今年の終わりの月のはじまりにふさわしいのかどうかよくかわんないですが、最近知ってびっくりしたこと。
友人が、寺山修司の舞台を観に行ったと話してくれた時のことです。もうわけわかんなかった!意味わかんなかった!でも面白かった!と、どのように意味わかんなかったかの例として舞台上のセリフをいくつか交えながら話してくれたのですが、
「突然『もしかするとあなたは僕のお母さんではありませんか!?』とか言ってて、もう意味わかんない」
そ、それはもしかすると、ねじ式のセリフではありませんか!?
寺山修司がつげ義春リスペクト!?とびっくりしたのですが、調べてみたらどうも逆みたいです。
イシャはどこだ!も寺山修司か。
■ねじ式の「イシャはどこだ」は寺山修司が元ネタか – バレエイメージ研究所日誌
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つい先日、寺山修司の詩集をぱらぱらと見ていたとき、「ロング・グッドバイ」という詩の中にこのような一節があった。“休息するのには駅が必要だ だが どこにも駅はなかった
「つまりあなたは こう訊きたいのですね 駅はどこだ、と」
どこだ どこだ 新しい駅はどこだ、と。”※「日本の詩集19 寺山修司詩集」(角川書店,初版1973年)より
あれっ、とこれを見た瞬間思った。これは「ねじ式」のあのノリではないか、と。ちなみに『駅はどこだ』の部分はわざわざゴシック体になっている。
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こちらのリンク先によると、寺山修司「ロング・グッドバイ」が発表されたのは1966年、「ねじ式」発表が1968年。ということは、ねじ式の方が寺山修司へのオマージュ、パロディ、リスペクトと考えるのが自然でしょうか。
さらにこんな記事も発見。
■ゲームねじ式に関する一考察
「あなたはかつて、あのつげ義春原作「ネジ式」が映画化どころかパソコン用ゲーム化されていたのをご存じだろうか。」と冒頭で問いかけられ、思わず知りませんでした!と叫んでしまいましたが、
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ところで、当時、このゲーム作品に触れた時には気付かなかったのであるが、
今改めて眺めてみるとあることに気付かされる。
強引な意見と失笑を買うかもしれないが、寺山修司作品との共通性である。
サウンドにしてもJ.A. シーザーによる影響が随所に見られる。
寺山修司とつげ義春、昭和40年代初頭の若者に絶大な支持を受けた2人の作家。
この2人には共通点が多いことに今更ながら改めて驚く。
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おお~、そうなんですね。
寺山修司はほとんど名前を知っているだけだったし、つげ義春は好きでいろいろ読みはしたものの時代についてはあまり意識したことがなかったのですが、二人とも昭和40年代初頭、学生紛争の時代に若者から絶大な支持を受けていたという共通点があったのですね。なるほどなるほど。
メモでした。
友人の寺山修司舞台記事(若干ネタバレアリ)うーんすごそうだ。
■yana’s つれづれ:流山児★事務所『地球☆空洞説』@豊島公会堂(みらい座いけぶくろ)
今回びっくり、つげ義春がうちの本棚にない!!
