ドラマ『燕は戻ってこない』最終回まで変わらぬ疾走感!「女はいいよ、女の方が絶対にいい」(ネタバレあり)


<オリジナル・サウンドトラック 燕は戻ってこない[エバン・コール]/楽天>


いや〜〜素晴らしかった…わたくし原作未読勢、最後のリキの選択に震える…そして原作既読友人C美から原作そのまんまと教えてもらってさらに震える。

あと、意外なところがドラマオリジナルと聞いても震える!もう震えっぱなし。きっとマチューくらい震えっぱなし(マチューは主演のゴロ有紀夫妻が飼ってるトイプードル?です)

そんな感想つらつら記です。5800字。

いや〜〜〜、ツイッターでもいろんな人が「登場人物の誰一人として共感できなかったのに無茶苦茶面白かった」と褒めちぎってらっしゃいましたが、ん〜〜すごかった。最後まで1話の衝撃のまんま駆け抜けてくれました私の中を。失速しなかった…いや〜振り回された。面白かった…!

本当に出てくる人みんな身勝手すぎて。約束てか契約破るわ秘密は漏らすわ言うことなすことブレブレだわ。すごいな!?よく成り立つな!?なのに破綻しないのが最高にすごい。さらに嫌な奴がいないんですよね…いやわからんけど。人によるかもだけど感じ方に。みんなそれぞれに必死で考えて、その時々で一生懸命で。

でも一番気の毒だったはずの悠子も、内田有紀さんの美しすぎな佇まいに繊細な演技が素晴らしすぎたせいで、二転三転しまくるブレブレ言動なのに無理もないんや!彼女も被害者なんや!って思わされてしまう…のも途中までで最後は流石に!ちょっとそれはブレすぎでは!?

というか赤ちゃんかわいい、ほんとにかわいいの、って。そらそうやがな。生まれたての赤さんなんて目にしちゃったら欲しくなるに決まってます。彼らはそういう生き物だから。かわいいがお仕事だから。奴ら本気だから。庇護したいィ!!って思わせる天才だから。

それを悠子あなた…育てるって言ったり育てないって言ったりやっぱり育てる!って言ったり花占いか。挙句「基を人間として成長させてくれてありがとう」って言っちゃったり…

えっ私、リキから最初に「他の男とセックスしたんです」って聞いた時の悠子の反応めちゃめちゃ好きだったんですけど!?
悠子「なんでも話して?」
リキ「他の男とセックスしたんです」
悠子「えっ???」

そこまで話せとは言ってないよ!?
めちゃめちゃ大混乱だったやん!!そりゃ大混乱だが。2千万払って夫の子供を妊娠してもらったはずの代理母リキから「別の男とセックスしちゃったから旦那さんの子じゃないかもしれません」て…言われたら…

ほんとマジリキにも呆れたけども。それ言う!?みんな言っていいことと悪いこと、いややっていいことと悪いことの区別なさすぎィ!
リキ「何度もしたので…」
悠子「何度も…」
何度も…!
なんでも話してとは言いましたが!!ごめんなさい嘘でしたこんななんでもが飛び出してくるとは!思いませんでしたアーー!!
しかも!さらに!翌日東京に戻って来てからもう1人別の男性とも朝まで何度も致しましたと。もう嘘ほんとになんでも話してとは言ったけど!言ったけども!悠子ちゃん気を確かに!!

それに関しても、悠子は激怒する基に「リキさんの身体を妊娠しやすい状態にしたのは私たちなのよ!?私たちに責任があるわ」って言うんですよね。あそこすごかった。よくそこまで言えるなあと。確かに排卵誘発剤使わせてたもんね…あれ吐き気や頭痛などの副作用あるんですよね…確かにリキも大変ではあったが。そこへ基が妊娠前の大事な時期に勝手に飛行機に乗るなんて!と長文モラハラメールをしたためまくって(契約としては間違ってないかもしれんがそもそも赤の他人を24時間行動や食べ物まで拘束する契約自体が間違ってるんだって誰か気づいて!)、それにブチギレたリキもたまたま一緒にいた北海道といえばチームナックスの戸次重幸さん史上最低最悪の息をするように不倫する悪びれなさすぎ店長と腹立ち紛れにヤってしまうという。

