先ほどの記事↓の続きです。
■2018-06-27 佐々木倫子『チャンネルはそのまま!』ドラマ化!水どう名物D藤村&嬉野、HTB旧社屋で撮影
『チャンネルはそのまま!』ドラマ化記念ということで、せっかくだから佐々木倫子先生のマンガを全作品ご紹介したくなった!
佐々木倫子さんは、先ほども書きましたが、元祖取材系漫画家、と言えるのではないでしょうか。
おそらく一番の有名作『動物のお医者さん』も、北海道大学の獣医学部に対する綿密な取材をもとに描かれていましたが、この作品以降、その手のすごくニッチでマニアックな世界を漫画に描く、という一定のジャンルができた気がします(『もやしもん』やや『銀の匙』など)。
佐々木先生の緻密で丁寧な絵柄も、しっかりとした取材に基づき専門的な題材を詳しく盛り込むという手法と、きっと親和性が高かったのでしょうね。
さらにキャラクター個々もすごく魅力的で、それぞれの絡みも絶妙で。
『動物のお医者さん』以前も以降も、概ね同じような感じで物語が構成されているのですが、どれも面白い!!
舞台が大学の獣医学部だったり、病院だったりレストランだったりテレビ局だったりと多岐に渡りつつ、華々しい目立つ事件を題材として取り上げるわけではなく、ただただその世界の日常を詳しく覗かせてもらえているような、なんでしょうね、「大人の社会科見学」の漫画版、とでも言いましょうか。だって「獣医学部のチップ取り」とか、地味すぎる…だが最高に楽しい。袋に入れるよりこぼす量のほうが多かった女は本当に菱沼か。以前おせちが話題になった時に、レストラン漫画『Heaven?』のおせち作りの場面が出回っていましたが、食材が傷むから大晦日の真夜中に暖房を止め窓を開け放って全員で震えながら流れ作業でお重を詰めていく、とか。その世界での何気ないルーティンや常識がさらっと次々紹介されていて、本当に面白い。
そんな日常の中を、たくさんのキャラクターたちがわいわいドタバタしているのですが、どの作品にも、それなりに深刻な出来事が起こったとしても、どこかとぼけた独特の味があって、その飄々とした雰囲気が佐々木作品の一番の魅力かな、と思います。
それでは新しい順に参りましょう!
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