まさか無いなんて。どこにやったんだろう…片付け魔な時に手放しちゃったのかな。断捨離も考えものだな。ほんとこういうこと多くて。
というわけで購入検討メモ。
こちらは古い文庫2冊。94年版。
ざっと見たところですが、新しい08年よりもこちらの方が表題作が2冊にコンパクトにまとまっている感じ。『李さん一家』も『ヨシボーの犯罪』も入ってる。『するめ固め』は残念ながら入っていない様子。
佐野史郎さんの解説つき。映画『ゲンセンカン主人』主演でしたね。見ました見ました。あの不気味な空気にぴったりすぎた(褒めてます)。
ねじ式 (小学館文庫)
著者:つげ 義春
販売元:小学館
(1994-12-14)
販売元:Amazon.co.jp
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▼第1話/ねじ式▼第2話/沼▼第3話/チーコ▼第4話/初茸がり▼第5話/山椒魚▼第6話/峠の犬▼第7話/噂の武士▼第8話/オンドル小屋▼第9話/ゲンセンカン主人▼第10話/長八の宿▼第11話/大場電気鍍金工業所▼第12話/ヨシボーの犯罪▼第13話/少年▼第14話/ある無名作家
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紅い花 (小学館文庫)
著者:つげ 義春
販売元:小学館
(1994-12)
販売元:Amazon.co.jp
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▼第1話/紅い花▼第2話/李さん一家▼第3話/通夜▼第4話/海辺の叙景▼第5話/西部田村殺人事件▼第6話/二岐渓谷▼第7話/ほんやら洞のべんさん▼第8話/女忍▼第9話/古本と少女▼第10話/もっきり屋の少女▼第11話/やなぎや主人▼第12話/庶民御宿▼第13話/近所の景色
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以下が新しい方、2008年版文庫「つげ義春コレクション」、全9冊。
表紙は新しい方が好きだなあ、ちゃんと作品の絵が使われている。
マンガが文庫化されたばかりの頃って、どれも「マンガっぽくない表紙」でしたよね。94年版ねじ式はワンポイントで中の絵がちゃんと使われていますが、景色や事物の写真など完全に絵を使っていない表紙も多かった。大の大人が読んでいても、本棚に並んでいてもマンガっぽくないよ、っていう謎のアピール。ラーメン屋さんで女性も替え玉気軽に頼めるように競走馬のゲートみたいな造りのお店の、やっぱりそれって恥ずかしいことなんですねカーって思わせるだけのおためごかした羞恥プレイな。中身の絵をカラーにして表紙を華やかに飾ってこそのマンガだろう!?何を恥ずかしいことがあろうか!
つげ義春コレクション ねじ式/夜が掴む (ちくま文庫)
著者:つげ 義春
販売元:筑摩書房
(2008-10-08)
販売元:Amazon.co.jp
つげ義春コレクション 紅い花/やなぎ屋主人 (ちくま文庫)
著者:つげ 義春
販売元:筑摩書房
(2009-02)
販売元:Amazon.co.jp
これも華やかではないですが。
9冊もあるのでほとんど全集のようなものかな?一冊ごとにテーマがあるようです。旅編、とかエッセイ集、とか初期作品、とか。
で『するめ固め』はどこに入ってるんだ。調べたけどわからなかった。しかもWikipediaにもするめ固めのページがないじゃないか!どういうことだ。『究極超人あ~る』に出てきただろう!?うら若い16歳のみぎりに図書館で検索して見つけちゃって読んじゃってそのシュールで下品な作風にショックを受けた思い出の作品だのに。20余年経った今もう一度読みたい。するめ固めを決められた旦那さんがなぜか布団に直行するスピード感が忘れられない。
うーむするめ固めはもうこれにしか載っていないのか?高校生の私が図書館で借りたものです。とりあえずKindle化リクエストボタンを押しておいたが待たずに買っておくべきか…?
必殺するめ固め―つげ義春漫画集
著者:つげ 義春
販売元:晶文社
(1981-05)
販売元:Amazon.co.jp
おう「するめ固め」で検索して素晴らしいもの発見。勉強になるなあ。
■『究極超人あ~る』元ネタ・リスト
おう、この方も図書館で借りて読んだと。するめ固め作品集レビュー。あとがきのつげ氏の文章が一読の価値あり、とのこと。「その冷静な分析力にも感心しますが、言葉の使い方、表現方法など、文章として大変優れていると思います」
■必殺するめ固め | ●ねずたんとねこたん●
ねじ式 [DVD]
出演:浅野忠信
販売元:ケイエスエス
(2003-03-28)
販売元:Amazon.co.jp
東中野の小さい映画館に観に行きました。封切り当時。パンフが漫画の『私』の顔ドアップで、階段状の座席の上方から見渡す限りの人の頭と頭の間にあの顔がちらちらちらちらしていてすごくつげ義春的な情景でした。あとお医者さんごっこのシーンでは忠信の腰の動きが本気すぎて大変なことになっていたのが忘れられない。
佐野史郎さんのゲンセンカン主人、VHSしかないの!?
つげ義春ワールド ゲンセンカン主人 [VHS]
出演:石井輝男
販売元:東北新社
(1994-02-25)
販売元:Amazon.co.jp