うる星やつら原作2つの未来予想エピソード、初期の『系図』と後期の『扉を開けて』を見事につなげた令和アニメ!


そんなわけで(どんな?)ずっと楽しみに見ています令和うる星。大好き大好き。
うお!?ちょっと待って今初めて公式YouTubeで予告編見てみたら!
BGMがラムのラブソングやんけ!!
くっ、小粋なことを!

この安定感。小ネタをそのまま再現してくれてるの嬉しいのです。でもちょいちょい修正も入れているところにスタッフさんたちの努力も感じる。特番で神谷浩史さんが仰ってたんですが、令和の今あたるのキャラというか言動正直アウトすぎるから、令和にあたるが受け入れてもらえるかどうかがすごく心配だったと。それで話数の早い段階であたるアゲエピを入れることにしたと。『君去りしのち』ですね。あたるが実はラムちゃんをちゃんと好き、っていうのを早めに出して、勝負をかけた、みたいなことを仰ってて。だから令和でもあの話が人気投票で上位になってほっとしました、って。おおー。

そうなんですよ、あれもね?原作ではあたるがヨーヨーで何の練習してるかっていうとスカートめくりなんですよね。でも令和版ではそこカットしてて。単にヨーヨーの技の練習してるあたる。しのぶー見て見てー!って。あたるマジ小学生かっつー。意味不明になっちゃってたけど、でも私はそれでいいと思いました。正直ほっとした。だって令和の今スカートめくりやられたら全然アウトだもん。スカートめくりは犯罪ですからね?性犯罪ですよ?ドラマ『不適切にもほどがある』の吉田羊さんみたいに怒るよ?『不適切』もね…ちょっと色々言いたいことがありすぎてまだ静観中なんですよ…最終回まで見たら書くかもしれん…まだ考え中なの…

いえ、そうなんですスカートめくりですよ。えっまだこの話!?引っ張るわよ!スカートめくりは性犯罪ですから。それを単なるイタズラとして描写していた当時を反省し、あるいは反省したわけじゃなくとも令和の今やったら問題視されるかもなと日和っただけだったとしてもどっちでもいいの。電波に乗せないことが大事。「今やったら問題になるかもな」という意識をスタッフの誰かが持っただけで進歩だと思うのです。そうやって時代が変わっていくのだと。そういう積み重ねが。

そこへもってきて『不適切にも』がさあ…クドカンどういうつもりなのかほんとにいやこれは今じゃないな。また今度…書けるかわかんないけど…。

うる星『系図』の話です!
検索してたら面白い話があったのでメモとして載せておきます。

うる星アニメの何回か前の予告でね、次回『系図』って出て。ん、どんな話だっけ…?確か結構初期だったような?って検索したら、

「うる星やつら(原作)」に詳しい人に質問です今十何年ぶりに「… – Yahoo!知恵袋

ほう!
そうそう、あたるがしのぶと結婚してる未来の話ね!
それが原作初期の『系図』で、その当時はまだうる星自体がこんなに長期連載になると決まってなかったから、「あたるとしのぶが結ばれる」という初期設定にだんだん矛盾が生じてきて、それを高橋留美子先生が原作後期の因幡くん登場シリーズ『扉を開けて』で、未来は複数ある、いろんな可能性がある、という設定にしてスマートに回収した、という。なるほどー!そんなふうにつなげて考えたことなかったなー。面白い。

そしたら令和アニメ版では、それを見事!さらりとつなげて。原作初期と後期の、未来を扱うストーリーをくっつけて3話連続エピソードに仕立て直してらっしゃって。なんと素晴らしいー!

しのぶが「ああ…また変態と巡り会ってしまった…」と野菜を拾い集める時「のろのろ…」って描いてあるの好きだった。原作にね。今回アニメでは、1期でやってたみたいな擬音に声をあてるのやめちゃってたけど(けっこう好きだったんだけど)、動きがちゃんとのろのろしてたのでちょっとフフッてなりました。

あとね、令和アニメのしのぶの服装がどう見てもアリスで!かわいい!水色のワンピースに白いシャツ(柄入ってるけど)、ちょっとらんまとあかねの制服みたいな。風林館高校ね。

「オールドミス」という言葉を「独り身でも」に言い換えてあったり、ほんとさりげないけど頑張って地雷を撤去しているスタッフさんの努力を感じます。竜之介の扱いとかもね!ミス友引コンテストで(そもそもミスコンの名前もちゃんと変わってた)、原作の、父に水着取られて抵抗してるところをサクラさんとしのぶが割って入るシーンはカットでしたね。「いい加減にせんかーい!数々の非道の振る舞い、もはや女として黙って見ておれぬ!」「少女の敵だわ!」とかばってくれるシーンもカットになったのは惜しいといえば惜しいんだけど、その前に竜之介父が色々アウトすぎるからな…。

