うちの子幼稚園児、バレンタインデーにチョコもらえなくて泣く。滅びろ!バレンタインデー!



昨日はバレンタインデーでしたね。
うちの子タローもうすぐ5歳、幼稚園の年中さんがですね、帰宅して玄関に着くなり、「母ちゃん…?」と。
見ればこんな→(´・ω・`)顔文字みたいなショボーンな瞳で見上げてくるではありませんか。な、なになに?どしたん?

TR「あのね、今日ね、みんなチョコあげたりもらったりしてたんだけどね、僕だけもらえなかったんだ…(´;ω;`)」

な、ナニイ!?

う、うちの子非モテ…隠キャ…!?いや知ってたけど!モテ男ではないけども!明らかに理系朴念仁系だけれども!
しかしタローだけ蚊帳の外とは聞き捨てならないわ!?う、うちの子お友達いないの!?大丈夫!?

と、いろんなものが駆け巡りましたが。
え、かえちゃん(仮名)は?みおちゃん(仮名)は??みおちゃんは最近超仲良しで行事のたびに隣に座るんだーって約束してたり「だいすき」って書いた手紙をお互い交換してたりラッブラブじゃないの!と思っていたら数日前かえちゃんのママから「ねえねえ…うちの子がタロちゃんにチョコあげたいっていうからさ、もらってやってくれる〜?」と言われてええっみおちゃん本命かと思ったら完全ノーマークのかえちゃん大外からアンブッシュ!?スナイパー!?とドギマギしてたら「タロちゃんとたいくん(仮名)ととしくん(仮名)にあげるって」あ、そうですか大勢の一人でしたか。かえちゃん行事はとことん楽しむタイプねいいよいいよー本人には内緒にしとくね、とそんな会話を交わしていた矢先の当日ですよ。ふ二人はどうしてたの??

とつい聞いたら、みおちゃんはなんにも持ってきてなかった、かえちゃんは今日お休みだったと。お休みだったか〜!
さらによくよく聞いたらみんなもらってたというほどではなく、タローが目撃したのはたいくんとぎんくん(仮名)だけらしい。なんだ2人じゃん。

TR「僕ね、チョコもらってきたら母ちゃんが怒ると思ってね…」

えっ怒らないよ!?あっいつも虫歯になるからよくないよって言ってるから!?えっまさか、くれるって言うのを断ったとか…!?ひーどうしよう女の子絶対傷ついてるよ!!だっ誰がくれようとしたの!?!?今すぐママさんに連絡して明日持ってきてって言わなきゃ…!
とあわあわしてたら、

TR「チョコもらっちゃったら母ちゃん怒るかなってドキドキしてたんだけど、誰もくれなかったんだ…(´;ω;`)」

ナニソレ超切ねえ!!!
え、どうしようチョコなんか母ちゃんに怒られちゃうよ参ったなぁ、ってドキドキ期待してたのに結局誰もくれなかったってこと!?

TR「(´;ω;`)」

めっさかわいそう!!
めっさかわいそう!!
うちの子泣いとるがな!!(注:本当)

オットにも話したら、単にお菓子もらえなくて悲しかっただけじゃないの?と言ってましたが、いや〜どうもそれだけじゃなく、「他の子はもらえたのに自分はもらえなかった…」という明確な線引きや失望感もしっかり感じてたっぽいよ。

さあ深呼吸(すー)
おのれお菓子業界の陰謀め!!くだらぬ風習をでっちあげてうちの子を悲しませおって!!許さん!!
よしタロー、今すぐチョコ買いに行くぞ!!母ちゃんが買ったる!!40秒で支度しな!!
今日はチョコをもらえたりもらえなかったりする他人任せの日じゃない、美味しくて可愛いチョコを自分で買いに行く!俺の日だ!!

と、玄関先で雄々しく踵を返し、近所で一番大きな商業ビルまでずんずん行ってチョコ特設コーナーでとびっきり可愛いチョコ(でも500円前後ね、と低めの予算設定)買って帰ってきました。
結局売り上げに貢献しちゃってる感。ぐぬぬ。

いやでもほんとに、男児ができて初めて気づきましたが、これはなんと残酷なイベントなのでしょう。
女子にとっては単に自己満足な、年に数あるイベントの一つに過ぎないのに、男子にとっては異性から明確かつ一方的に値踏みされ、それがあられもなく発表、可視化されてしまうという公開処刑デーでしかない。なんと無礼で迷惑な。

OT「それにもっと年頃になると、好きな女の子がチョコくれなかったとか、好きな女の子が別の男の子にチョコあげてたとか」

ああああ!!つらーー!!つんらーー!!
そんなの見たくない!!知りたくない!!
ほんと余計なイベントだよ!!
なんて無神経で残酷な!!