それを後から聞かされる悠子。リキ「何度もしたので…」悠子「何度も…」(何度も…)結局色々耐えられなくなって(そりゃそうだ…)このプロジェクトから降りると言い出す悠子。でも赤さん見たら可愛さ大爆発してやっぱり育てたい!ってなってしまう悠子。いや…うん…そうだよね…可愛いよ…生まれたての赤さん可愛さの悪魔だもん…もうねえだって…うごうごしてんの。ぱたぱたしてんの。うごうごぱたぱたしてんの。

その魔力に抗えず、やっぱり育てることにしたし、基を人間的に成長させてくれてありがとうって言っちゃうし。りっリキのご乱行をそういうふうに美しくラッピングすることにしたのね!?いやまあそうでもしないとな!?ほんとにな!
そこからの悠子さんは…基のコピーみたいに、影みたいになってしまって、横で微笑んで頷くだけの人になってしまって、ちょっと悲しかったです。ああ、基に反対して、抵抗しようとしていたのに、もうやめてしまったんだな…と…。基を止める人がこれで誰もいなくなってしまったなあ、と思いました。

で。基です。
稲垣吾郎ちゃんの演技が絶賛されていましたね。育ちが良くて上品で優しいのにどこか情緒に欠陥というか死角があって想像力が致命的に欠落している天才万能がゆえのキョトンキャラ演じさせたら天下一品と(みんな褒めてるのに…褒めてるのに…)。いやもちろんそこは論を待たないのですが(ほんとにすごいキョトンでした…)、お腹の中の3Dエコー画像を見て感極まって涙し、自分のDNAを引き継いでいようがいまいが育てる…!と決意するシーン、私はふーんて感じでした。いや演技は素晴らしかったですよ?でもここであそこまでドラマチックに盛り上げられても。今更?こんな粗い画像見ただけで?って思ってしまった。血の色緑でごめんね。

基で言うなら、私はバレエの教え子についてのくだりで、「人は遺伝子の奴隷じゃない」という自分の言葉にハッとするところの方が胸打たれました。母の言いなりだった自分と、故障して踊れなくなった自分と重ねて…だけどこうしてたとえ自分の血の繋がった子供でなくとも、指導することで魂を次世代に引き継ぐことはできるじゃないか、と…。そこで大きく、それこそ人間的に成長できた、かと思いきや基。でも結局「すべてはバレエという芸術のため」という点は変わらなかったのか…まあそりゃそうか…うーん…。

結局基も悠子も、リキのお腹の中で赤ん坊が、人間が、育っている、生まれてくる、ということを、全然わかってないんだなあこの人たち…と。それは他の普通のカップルもそうなのかもしれない。自分だってそうだった。お腹に人間入ってるって、本当の意味ではわかっていなかったんじゃないだろうか。

だからこそそれを、自分のお腹で育てたって実感わかないものを、ましてや札束でぶん殴って他人の女に産ませたら、いかんだろ?グロテスクですよね?ね?お分かりいただけましたか?と突きつけてくるドラマでしたよね〜〜ハイライトなしの黒い瞳の富田靖子さんがうすら笑顔で「話にならん…」つって。怖いようううすいませんしたあああ。いや知ってた!私ドラマ始まる前から反対ですって言ってましたけどここまでとは想像が及んでなかったすいませんでしたあああ。

産んだ後は速やかに母体と引き離すという契約だったのに(にしても仲介業者プランテ仕事してなかったなー!不吉で近未来でアンドロイドみたいなピンクのスーツの朴璐美さんもっと出てきて欲しかった)、それを無視して母乳のためにわざわざ2ヶ月もリキに育てさせるっていうのも酷いわ〜と思いましたよね。マッドマックスか。母乳タンクやんけ。

