あの、のぶみさんの絵本とか歌詞の件では、強い口調で独善的なことを言いすぎたな…と反省しております…ご気分を害した人がいらしたら申し訳ありません。
もうちょっとマイルドに書き直したいとか、もう少し追加であれこれ考えたことを書きたい、と思っていたんですけど何をどう書いたらいいか沼にはまってこねくり回しているうちに時間ばかり経ってしまっているのでその前に、ドラマの勢いに乗って不妊治療のことを書き始めてしまおうかと思います。
また重めの話が続いてすみません。重いなーって方は、軽めのも書いたのでこちらをどうぞ。
■February 15, 2018 [不妊治療あるある] ドラマ『隣の家族は青く見える』で、夫の精子を胸に入れて運んでいた深キョンに自分を重ねる
ーーーー
周りで評判が良かったから4話から見てみた、ドラマ『隣の家族は青く見える』、なにこれ超がんばっとる~。不妊治療経験者としては超あるあるでした~。
そうなんだよねえ、タイミングでできなくて人工授精に「ステップアップ」する時、さらにそこから体外受精にステップアップする時ってショックなんですよねえ。生理がくることをね、「リセット」って呼ぶのよね。リセットするたびに絶望的な気持ちになるんですよねえ。
でも女性の身体って本っ当にうまくできていて、リセット、とはよく言ったもので、一度しゃっきりと仕切り直したようになるんですよね、いろんな数値が。面白いなあ~、と通院しながら思っていました。そういう体内のホルモンバランス周期に、月1ペースで、妊娠すると十月十日ペースで、産後も産褥期やら授乳中やらそれぞれの段階で、自分の意思とは無関係なものに引っ張られるようにして過ごすしかない女性という性、について、思いを馳せざるをえない期間でございました。不妊期間中、そして妊娠出産、幼児を育てている今も。
ただ、見ていて思ったのは、ドラマでは3話までの間に色々検査したようだけれど、病院によっては無駄に時間とお金だけかけさせるところもあるので、これから通う人は注意してほしいなーと。
以下、いつか書きたいなーと思っていた、不妊治療の病院、クリニック選びについて、自分が経験したことです。
私も最初に通ったところは今思えばいまいちなクリニックで、なんの検査もせずとりあえずタイミング半年、その後人工授精数ヶ月、それでダメなら体外受精、というベルトコンベア方式?というか、なんだか流れ作業っぽかった。何しろ初めてだからこんなもんなのかな?と疑問を持たずに通ってしまったのですが、そこで半年あまりを無駄にしました。
患者それぞれの体質や原因をまずしっかり調べて、向いている治療法を検討する、という感じじゃなかった。
病院を替えて精密検査をしたら、私の場合はかなり妊娠しづらい体質だからタイミングや人工授精では妊娠確率は上がらない、一足飛びに体外受精をおすすめします、と言われて呆然でした。
…と書いていてちょっと思ったけれど、文脈とか流れによってはいきなり高度医療を勧める病院なんて金儲け主義、みたいに不信感を抱いてしまう人もいるかもしれないのですが、私はそれまでの経緯もあって色々納得いったので、むしろ最初の病院なんだったんだよとあっちに不信感でした。お金、は正直タイミングと人工授精ならそれほどはかからなかったけれど、30代中盤の何よりも貴重な時間を返せと。病院はもっと真剣に取り組んでほしい。まさか無意味なことをだらだらさせる病院があるなんて思わないじゃない。
あとドラマでも言っていたけれど、なんでも自然を礼賛する考え方ってあって、不妊治療業界にもそれはあるんですよね。受ける患者さんも、「不妊治療はするけれどできるだけ自然な方法で」と求める人もいる。だから病院も「極力ケミカルに頼らない方針です」というところもある。それはどちらでも良いのだと思います。自分たち夫婦でよく話し合って、考え方に合う病院を選ぶことが大事かと。
私も最初に治療に通い始めた頃は、タイミングの時は「人工授精まではしたくないな」、人工授精の時は「体外受精まではしたくないな」と思っていました。(結果的には体外受精で授かって出産できたんですけど)
でもその後、体外受精にステップアップする前の段階で、本当にそこまでするのか…?と悩んで、数ヶ月治療を休んで考えたことがありました。検査のために行った2軒目の病院でも、「この数値でも二回妊娠しているならまだ自然妊娠の可能性もあるから、半年か一年くらい待ってみては」と言われたこともあり。当時まもなく37歳になる、という頃でした。
できるだけ自然に授かりたい、という気持ちもありました。色んなことが不安だった。
ただ、ここで自然妊娠にこだわって半年一年費やすと、自分は38歳、39歳になってしまう。あっという間に40歳。そうすると、体外受精の成功率もどんどん下がる(体外受精ですら、成功率は30代後半で3割、40歳からは1割未満と言われています。うなるほどお金がかかる割に低くてびっくりです)。
そうなった時、「どうして37歳のあの時点で始めておかなかったんだろう」「あの時始めていれば成功したかもしれないのに」と後悔するだろうな、と思ったのです。
そう思ったら、わざわざ待つ理由がなくなった。一刻も早く。可能性を少しでも高く。と、腹をくくることができました。妊娠だけにね!腹を使うだけに!腹をくくる!っていうね!(す、すいません。色々すいません)
なので、色々調べて3軒目のクリニックを探すことにしまして。
(ちょっとね…2軒目の病院で最低最悪のセクハラドクハラ発言をされてね…?ふふ、一生忘れないよ?そのうち書くよ…?)