ランちゃんがラムのビキニに切れ込み入れるゲス行動も無くなってしまいましたが、ランちゃんのゲスっぷりはもう大丈夫ですんで。十分十分。原作では、ビキニが千切れちゃったから竜之介は仕方なくサラシで出ることにしてたけど、アニメでは謎に父に煽られたとはいえ、戦闘力を最大限発揮するために自分の意思でビキニはやめてサラシで出場、というふうに変わってたり。

なんとか原作の魅力を損なわないよう、でも現代に合うように、すごいパズルを必死で組み直しているスタッフさんの心意気を感じます。原作ではこうなんだからいいだろとか、原作者は女性なんだ、女性がこう描いてるんだからいいだろとか、言い訳や強行突破はいくらでもできると思うんだけどそれをせず、今の時代に、ノイズを極力減らして原作の魅力を少しでも広く伝えたい、と思ってらっしゃるんだろうな、という、令和アニメスタッフさんの矜持が。伝わってくるので、私はそれを支持しますよ?

ランちゃんのゲス行動といえばね?
今回の『扉を開けて』でも暗黒未来の方で(とあんまり言っちゃうのもラムにずっと恋してるレイが不憫ではあるんだが。面堂くんもね)「くえっこん?わしは一生結婚せんのじゃ!残りの人生おのれら夫婦を脅かすために生きたるんじゃい!!」の時のランちゃんのちょっと大人になった原作の作画が見事すぎて。それをアニメでも再現してくれて嬉しかったです。10年経ってしゅっとしてるランちゃん。中身変わってないけど。でもつらいよね…ずうっと好きだった相手が別の人と結婚して近所に住んでるって。つらいわ。それにしてもラムがそれ見てはわわはわわって泣きながら犬かきみたいに逃げてくのかわいそかわいくてめちゃ笑いました。アニオリな動き。いやそうなるわな。つらいわ。

なので明るい未来の方のランちゃんしあわせー!も令和アニメで見れて幸せでしたよ?マジみんな幸せ。ちょっと前のね!クラマにレイが絡まれてめしよりランちゃんを助けたっちゃ!の回も大好きでしたー!やってくれた!ランちゃんしあわせー!!「子を…?」っていうレイの2文字しかしゃべれない雄弁さよ。

あとね!あの回はね、最初につむじ風でかどわかされる時、原作にはないほんのちょっとした動きをレイに加えることによって、単に風にさらわれただけでなく、たい焼きがまず吸い込まれて、それを取ろうとしてレイ自ら飛び込んでるムーブに仕上がってて。ひでえwって思いました。令和アニメGJ。

『扉を開けて』が終わっても、たぶん原作最終巻のラストエピソードまでまだちょっと間があるんじゃないかと思うので、ぜひ『風邪見舞い』をやってほしい!あれは扉絵も秀逸だった…模写したことある。セーラー服のラムとランが手繋いでるの。すてき…。ランちゃんがラムに対して「こいつの最大の欠点は悪気のないとこなんや…」としみじみ認識するくだりが大好きでした。

これこれ!この絵!新装版もいいじゃない!(小学館だけど…)

それからあれ!!あたるがランちゃんのカップケーキ拾い食いするやつ!これを食べたらイチコロよ…って。調べたら原作16巻『愛❤︎(ハート)ダーリンの危機』でした!そうそうそうだった!あたるが死んだと思い込んでランちゃんを泣いて責めるラムの勢いに気圧されて、ランちゃんがラムを励ましてくれるんですよね!あのダーリンが死ぬわけないじゃない、って。やさし!!ランちゃん優しい!!
そしてあたるの無事を確認して無言でぼたぼた泣くラムちゃんの眉毛のない顔が。留美子に時々出てくる眉なし効果。抜群。

『風邪見舞い』は26巻かあ。こんなふうに登場人物たちの関係性が少しずつ変化していくのも高橋作品の魅力ですよねえ。しみじみ。単にドタバタしてるだけじゃないの。

おユキと弁天とランちゃんとラム4人の関係性も好きです。真夏にアイス売る話!好きだったな〜。『怒れ!シャーベット』原作32巻。
その前にもあったな…なんだっけ(検索)そう!21巻『蒼白き炎の怒り』だ!ぱりぱりさむさむ。この辺もぜひ令和アニメでもやってほしいなー。入らないかなー。

先生をヒドイ目に合わせるCAO-2の回もそうでしたが、旧作と違って2本立て3本立てにすることで変に引き伸ばさずにテンポ良く作ってくれてるのが嬉しいんですよね。『電飾の魔境』もそうだった!原作29巻。声が島﨑信長くんで笑いました。いい声!テレビの時代劇と会話がシンクロしちゃってるとことかほんとくだらなくて大好きだったのを完全再現してくれて。「蘭学事始」とか。マモがね!雅マモルいや違う宮野真守さんがですね、面堂くんを完全再現しててほんと素晴らしい!どうでもいいけど友人とマモ面堂の素晴らしさの話をして以来私のiPhoneで「面倒」って打つたびに「面堂」って出るようになって地味に困ってます。毎回うっかり確定しちゃうからいつまでも一番に面堂で。

そうそうあとね!令和アニメのさりげない改変って、何もセクハラ問題をマイルドにしてるだけじゃないの。今回の因幡くんエピのしのぶも!未来を変えようとするのはあたるとラムのため、みたいな味付けになってて!えっそうだったの!?やさし!!しのぶ優しい!!
原作ではそこまでは言ってないんですよね。ただ今のままみんな変わらなければいいなあって…という。その「変わらない日常」を大人になってもやってる面々も好きでしたけどね。そういう、しのぶのぼんやりとした、未来にどうなってほしいなんてまだわからない…という、多くの若者が抱えている漠然とした不安を具現化したあのエピソードもすごく好きでした。そこにそんな!令和アニメではそんな友達思いな意味をつけるとか!しのぶ推しがいるな!?さては!