何年か前にですね、ネットで見かけたお菓子業界のお偉いさん3人くらいの対談でね、「バレンタインデーの仕掛け人に聞く」みたいな。大企業のおじさまたちがバリバリ現役だった数十年前当時を振り返って「冬はチョコの売り上げが落ちるから何とかならないかと頭を絞って、ちょうど外国でプレゼントを贈り合うイベントがあるらしいからこれを日本では女性から男性にチョコを贈る日と宣伝したらどうだろう、とやってみたら見事に当たって」みたいなことを朗らかに語り合ってらして。え、そんな重大ネタバレみたいなことをさらっと爽やかに語っちゃっていいの?ラムネのキャラのようにシュワっと爽やかに?バレンタインデーにチョコなんてたかだか数十年前に売り上げ不振を打開するために企業マンがでっちあげただけの歴史も伝統もなんにもないものだってバラしていいの?と戸惑ったものですが。

おっさんたち!!売り上げのために自分の同胞を、かつて自分たちもそうだったはずのいたいけな少年たちのナイーブでセンシティブな心を売り渡してすり潰すとは!悪魔の所行か!資本主義の亡者め!
言い過ぎですけど。なんと有能でしょう。おかげで今や全国すっかりチョッコチョコにしてやられている2月です。チョコ好きには嬉しいんですけど。

チョコを買いに闊歩する道すがら、私はタローに言いました。いいかマイサン、バレンタインデーは美味しくて可愛いチョコレートがたくさん売られて、あちこちで手軽に買えるステキな日だ。だから、誰かからもらえるかなもらえないかな、って一喜一憂しながら待つんじゃなく、自分で美味しいチョコを買いに行けばいいんだよ。

TR「いっきいちゆうって?」

ひとつのことに、喜んだり悲しんだり、こう(手を上下に)浮き沈みして、気持ちを振り回されること。
この先この苛酷な祭りは毎年やってくるんだ。今後始まる長い就学期間、小中高、大学まで含めると15年は続くんだぞ、そのたびにそんなふうに悲しんで傷ついてしていたら身がもたないじゃないか。人から褒められるとか褒められないとか、外からの評価に惑わされずに、自分で考えて自分で動くんだよ。

それにね、バレンタインのチョコに限らず、他の人はもらえるのに、自分はもらえない、そういうことはよくあることなの。他の人は持っているのに自分は持っていない、それは普通のことなんだよ。逆に、他の人は持ってないのにあなたにだけある、そういうものもたくさんあるはずで、それも普通のことなんだ。だからいちいち人と比べてもあんまり意味はないと母ちゃんは思う。みんな違うものを持っていたり、持っていなかったりする。そういうものだしそれで良い、ましてチョコなんて自分で買えるんだ。

もしもこの先誰かがあなたにチョコをくれたら、それはたぶんあなたを好きだと思ってくれているってことだから、その気持ちと一緒にありがたく受け取ればいい。だけど誰もくれなかったとしても、誰もあなたを好きじゃない、ということにはならない。それとこれとは別のお話なんだ。母ちゃんは父ちゃんのこと好きだけど父ちゃんに別にチョコあげてないし。

TR「なんで?」

めんどくさいからだ(身も蓋も趣もなし)。たまに雑なのあげてるけど。それに父ちゃんチョコそんなに好きじゃないしね。
だからチョコをもらえるかもらえないかでは、好きとかそうじゃないとかっていう人の気持ちを測ることはできないんだ。いろんな表現の仕方、いろんな伝え方があるんだよ。
それでも誰もくれなくて寂しいなら、これから毎年母ちゃんがチョコ買ってやる。なんなら作ったっていい。

TR「チョコ作れるの!?」

おうともよ。生チョコなんて簡単だよ。大失敗したって大丈夫だし。母ちゃん長年のチョコ好きとネットまとめ買い好きが高じて高級チョコヴァローナを雑に業務買いして常備してるからな、そんじょそこらの小娘には太刀打ちできないプロの味の生チョコ作ってやんよ。まかしとけ!

