はい、新作プリンスオブペルシャで思い出したICOの話を書きます。途中からネタバレしますので、未プレイのかたで先入観を入れたくないかたはご注意ください。
ICO(イコ)
Prince of Persia では、女の子を連れて歩くところや遺跡のような風景がちょっとICOと似ているな、と思いましたが、女の子がどこまでもぴょんぴょんついてきてくれたり一緒になぐるけるしてくれたりするようでそこがICOとは違うな、と思いました。
ヨルダちんはね、んもーーー足手まといでしたからね♪
っていきなりDJラオウの画像いじって載せてる場合かと。すいませんねほんとに。しかも今ついDJラオウまとめサイトで1から聴き直しちゃって原稿書きが20分くらい中断してます。何年も前から書きたい書きたいいってたICOのネタバレ話だろと。まじめにやれと。すいません。
えー。ICO。
OT「この人の手を離していんじゃね?
そのほうがさくさく進めてしまう気がするから( ´_ゝ`)」
というキャッチフレーズで有名な(すいませんうそです)くらいですね、も~小さな段差は越せない。ジャンプもちょっとしかできない。すぐ「ヤディ(ICO語)」とかぷるぷるそっぽ向いてすねる。もーおまえしばいたろかと。置いてったろかと。
で置いてったらあれですよ、勝手に影(敵)に連れ去られて飲み込まれたらなぜか僕までゲームオーバーですよ。バシュウッて石になっちゃいますよ世界中が。僕もろとも。コンティニューですよ僕元気なのに。僕だけ脱出させてよマジで。
とか思っていたら終盤ヨルダちんと離ればなれになってしまってね。念願叶ったりの一人道中なのに!
コントローラーの手つなぎボタン(L1だったかR2だったか、コントローラ側面についてる目立たないボタン)を押しっぱなしにしてなくていいこの人差し指がもうさみしくてさみしくてね!?
押しっぱなしてないとすぐはぐれちゃってたあの煩わしい、なんだよおまえこんなとこも飛び越せねえのかよ!って女なんかと一緒に遊んでもつまんねーよ、なー!と叫んでる小学生男子みたいな気持ちでちっ(舌打ち)ちょっと待ってろよもー!っていうあのボタンを押さないでいることのあの不在感。あれはすごかった。
たまに手つなぎボタン押してみると誰もいないところで手招きする僕。
彼女はいつもそうやって呼ぶと僕のところに走り寄ってきて、そっとこの手を握ってくれた。あまりに長く一緒にいたので、僕は今でも時々無意識にふと話しかけてしまう彼女はもういないのに。
ギャー虚しい!!ギャー虚しい!!
ナニそのゲームなのにこの胸ぽっかり空洞感!!
あれはすごかったです。
いや、マジで。途中までDJラオウ口調をひきずって書いて最後ちょっと新海誠監督入ってしまいましたがあれはすごかった。
あの、私が感じるゲームの面白さというのは、この例にあるように操作でわびさびを伝えてくるところなのです。映画にも小説にもマンガにもできない、インタラクティブなもの。それがゲームの凄さだと思うのです。
というかまともに触れた初めてのゲームがICOという今思えば大変に贅沢な状況だったので、「ゲームってこんな、こんな心の揺り動かし方ができるんだ」とこれで刷り込まれたんですね。原体験。
さらにですね。
やっとネタバレですけれども。
私がICOで一番震えたところというのは、このずっと連れ歩いていたヨルダとはぐれたことの不在感、寂寥感を、操作でプレイヤに伝えてくるところではありません(こんな短く言えるなら最初からそうしろと今ちょっと思った)。
ICOの主人公、イコくんというのは、村の代々のしきたりとして生け贄に捧げられた子供なんですね。
角の生えた子供は、生け贄として城に連れていかなければならないと。そして角の生えたイコは、城の中のおびただしい数の棺が並んだ広間に連れて行かれ、棺のひとつの中に繋がれて置き去りにされてしまいます。
しかし地震のはずみで棺が倒れ、くびきから逃れたイコは城の中を彷徨い歩いて、同じように閉じこめられた少女と出会い、言葉の通じない彼女の手を引いて一緒に城を脱出しようとします。
ところが、城の中を彼女と歩いていると、モヤモヤとした影のようなものが次々と襲いかかってきて少女を連れ去ろうとします。落ちていた棒っきれを振り回して追い払おうとしますが、実体のない影を斬っても手応えはなく、しばらくするとどこからでもいくらでも沸いてくる。
そうして城の中を進むうちに、出口目前で少女とはぐれてしまったイコは、一人で城の最下層から上っていき、ようやく少女のもとへ辿りつきます。そこは自分が最初に連れてこられた棺の間。石造りの広い空間の壁面はびっしりと、繭のような丸い形の棺で埋め尽されている。その中央に少女は横たわっていて、そこへまた影が忍び寄っている。イコは少女のもとへ駆け寄り、影を少女の側から追い払う。
ここではじめて、影の特徴に気づかされます。
角が生えている。
今まで出てきた影は、コウモリのように羽を生やして飛ぶものや、大柄なものなど形が様々でしたが、この広間に出てくる影はみな、小柄な人の姿をして、頭の両わきには二本の角が生えているのです。イコと同じように。
そうなんですよ、今まで自分が蹴散らしてきたあの影の正体。それが、自分と同じように村からここへ連れてこられた、生け贄の子供たちだったんですよ!!