2ヶ月なんて…可愛い盛りですよ?ちなみに最初の1ヶ月だって可愛い盛りだし、生後半年も9ヶ月も満1歳も2歳も3歳も4歳もエンドレスに可愛い盛りはうなぎのぼりですけども?
そんな可愛い盛りの赤さんに…2ヶ月も乳やってお世話したら…どうなるか草桶夫妻はまったく想像できなかったのかなあー。

そして物語の最後の最後…
そんな可愛い盛りの赤さんの、双子の片方、女の子の方を…連れ去ってしまうリキ!!
エヴァンコール氏の疾走感溢れる劇伴曲をバックに、契約書を勝手に書き換えてしまうリキ!!
どわあああああ!!!
ここで!!
これまでの、えっ!?マジで!!??という契約踏み倒しの特大級のをやらせてしまう!!
確かに!リキはこういう人でしたねー!!!さらっとあっさり契約違反しちゃうパーソン!!
うわーーーー!!
双子にぐりとぐら、と名前をつけて、
ぐらの方を抱っこ紐に入れて、
部屋を後にするリキ…
おおおおおおおお!!!!!

って、思いました!
最後少しの希望に感じたのは、男女の双子の女の子であるぐらの方を選んで、リキが「女はいいよ」と明るく言うところでした。女はいいよ、女の方が絶対にいい、と。
わかる。
以前よしながふみさん対談集や、志村貴子さん『放浪息子』の関連で書いたことがありましたが、10代の頃は男に生まれたかったと思っていた。でも、それは正確な表現ではなかったのだな、とだんだんとわかってきた。そんな思いを、吉野朔実さんが『恋愛的瞬間』の中で見事に言語化してくれたのが、

「女に生まれて良かったと一度も思ったことが無い。

 まして男に生まれたかったとは思わない。

 女で良かった、生まれてきて良かったと、思いたい」

これ!!!
もう、これ!!!
『恋愛的瞬間』4巻発売が1998年6月、私は22歳で、大学の構内でこれを読んでぼたぼたぼたぼた泣いたのを覚えています。女に生まれて良かったと一度も思ったことが無い。それはなぜか。日常的に、性的な脅威にあまりにも晒されているから。まして男に生まれたかったとは思わない。加害をする醜悪な側に誰がなりたいと望むだろう。たとえ自分があちらに逃げたとしても、女性が脅威と不自由に晒され続ける現状は何も変わらない。ただ免除されている側が羨ましかっただけで、他に表現を知らなかっただけ。女で良かった、生まれてきて良かったと、思いたい。これが本当の自分の望みだったのだ。生まれてきて良かったと思いたい。初めて言葉にして提示してもらえた。

女はいいよ、女の方が絶対にいい、というリキの独白、いや、娘ぐらへの語りかけを聞いて、久しぶりに吉野朔実さんの一節に触れた瞬間の自分の心の動きを鮮明に思い出しました。当時の私は、「女はいいよ、女の方が絶対にいい」とまでは思えなかった。ただ「私は男になりたかったわけじゃない、女として被る、被らされる様々な不具合、不都合、不自由が嫌だった、我慢ならなかっただけだったのだ」と気づくことができた。

でも今はそういえば、「女でいるのが嫌だ」とは思わなくなっているな、とも思いました。なぜなら間違っているのは私たちではないとわかったから。世界の方が間違っている。女でいることを呪いたくなるような、圧力を与える世の中が間違っているから。男になって他者の痛みに鈍いままでいるのはもう怖い。女の方が絶対にいい。

リキも、物語の初めでは「一度くらい女で得したって思いたいじゃん?」と友人の女の子が言っていたように、女であることを損だと感じ、現状から何とか抜け出したいともがいている人だった。その後はあれよあれよと流されるままに衝動的な行動を取って、最後の双子の片方だけを奪って逃走するという行動も、決して正しくはない。契約違反だし、身勝手で、子供のためを思っているとか、そういうことでは全然ない。そもそもこの物語に出てくる大人が誰も子供のことを、子供の長く続く人生について考えていない。自分のことしか考えていない。

