9月の話ですが、新刊出ましたね。
そして以前わたしく全然関係ない記事ではありますが、女性は怒るための言葉を奪われていると書きました。12巻で岩明先生が教えてくれました。
下がれ下郎!!
です。女性が怒るための言葉。
正確に表記すると、
「下ァッッがれ下郎!!」
です。
私、練習しました!(注:本当)
下がれ!下郎!!
と、声に出して言ってみた。(注:本当)
すごく、こう、自分が高貴な人になった気持ち。
まあそれはそれとして別の話なのでお気になさらず(気になりすぎるだろ)
読んだ後で、岩明先生の長期休載について知りまして。情緒が乱高下。
っていう、いつもの単なる感想です。他ならぬ岩明先生のことは、書き記しておかなければ。
まずは、長期休載について。
はじめは、12巻めっちゃ面白かったですよね!誰か12巻の話してないかな!みんなの感想聞きたいな!という、ワックワクな気持ちで検索かけたんです。
そしたら…アフタヌーン本誌に掲載された、連載長期休止のお知らせの話をみんながしてて。
私単行本勢なので、初めて知りまして。
みんなお通夜みたいになってて。
連載休止の話ばっかりしてて。
皆さん単行本213ページの「イヤだ…俺はイヤだ!」って泣いてるモブ兵な気持ちに。
もう絶筆、みたいな扱い。
岩明先生お疲れ様でした、もう休んでください、って。
さらに検索していたら、アフタヌーンに掲載された柱の作者コメントによると、ずいぶんと以前から先生の身体的負担はかなり深刻で、なんとか必死で原稿をつないできたのだという事実が仔細に綴られていたようで。
でもこれ、もしかして、いやもしかしなくても、岩明先生は、単行本を買って読んでくれるファンには、あえて伏せたかった情報なんじゃないか、と。自分から探しに行って読んでしまって初めて改めて、なぜこれが単行本に一言も書かれていないのか、ようやくわかったと言いますか…。
だから、その情報をここに引用するのはやめておきます。
代わりに、それらの情報を詳細に読んだ上で、アフタヌーン本誌の長期休載のお知らせをもう一度読んで、私が思ったことを書きます。
ちょっと待ってみんな。このお知らせには、もう無理ですやめますとは一言も書かれていないじゃないですか。
先生、やる気じゃないですか。
現在の状況の問題点と原因、そして改善点について、いつも通りの岩明先生らしい、淡々と…というほど冷たくもなく、飄々と、というほど軽くもないけれど、重くもない、いつものありのままの感じで、書いておられるじゃないですか。
じゃあ、待ちますよ。
楽しみに待つ。
先生がご自分のペースで、納得いく形で、続きを見せてくださる日を、待ってます。楽しみにしてます。
ーー
で。
12巻の感想ですが。
面白かった…
面白かった……
息をするのも忘れて夢中になって読み耽ってしまった…
特に最後の、エウリュディケの。下がれ下郎!の。
私はァ…将棋が得意だから少し…先の方まで読んでみよう、の。
その後の、「下ァッッがれ下郎!!」の、直後の。
この、聡明さと、機転!
ぐうううううう……。
見習いたい…。見習いたい…。いや、見習えてる!!と、思いました!!(だから何があったんだよ)いやほんとに。普通に生きてたらここまで見習いたいと思ったり見習えてる!とガッツポーズしたりしなくてもいいはずなんですけど。うん。まあそれはいいや(よくない)。
あの、単行本213ページの「イヤだ…俺はイヤだ!」って泣いてるモブ兵ね。瀕死のエウリュディケが…それでもなお我が子を守ろうとしている様子を見て…とどめをさせ!と命令されたモブ兵が「イヤだ…俺はイヤだ!」って泣いちゃって。こういうのが本当に岩明先生…ほんと嫌だよこんなん…なんも考えずにドスッと刺せてる奴もいたけど。俺はイヤだ!って泣いちゃってる方こそ岩明先生だし、そいつを見逃したことを「詰めが甘いぞ!」と怒るところも岩明先生…。
そして、エウメネス到着からの大立ち回り。ううううう、こういうシーンが…わたくし大好きで…(あひるちゃん大丈夫か)(いやこれは前からです)この、剣技?剣じゃなくてもいいんだけど、一人の人が、バッタバッタと敵を薙ぎ倒していく、という場面が、昔っからなぜか大好き。『ヒストリエ』冒頭のトラクスの戦いもそうだった。コマ送りのように、ひとつひとつの動作をつぶさに描写していく様が圧巻で。前も書いたかもですが鈴木光司さんの『楽園』もそう。最近友人のすすめで一気読みした『呪術廻戦』17巻の真希覚醒シーンとか。『ヒロアカ』ミルコさんもいいですね〜(最終巻についてもアニメについても書きたい!書きたい!)。もちろん我らが上橋菜穂子先生の『守り人』シリーズのバルサも大好き。ひらめくような速さで。ランドリ(おがきちか先生『ランドリオール』)も体術とか剣技とかの戦闘シーンが大好きで…ワクワクする。
今回のエウメネスのそれは…ワクワクとは程遠い、虚しいものでしたが。
先ほど触れたエウリュディケの起死回生の振る舞いも、私の中では大立ち回り枠ですね。
「旅に…行けるといいねえ…」というエウリュディケに対し、「いいよ、行く?」という軽い返事も良かったですね…行ってきて…もうそういうスピンオフ誰か描いて…エウメネスとエウリュディケのわくわく旅日記…モブ兵みたいな顔で読む…
「じゃあ…次の機会に」という返しも良かった。
ああ面白かった…岩明先生本当にありがとうございます。続き、楽しみに待っています。どうぞお身体おいといください。ファンとしてはただただご健康と、先生のご納得が両立することを祈りながら、待ちます。
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大変面白かった考察レビュー。
■岩明均『ヒストリエ』12巻についての考察(前編)|ニンパイ
■岩明均『ヒストリエ』12巻についての考察(後編)|ニンパイ
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関連あひる
■2015-05-28 投稿者: ahiru178 岩明均『ヒストリエ』9巻が素晴らしかった(ネタバレなし)
■March 28, 2015 寄生獣アニメ最終回、感想ぶつぶつ語りとネットのコピペ
■January 07, 2015 映画『寄生獣』観てきちゃった。いろいろ惜しかった。いや、やっぱダメだったかも?
■March 08, 2009 寄生獣完全版「読者の問いかけに作者が答えた」が大変素晴らしい件
■June 04, 2008 田宮玲子の頭を割れるだけ割ってみました