しかも、少女から引き離そうと影を追い払うと、影はみなすぐに少女から離れて広間の端の方へ逃げていって、棺のひとつをカリカリと掻いて中へ逃げ込むような仕草をするんですよ!!
たまらないですよ!!!
でもゲーム進行上、それやるしかないんですよ。ひとつ残らず消し飛ぶまでメッタ斬りにしないといけない。自分と同じ、自分だったはずの、城に囚われて魂だけになってしまった、黒くかすんだ影となって城に操られるだけの存在となってしまった、もとは生きていた生身の子供たち。
を、一体一体追いつめて斬りつけて消滅させていかないとゲームが進まないという。
と、これだけの内容を伝えてくるのに、ムービーやセリフなんかの説明一切なしなのです。ここがすごい。ほんとすごい。
この棺の間での影との戦闘はしばらく続くのですが、影を斬り散らしているうちに、音楽が静かに鳴り始めるのです。
風の音や水音、鳥の声以外のBGMというものがそれまで一切なかったこのゲーム内で、初めて音楽が鳴り響く。それも、何とも言えない重く悲しい旋律。
なので、製作者側はもちろんここでプレイヤが何に気づくのかをわかっているのです。ここで気づかせようとして、微妙な影の形やカメラワーク、それから今まではなかった「棺の中に逃げようとする」というアクションを影に加えている。
それにより、今まで自分が城のあちこちで数限りなく切り払ってきたあの影が、本当は何だったのか。それをプレイヤにわからせるという。
この、今まで何時間とプレイしてきたことがひっくり返る感じ。
内容の哀しさ、やりきれなさと相まって、もう本当に強烈な印象でした。
この無常感、救われなさを抱えたままラスボス女王戦を終え、無垢で美しい聖歌隊の少年のような声で歌われるテーマ曲とともに流れる、城のあちこちが崩れ落ちてゆくエンディング映像。
この数日間を少女とともに駆け巡った、広間、屋上、トロッコ、シャンデリア、中庭、風車、水牢、回廊、闘技場、給水塔、そして城の正門。それらが音もなく崩れ、瓦礫と化し、パーツのひとつひとつがゆっくりと海に沈んでゆく、その静謐なカタストロフ。
崩壊のさなか、最後すっかり影に侵食され真っ黒な姿になったヨルダが、気を失っているイコを抱きかかえて小舟に乗せ、海へと逃がしてくれる。少女自身は崩れてゆく城の内部に残ったまま、離れてゆく小舟を見送る。
何という美しい作品だったんだろう。
おそらく次世代グラフィックの緻密でリアルな映像で見るよりも、当時のPS2ののっぺりとしたCGで見たほうが、心情に訴えるものがあるかもしれないな、とこうして記憶を頼りに書いていて思います。あの霧に霞んだような風景。だからこそ、遠い夢のような、目を凝らしても細部まではっきりとは見えないような、あの儚い感じ。
映像処理としてはデータ数を極限まで減らした、理にかなったというかああするしかなかったやりかただったのかもしれませんが、そのぼんやりとしたグラフィック感こそがまたあのICOの世界感を作り出す上で大きな要素のひとつとなっていたのではないでしょうか。
ってきっともうこんな昔のゲームだし超有名作というか玄人好きする作品だし世界中で何百万人の人がとっくに書いてるかとは思いますが。
グラフィックのプロの人、オットくんが当時、お城をうろうろしている時にふと通りかかった大きく壁を穿った窓のところで、ああこの日の光と影の描写が素晴らしいことであるなあと言いながら、壁から出ては日が射して、引っ込んでは日が陰る様子を何度も楽しんでいたなあ、と思い出したり。
そんなあひるちゃんのICO観でした。いやあ良いものだった。
ーーーーーーーー
**関連リンク**
■ダルヨ ~icoやりこみ~
城の崩壊のところを書く時参考にさせていただきました。各セーブポイントが城内部の名称になっていたな、と思い出し、正確に書こうと攻略サイトを検索したの。
■ICO (ゲーム) – Wikipedia
【GPL違反と生産終了・廃盤】
【2008年2月にはICOの生産終了、廃盤を決定。現在は在庫限りとなり、新品の入手は極めて困難である。世界的評価を得たこのビデオゲームは、7年間に及ぶその歴史に静かに幕を降ろしたのだった。】
■プレイステーション2ゲーム『ICO』にGPL違反発覚 – Engadget Japanese
えっそうなの!?