それでも、綺麗事ばかり並べて最後まで子供の人生も代理母の心情も体調も思いやることがなかった草桶夫婦に対して(悠子だけは途中まで必死にリキのことを考えて頑張っていたのに子供を見た途端放棄してしまった)、リキは最後まで、代理母を引き受けた人間としての感情を隠さず、生々しく伝え続けた。こんなに痛いと思わなかった、正直言って代わりにお腹を切って欲しいくらいだ、と。

にも関わらず、その再三の訴えを無視して、規約も無視して出産後ただちに母子を引き離すことをせず、2ヶ月も授乳させる選択をしたのは草桶夫婦だし、結果的に、リキはその2ヶ月で情が湧いたのか独占欲が芽生えたのか、謝礼金だけでは割りに合わないと感じたのか、とにかく娘の方を連れて出ていくという決断をしてしまった。

どれもこれもが全員の自業自得というか…木曜洋画劇場風に朴璐美さんから「あなたの心には何が残りましたか?」と涼やかに問いかけられたら「はい!代理出産はやっちゃダメだと思いました!」と元気いっぱい答えるしかないような読後感…いや視聴感想…。そんな中でも唯一良かったのは、リキが「女はいいよ、女の方が絶対にいい」と思えるようになったことだな、と思いました。たくましくて、ふてぶてしい。

沖縄のセラピの元で、数年後にはもう何人か産みながら、浮気されたりしたりしながらわちゃわちゃ子育てするのもいいだろうし(良くない部分がちらほらあるな!?)、北海道の地元に戻って「離婚しちゃったー!」なんて言いながら両親の手を借りつつ昔の同僚や同級生といちゃこらありつつわちゃわちゃ過ごして、たくましく生きて行って欲しいな、と思うけれど…リキの人生はそれでいいだろうけどぐらは大丈夫かとっても心配…もちろんぐりも心配…だってバレエ英才教育が待ってる…合えばいいけど合わないとつらすぎる…。

いや、ぐりはともかく(ともかくか…)ぐらの方は、なんとなくどこへ行ってもたくましくやっていけそうな気がする。勝手な願望かもしれないけど。中島みゆき様も『EAST ASIA』で歌っているように、どこにでも住む鳩のように地を這いながら、どこにでもゆく柳絮(りゅうじょ、やなぎの種子の綿毛が飛び散るさま)に姿を変えてどんな大地でもきっと生きてくゆくことができる。女はいいよ、女の方が絶対にいい。

という、感想でした!

(追記)
そうだ!いっこ書き忘れてた、沖縄セラピがやたらイったのイカせられなかっただの次は絶対イカせる!だのこだわってたのがね、嫌でしたね!最高に腹立ったしイラついた。お前プロじゃねえな。あんなクソくだらないことにこだわって往来で大声で叫ばれたら2度と会わないし店に苦情入れるレベルで最低。いくかいかないかにやたら固執するのほんと男の身勝手なセックスって感じで最悪です。どうでもいい。(追記以上)

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EAST ASIA [ 中島みゆき ]


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“ドラマ『燕は戻ってこない』最終回まで変わらぬ疾走感!「女はいいよ、女の方が絶対にいい」(ネタバレあり)” への4件の返信

  1. やっと見終わりましたので、拝読しました!
    まじでほんとにみんな勝手なことばっかり言うのにイマイチ嫌いになれないという不思議なキャラクターたちでした。最後のリキの選択も「まあ…そうするよなあ」ってなりましたし。
    なんていうか共感はできないけど理解は辛うじてできるというか…。いっそ一周回ってお母さん(黒木さん)が「罪悪感」などをちゃんと自覚して言語化してて、人らしい感情の片鱗があるんだな…という謎な気持ちになりました(あくまで共感はできませんが)。
    最終回に向かってだんだん悠子が美しく静かに暴力的に無礼を連発するところに、そこまでさせてしまう赤ちゃんの誕生って…と恐ろしくもなったり。
    結論として「はい!代理出産はやっちゃダメだと思いました!」
    これに尽きますね。なんとなく分かった風になってた「倫理的にダメな理由」がよく分かりました。
    いやー、いいドラマでした。原作もぜひ読みたいです。