TR「母ちゃん、僕がいない時にチョコ食べてるの」

えっあっいやその、げふんがふん。たたタロさんと一緒にたまに食べてるでしょ?それそれ。あれあれ。

と墓穴を掘ったりもしつつ、バレンタインという行事にひとしきり憤っておりましたら。
友人が「自意識の知覚過敏」というフレーズを引用しながらこんな記事を教えてくれました。自意識の知覚過敏!言い得て妙!
どうぞぜひ全文と、掲載されている漫画もあわせてご覧ください。

シャープさんの作品:「万が一」に苛まれ「もしかして」に支配される日に、さようなら。 | お題 #バレンタインの黒歴史 #withnews | コルクBooks

みなさん正気を保っていますか、@SHARP_JP です。なんの因果か、この文章が掲載されるのがまさに2月14日、そうバレンタイン。おもに日本において、ヒューマンであるところのオスが自意識を知覚過敏にする日として広く知られています。

選ばれたり選ばれなかったり、選んだり選ばなかったりは、生きる中でつきないことです。けれどそれはあくまで私と相手の間のことで、そのパーソナルな結果が可視化されてしまうのは、やっぱり少し残酷じゃないか。


ほんこれ!!!!
ほんこれ!!!!
ほんとうにこれ!!!!
シャープさん言ってくれた!目の付け所がシャープやわ!
本当にその通りだと思います。

私だって母ちゃんがチョコ買ってやったところでうちの子のこの行事に感じてしまう種類の寂しさを埋められるなんて思っちゃいません。でもそれは誰にでもあいている穴なの。誰かに埋めてもらうことはできないの。自分で埋めるしかないんだよ。
それをね、勘違いさせるようなこの。女の子のチョコでは埋められないものを、もらえないことで穴の存在を顕在化させるだけさせて、もらえれば埋まるかのようにミスリードさせて。なんてことだ。

いやあほんと酷いです。男子たち、殿方がた、あんなものは跳ね除けて胸を張ってください。女子たち、君たちの可愛らしい恋心とちまちましたラッピング好き精神を放出するのに何もこの2月14日を待つ必要はないのだ。いつでもオーケーだ!飛びかかれ!365日!

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関連リンク
あのおじさま対談、たまに思い出すたびに検索するのですが元ネタ見つからず。
でもこういうのは見つけました。
読みやすくまとめられたもの。

【仕掛人は誰?】バレンタインデーでチョコを贈る日本のビジネス。No Internet, No Life

こちらは上とほぼ同内容ですが、各企業の担当者さんへの直接のインタビュー。日本におけるお菓子業界の奮闘の歴史が感じられてなかなか興味深かったです。特に最後のページを引用。

日本独自の「バレンタインにはチョコ」、なぜ広まった?森永、メリー、モロゾフを直撃!|ビジネスジャーナル スマホ

日本式バレンタインデーの風習が広まったのは「菓子業界の陰謀」などという見方も生まれているわけだが、こうした声を各社はどう受け止めているのだろうか。

「チョコは熱に弱いため、常温で保管できる冬が一番おいしく食べられる季節だと思いますし、バレンタインシーズンには生チョコなど、口溶けが優れた商品も増えます。バレンタインデーについては、あまり『義務』や『義理』などと捉えずに、普段は面と向かって言えない愛情や感謝の気持ちを、自分が好きなチョコに乗せて伝えるきっかけにしていただけたら幸いです」(森永製菓広報)

「まさか、バレンタインデーがここまで大規模になるとは、誰も想像していなかったでしょう。弊社は戦後間もない頃に『品質のいいチョコレートをつくりたい』という思いで創業し、本物のおいしさを求めてきました。それを知っていただくためにフェアを始めたこともあるので、『陰謀』とか、そういうことではなく、みなさんにチョコの味わいそのものを楽しんでいただけるイベントになってほしいと思っています」(メリーチョコレート広報部)

「弊社が1932年にバレンタインチョコを発売してから、今年で85周年です。バレンタインデーは現在、『男女を問わず、身近な親しい人にチョコを通じて感謝の気持ちを伝える日』、そして『自分自身でいろいろなチョコを楽しむ日』として特別な1日となっています。これからも、『チョコを通じて人と人との心の絆をつなぐ、愛に満ちた日』として、発展してほしいと願っております」(モロゾフ広報担当)

 各社の回答からは、チョコに対する純粋な思いやこだわりが感じられた。消費者としては、「業界やメーカーの陰謀」などといった斜にかまえた見方はせずに、日本式バレンタインデーを素直に楽しむのがいいのかもしれない。


第4のチョコ、って少し前にも流行りましたけど、今年はピンク色のルビーチョコなんてのも。
【食レポ】注目の第4のチョコ?ルビーチョコレートってどんな味?どこで食べれる? | ショコラナビ

ネット騒がす2つの“第4のチョコ” ルビーとブロンド – 日経トレンディネット

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なにこれかわいい!!!



つい小ネタをちりばめました。ラピュタはともかく「俺の日だ!」に反応してくださったお友達、(無言の握手)

天空の城ラピュタ [DVD]
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
2014-07-16




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