京アニ事件について海原純子先生「メディアは報道を見る人たちや取材を受ける人たちの心を想像して」

京アニ事件 報道を見るとつらい、苦しい人の心のケア(海原純子) – 個人 – Yahoo!ニュース

取材される人たちの心のケア

さてもう一つ気になるのはメディアの持つこうした潜在的な力と関連して、関係者に報道の暴力性についても改めて認識してほしいと思う。

真実を伝えるのが報道だという点に異論はない。ただ毎回事件が起きるたび被害者や被害者の家族、親しい方に向けるマイクがどのような影響を与えるかについて配慮しつつ取材をしていただきたい。
事件直後はまだ当事者はことを受け入れられず現実感のないままに取材に応じている可能性がある。また今回、取材を受けてインタビューに応じている方が、涙をのみこみ感情をおさえながらお話しなさっているのが気になった。
(中略)
当事者が自らの意思で語りたいときに語る場を提供することが本来であり、当事者が混乱し心の整理がつかない状況の中でマイクを向ける行為は時には精神的な「暴力」になる。事件が報道されることで支援が広がることは事実だろう。それゆえにメディアには、報道を見る人たちや取材を受ける人たちの心を想像し、共感と支援につながるように報道する姿勢を望みたいと思う。


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