あとあれだー!令和アニメの功績としては!
『きえないルージュマジック』で、忌野清志郎さんの『いけないルージュマジック』を丸々使ってくれたこと!!素晴らしいー!!もー!!あそこだけ何回か見ちゃったよ!

他にも幽霊の女の子とあたるがデートする話とか…「アホ、俺はいつだって優しいわい」「うちも幽霊になろうかな」って。もー!
ラムちゃんがドーピングしながら総番と戦う話とかね!「やあやあわれこそはー」「やられ方だけはさりげなかったな」とか。もうマモの声でしか思い浮かばない。

うる星やつら〔新装版〕(26) (少年サンデーコミックス)<うる星やつら〔新装版〕(26)高橋留美子>

『勇気ある決闘』ね。この巻には弁天と竜之介の女対決も入ってるのか!あれも好きだったけど、やっぱり今そのままやるのは色々難しいかなあ。

アニメ化してほしいエピソードはたくさんあるけれど、ほんと楽しい。最終回まで楽しみにしています。好き放題語ってアデュー!

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“うる星やつら原作2つの未来予想エピソード、初期の『系図』と後期の『扉を開けて』を見事につなげた令和アニメ!” への4件の返信

  1. ながらく拝読しておりますが、ツボだったので初めてコメントさせていただきます。
    「不適切」これはマジで書いていただきたいです。おそらく同感な気がします。
    「コンプラ叩き」を賞賛しないと許されないような空気感、これもまた息苦し過ぎる気がします。

    ※盛大に逆方面だったら申し訳ありません。しかしその場合でも、いつも真摯に綴ってくださるあひるちゃんさんのお考えであれば、ぜひお伺いしていろいろ考えたいです…!
    お気が向かれましたらぜひ。

    (共同親権のポストも本当に勉強になりました。署名しました)

  2. aaさん
    あっありがとうございます!すごく勇気づけられるコメントを…!
    そうなんですよ『不適切(ふてほど)』、「コンプラ叩き」を賞賛しないと許されないような空気感…そうなんですよ…!なんて言うんでしょう、色々あってようやく形作られてきたコンプラのはずなのに、それを大袈裟すぎwと叩いて笑うのって逆戻り感半端ないというか…徒労感というか…

    どうあがいても楽しい記事にはできなそうだし、ドラマが好きで楽しく見ていた人には申し訳ないな…と躊躇していたのですが、『虎に翼』を見てやはり素晴らしい!こうでなくては!という思いも募っているので、頑張って書きます!ほんとにありがとうございます。aaさんが感じられたことともしかしたら違っても、『虎に翼』にもあったように、違っていてもきっと尊重しあえるような気がするので、ぜひまたコメント頂けたら嬉しいです!

    そして…署名!!ありがとうございます…!!嬉し泣き…(本当…)

  3. あひるちゃんさま
    ご返信ありがとうございます。
    「逆戻り」まさにそれ過ぎます!
    それにしても今の日本でコンプラがなくて得する人なんて、「なんらかの障がいもなく、シスジェンダーで既婚子持ち離婚歴なし、それほど老いぼれてはいない、もちろん性別は男性で高学歴でスポーツもでき、高収入、さらに祖先からずっとの日本人(と信じている人、まあ日本は島国なのでどこかで渡来しているわけですが)、さらにほんのりの加害思考の人」ぐらいだと思いますが、なぜこの属性に属さない人々も他人事のようにコンプラを叩くのかと思います。自分の首を絞める行為では…。しかしこれが権力者(男性優位社会)の価値観を内面化してしまってるってやつなんですかね…。

    ハッ、コメント欄をお借りして長くなりすぎました。
    署名の件もありがとうございます。

    今後の記事も楽しみにしております!!

  4. aaさん
    わかりますすぎる!!!
    今の日本でコンプラがなくて得する人なんて〜のくだりとか!「さらにほんのり加害思考の人」!もう!こんなにまとめてくださったのに私9000字も書いてしまってすいません!

    なぜこの属性に属さない人々も他人事のようにコンプラを叩くのか、これが男性優位社会の価値観を内面化してしまってるというやつか…わかりすぎて!本当に!そうですよね…悲しくなる。だからこそ『虎に翼』のようなドラマと、製作者さんたちのまなざしにも励まされるんですよね。そしてこうして、ネットを介してわかりあえることにも。

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