒めないんです…嫌だと言えない空気をものすごく感じるの。

それでね、これは私自身の経験だったり、友人たちから聞いた話だったりもするのですが、「あの時本当は嫌だった」とこちらがものすごく勇気を振り絞って言っても、「そんなのその場で言ってくれないと判るわけない」と怒り出したり、逆に傷ついたとショックを受ける男性ばっかりなんです。

でも、「言い出せないような圧を自分が出してしまっていたのだ」と、受け入れてほしい…。
否定しないでほしい。私の、本当は嫌だった、痛かった、したくなかった、やめてほしかった、という思いを、訴えを、跳ね除けないでほしい。

男の人たちだって加害者になんてなりたくない。自分が加害者であるはずがない。暴力を憎んでいるんだと思うんです。でもそこにこだわりすぎて、忌避感が強すぎて、相手に無理強いしていたと認めたくないんだろうなと…。合意の上だったと思いたいんだろうなと。だってそうじゃないと自分が性犯罪者、加害者ってことになってしまうんだもの。

日本では、性加害は良くない、とは教えますよね(一応は)。俺は女は殴らない、みたいなとんちんかんなものも多いけど、フィクションでもしょっちゅう恋人が強姦されて殺されて復讐の鬼になる主人公!とか出てくるじゃないですか。嫌がる女性に無理矢理暴力的に性交を強要するなんて言語道断!許せない!とは言うじゃないですか。あちこちで。

にも関わらず、じゃあ具体的に、何が性加害なのか、という肝心のところはぼんやりさせたまま放置されているように思えます。男も女も、どこまでがいけないのか本当にはわかってない。誰も教えてくれない。ピンとこないまま突然セックスに放り出されている。参考にできそうなのはAVだけ!恐ろしい…。

本当に、常識を変えてほしい。まともな性教育を義務教育でやってほしい。家庭にも浸透させてほしい。性教育とは人権教育。これこそ日本に根付いてないんですよね…嫌なことは嫌だと言って良いし、相手の嫌がることをしない、なんて、当たり前すぎて…どこから手をつけたら…でもその当たり前が踏み躙られるのが当たり前になりすぎていて…。

いやもうほんとに、すごい作品だと思いました。あと2話で終わりらしい。全8話。楽しみ…とは言えないけれど、座して待ちます。主演の仁村紗和さんの佇まいが本当に素敵。凛として美しい。



ひい!かわいいい。
重苦しいだけでなくこの写真のような、若く明るい女の子たちの楽しげな様子もこのドラマの魅力なのです。そこが両立してるのもすごい。

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関連あひる
どれも粒揃いに重苦しい内容なのでくれぐれもご無理なさらず…いつか気が向いた時とか、タイトルや冒頭だけ眺めてくださるだけでも充分ですので。

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