確かにamazonではベスト盤もどれも品切れ、マーケットプレイスで定価より高値が付いている。
ICO PlayStation 2 the Best
ICO PlayStation 2 the Best
ICO(イコ)
お、サントラはちゃんと正規のルートで買えるみたいです。
ICO~霧の中の旋律~
**関連あひる**
**ICOの海外版ジャケットが名誉毀損レベル
**『ワンダと巨像』で一番震えたところについて
ICOでこれだけハードル上げたのに、それをがっちり越える満足感を与えてくれたワンダもほんとすごいと思った。
小さな世界のICOへの大きな愛 ~リトルビッグプラネット×ICO
びょ( ゚3 Д 3)・゜・(涙が吹き出る音)
これはすごい!!
リトルビッグプラネットで、ICOのステージを再現です!
ネタ元:
■チラシの裏でゲーム鈍報:リトルビッグプラネットで「ICO」と「ICO-You were there-」ステージ – livedoor Blog(ブログ)
■Little B…
[やめて] ワンダと巨像がハリウッドで映画化 [もうやめて]
ええええええええええええ。
■【2ch】日刊スレッドガイド : ゲーム『ワンダと巨像』、ハリウッドで実写映画化決定
シータがね?(ラピュタのですよ?)
『ワンダと巨像』の巨像を萌えぷに化
■チラシの裏でゲーム鈍報:PS2『ワンダと巨像』に登場する巨像を萌え擬人化したイラスト集「巨像娘」
うん、
バカなんだね?( ´_ゝ`)
と思いました。
ICOとワンダのPS3版は9月22日発売 [E3 2011]
■『ICO』『ワンダと巨像』 の発売日が2011年9月22日決定、数量限定スペシャルボックスも登場 – ファミ通.com
(ネタ元:【PS3】『ICO』『ワンダと巨像』の発売日が2011年9月22日に決定、各3 …
こんにちわ、はじめまして!
いつも楽しく(時に腹抱えて笑いながら)拝見させて頂いております☆
ICOとワンダのリミテッドBOXもうすぐですね!楽しみです!
それに因んでAmazonのレビュー評価を見ていた所、衝撃のコメントが載っていましたのでお知らせします!
私も正直あひるさんのOTさんとと一緒で、たまに『くら!このヨルダめ!(●д●)』とイラつきながら引っ張って行く事もあったのですが、その方のレビューによると、
『イコはヨルダに守られていた』
との事なんですね。
霧の城でヨルダが連れ去られると、途端に黒い波がきてバシュウってエンドになりますけど、ヨルダが傍にいる限りは黒い波が来ない。黒い影達がヨルダを影に引き込むのは、黒い波の石化がヨルダに及ば無い様にする為ではないかと。
つまり、ヨルダはそれを知っていて、イコの傍らに常にいるのではないのでしょうか。守っているつもりが守られていた。という内容でした。(/_;)
あひるさんのブログにもある通り、ICOの世界は語られていない切ない事がいっぱいありますが、これは盲点でした。(;_:)
ごめんなさい、ヨルダちん(泣)
今日は久し振りにICOをプレイしたいと思っています(泣)
長々コメント申し訳ないです!
次の更新楽しみにしています!v(^-^)v
『ワンダと巨像』で一番震えたところについて(ネタバレ)
『MOTHER3』をクリアした夜に、なぜか『ワンダと巨像』で一番震えたところについて書きたくなりました。『MGS3』を熱く語った時並に。
ネタバレなのでご注意下さい。
> BLUEさん
コメントありがとうございます!ものすごくお返事遅れてごめんなさい。
おおおおお、その解釈素晴らしいですね!ま、ますます悲しい気持ちに(;_:) HDボックスセット、わがやも買いましたよー。世間ではもうPS4が発表されていますね。トリコはどうなるのか、首を長くして待ちましょう!
きゃー!!!(◎o◎)
こちらこそ、遅くなりましてでございます!まさかまさか読んで頂けてるとは…!!
三国一のしあわせモノです!(*^o^*)
日々のあれこれを、これからも楽しみにしてますね!o(^-^)o
トリコも楽しみにしてるのですが…
まさかのPS5(!?)にならないように祈ってます(苦笑)