  2. この記事読んで、すごく腑に落ちた事があったんですけど、うまく言語化できなくて。
    漸く少しまとまったのでコメントさせていただきますね。
    このドラマ、土曜パークか何かで知って、夜中の再放送を経て完走したんですけど、いやはや凄かった。
    桐野夏生さんといえば、女性が置かれた状況を的確に容赦なく描く作家さんですが、相変わらず裏切らないですね。
    悪趣味だ、グロテスクだという人もいますが、これは全て女性が生きていれば被らざるを得ない理不尽で、ただの現実でしかない。
    目をそらして生きられる、もしくは生きるしかない人が、眉をひそめて遠ざけているという気がします。
    私、リキの「女はいいよ、女の方が絶対いい」という言葉がずっと引っかかって、何でそういう言葉が出たのか理解できなかったんですよ。
    だけど、あひるさんが紹介してくださった吉野朔美さんの言葉を読んで、私の中で漸くリキを理解…いや、違うな、最初から最後まで理解できなかったし、共感もできなかったんですけど、そう、少し「そういう事かもしれない」と思えるようになったというか。
    女でよかった、生まれてきてよかったと思いたい、うん、ほんとそうだ。
    いろんな事が自分の中で腑に落ちたというか、ゆっくり形を成してきたような感覚でした。
    ありがとうございます。
    時間かかった割に、まとまりなくてすみません(長いし)

  3. シベリアさん
    おおー、ありがとうございます!いやほんと!イマイチ嫌いになれないという不思議なキャラクターたち…ほんとに!
    そうなんですよ、最後のリキの選択も「まあ…そうするよなあ」なんですよね!ヨッシャよくやったー!ではない…全然ナイ…

    一周回って黒木瞳ママンが一番人間的では…という謎な気持ち、超わかる!!今一番気の毒なの彼女ですよね!色々問題はある人だけど、血縁重視のために2千万も出してるのに血縁がないかもしれない事実を知らされてないという…。

    だんだん悠子が美しく静かに暴力的に無礼を連発するところ…ほんと…ほんとですよね…
    そこまでさせてしまう赤ちゃんの誕生って…うーん、最近ちょっとツイッターで話題になっている、「子供を持つことのメリットとは」みたいな議題にも通じる気がしますね。
    悠子はきっと、代理母なんかじゃなく、養子縁組で赤ちゃんを譲り受けても同じように「赤ちゃんかわいい…すごくかわいいの…」ってなっただろうにな…それなら問題なかったんじゃないかなあ…どうだろう…。

    いやほんと、考えさせられるドラマでしたね!!

  4. k.satさん
    おー!ご覧になりましたか!感想嬉しいです!
    吉野朔実さんのくだりは、話がずれるからまるっと削除しようかと迷った箇所なので、残した甲斐がありました!

    ここに描かれたグロテスクで悪趣味なことが、全て女性にとってはただの現実でしかない。まさしく…。
    目をそらして生きられる、もしくは生きるしかない人が、突きつけないで欲しい、と遠ざけたくなる気持ちもわかるけれど…遠ざけて先送りにして、次の世代を苦しめるのはもう止めにしたいんですよね。だからなんとか打破したくて、目を凝らすしかない。

    リキは、最初は貧困を理由に、人権を蹂躙される形ではあるけれど、妊娠出産という強烈な体験を通り抜けることによって、ようやく「女はいいよ、女の方が絶対にいい」と、自分を認めて受け入れる、祝福することができるようになった、ということなのかな、と、個人的な解釈ですが思いました。それが代理母という不均衡の中で…というのが皮肉だな…と。さらに男女の双子を産むのもとんでもなく象徴的で、挙句女の子の方を契約無視で奪って去る、という…。なんでしょう、結局身勝手なんですよね。勝手をすることすらできなかった最初に比べたら、自由を手に入れた…ということなのかな…

    男の子の方は、無理矢理与えられた役割(バレエダンサーになる)の中に置き去りにされてしまう…というのも痛烈…。男性性の不自由さ、逃げ場の無さ。
    いや〜ほんと、混乱するドラマでしたよね!!でもすごく、作り手の覚悟、強い意志を感じました。

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