どうせやるなら「不妊治療だけどできるだけ自然に」じゃなく、現時点でのフルスペック治療、科学の力の恩恵がっつり受けたるで!と思って、最先端医療を駆使してくれる方針のクリニックに通うことにしたのでした。
3軒目のそこでは、初診の時に院長先生が「37歳というのは年齢的にも決して若いとは言えないし、過去二回の流産も、AMHの数値が低いことと無関係とは言えないと思う。今日からホルモン剤を飲んで生理を前倒しにして、二週間後には治療を開始できるようにしましょう」と言ってくれて、なんというか、悲観的な内容を告げられているとも言えるのだけれど、私はすごくホッとして、この先生なら信頼できる、と思うことができたのでした。
そういう、先生や病院との相性もとてもとても大事だと思います。
「今日からさっそく薬飲みましょう」と言われて、私はぜひお願いします!と前のめりだったけれど、なるべく自然にやりたいと思っている人だったら抵抗を感じたかもしれないし、逆に「なるべく自然に任せて、うちの方針では次の周期を待ってもらいます」と言われたら私はそんな悠長な…と焦ったと思う。もうね、子供を望んでいる身としてはその2週間が待てないの。今月リセットしたらまた1ヶ月待たなければならない、それが苦しいの。じりじりと焦るものなのです。私の場合特に、1軒目2軒目で「36歳、37歳ならまだ若いから」「二度の流産といっても初期ならよくあることだから流産に数えないでいい」と言われて、こちらが申し出ても検査をしてくれなかったり、放置されている感じだったので。
ああ3軒目の先生は、ちゃんとこちらの焦りをわかってくれている、二度の流産や年齢に対して、きちんと危機感を持って対処してくれるつもりなんだ、とわかって、すごく安心できたのでした。
病院を替える、ってかなり億劫なものですが、不安があるなら質問したり、思い切って自分にあったところを探し始めたり、そうやって、自分が納得できるところに通う、ということも重要だったな、と振り返って思っています。
だってもう、ネット上で見かけた言葉ですが「不妊治療はガチャ」っていう。超有料課金ガチャ。言い得て妙!!
どれだけ考えて納得して信頼のおける病院を選んで、大枚つぎ込んだとしても、だから妊娠するとは全然限らない。そこもガチャ。ギャンブルですよね。
私はただただ運、確率だと思っています。努力とか心構えとかじゃない。願えば叶うもんでもない。
だからこそ、人事を尽くす。
少しでも不安や不満があるならしっかりとそこを掘り下げて、「ここに通ってダメだったら諦めもつく」と思えるところで時間とお金と、自分の肉体を費やす。そういう覚悟が必要だなあと思いました。
今治療に通っている人、病院を探している人は、良いところが見つかるといいですね。
人気のあるところは、そもそも初診を受け付けていなかったり、初診まで2ヶ月待ち!なんていうところもあるので、早め早めに動くのも大事。すぐさま通いたいのに予約が取れないとまた焦るんですよね。
体外受精にトライすることに決めてからのある日、妊娠した後だったかな?出産後だったかも?あれこれ検索している時に、やっぱり「体外受精まではしたくなくて」みたいにネットで言っている人がいて、反射的に「悪かったねそこまでやってて」と、ケッ、と思ってしまってから、ああ私も思ってたなあ、と。でも既にそれをやっている人にしてみればこんなふうに、何だか傷つく言い方だったんだなあ、と気付いて反省したり。そんなこともありました。なんだっていいんですよね、どんな方法で妊娠しようが分娩しようが。大事なのはそこじゃなくて。
自分にとっては、本当に、不妊治療、不妊期間というのは得難い経験になりました。苦労なく授かっていたらきっとわからないままだった多くのことを学ぶことができた。
結果的に授かったのももちろん有り難かったけれど、子供とは別の成果物をたくさんもらえて、それは子供のいない人生を送ることになっていたとしても、自分の中に残っただろうと思っています。今努力している人たちの元にも、有形無形のギフトが届きますように。
ーーーーーー
ちょっと似たテーマで真面目に書いた記事。
■ December 01, 2017 『コウノドリ』子宮摘出の回と、P&Gの「お母さんありがとう」CMに思う
松山ケンイチくんでハッスルした記事。これ並べていいのか?
■March 28, 2009 『人のセックスを笑うな』のポスターを見ていたらとんでもないものを発見してしまった。どうしよう。
■November 08, 2007 松山ケンイチくんが可愛すぎて観たい、映画『人のセックスを笑うな』
ーーーーーー
(その後追記:ドラマについての続き記事)
■2018-02-15 [真面目に] [不妊治療あるある] ドラマ『隣の家族は青く見える』で、夫の精子を胸元に入れて運んでいた深キョンに自分を重ねる
■2018-03-10 [真面目に] ドラマ『隣の家族は青く見える』、体外受精1回目にトライする回に号泣。そしてあんなお姑さんになりたい。
■2018-03-26 [真面目に] ドラマ『隣の家族は青く見える』最終回、子供がいる人生も、いない人生でも [生殖医療]
ーーーーーーー
な!?ドジっ子深キョンがドS上司ディーンフジオカにいびられる…だと…!?ドS上司ディーンフジオカ…!?ドS上司ディーンフジオカ…(3回も言うなよ)
松ケンくんといえば私にとってはこれ。
うさぎドロップもやってたなあそういえば!