ああ、いよいよ最後の単行本がまとまるのですね。
今年4月に亡くなられた吉野朔実さんの、最後の本が出版されるそうです。オットがリンクを送ってくれました。
■「吉野朔実劇場」最終巻&全巻まとめた1冊が発売、本の雑誌でも追悼特集 – コミックナタリー
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吉野朔実による単行本「天使は本棚に住んでいる〔吉野朔実劇場8〕」と「吉野朔実は本が大好き〔吉野朔実劇場 ALL IN ONE〕」が、7月12日に同時発売される。
「天使は本棚に住んでいる」は、吉野が1991年から今年4月に亡くなるまで約25年にわたり本の雑誌(本の雑誌社)にて連載していた「吉野朔実劇場」シリーズの最終巻。吉野が毎回内容紹介や感想、装丁、本棚のことなど、本にまつわることをエッセイ風のマンガとして描いている。一方「吉野朔実は本が大好き」は、最終巻を含む「吉野朔実劇場」シリーズ全8巻を1冊にまとめたもの。
また同じく12日に発売される本の雑誌No.398では、「さようなら、吉野朔実」と題した特集を展開。吉野と同時期にぶ~け(集英社)で活躍していた清原なつのをはじめ、吉田戦車、中川いさみ、アシスタントや歴代編集者が、彼女について語る。
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ふむふむ、こちらが『吉野朔実劇場』の最終巻、8巻め。
そしてこちらが、1~8巻全部に未収録ページを加えたコンプリート版。タイトルにまた涙してしまいました。
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長年「本の雑誌」に連載していた読書エッセイマンガ〔吉野朔実劇場〕をすべて1冊にまとめた作品集。
単行本で出版された『お父さんは時代小説が大好き』『お母さんは「赤毛のアン」が大好き』『弟の家には本棚がない』『本を読む兄、読まぬ兄』『犬は電信柱が大好き』『神様は本を読まない』『悪魔が本とやってくる』『天使は本棚に住んでいる』(2016年7月刊)をALL IN ONEに。またボーナストラックとして単行本未収録作品6作と「本の雑誌」に掲載した「図書カード3万円使い放題」、2009年5月号からスタートした近況欄「今月書いた人」も収録。
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ここに名前は挙がっていないですが、松苗あけみさんが毎日新聞に書いていらした追悼文も読みました。尊敬と親しみに満ちた温かな弔文でした。
『本の雑誌』の吉野朔実追悼号。
私は三冊全部がしゃっと行っときました。オールインワンと最終8巻は完全に内容が重なってしまうような気もするのですが、そもそも1巻から7巻までも全て持ってるし、最後だし。オールインワンに単行本未収録の原稿が色々と載るのなら買うしか。
ネットでは買い物しないという吉野朔実好き友人が(というか私に吉野作品を教えてくれた人だわ)、「吉野朔実劇場っていつ出るのかわからないし、出ても小さい本屋の新刊コーナーには並ばないから何冊か買い逃しているような気がする」と言っていたので以下に案内として全巻リンクを貼っておきます。表紙とタイトルで持ってるかどうかわかるかな?
7巻めが「悪魔」なので、8巻めは「天使」と決まっていたのかしら。図らずもぴったりなタイトルになってしまいましたね。本当に残念でなりません。
単行本 – 2000/1
単行本 – 1996/12
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関連あひる、今まで書いた分まとめ。
■May 03, 2016 [訃報]吉野朔実逝去
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日常に潜む暴力のこと、本を読んだり絵を描いたり、好きなことを淡々と積み重ねて過ごす静かな時間が確かな力になること、子供時代から脱却する人生の転換期に必要だった様々なピースを、彼女の作品からこんなにも多く受け取ってきていたことに改めて気づかされています。まだ気持ちの整理はつかないですが、吉野先生本当にありがとうございました。どうぞ安らかに、眠ってはいなさそうですね。きっと果てのない本棚の前で好きなだけ本を読みながら今後を過ごしていかれるのではないかと想像します。本当にありがとうございました。心よりご冥福をお祈りします。
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■July 23, 2013 吉野朔実とゆかいな仲間たちによる本好きエッセイ、吉野朔実劇場新刊『悪魔が本とやってくる』
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今回も相変わらず、本マニアたちの日常会話を隣で聞き耳立ててるようなかんじの内容で楽しかった。しかしこれもずいぶん長いのにぶれないなー。最近大規模な模様替えを計画しているのを機にますます電子書籍づいている私としては、持っている蔵書(マンガ)を片っ端からスキャンに出しているのですがこれを読むとうーん、やっぱりあの本やあの本はリアル書籍の状態で取っておこうかな…?と思っちゃいますね。
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■July 11, 2006 缶入り紅茶の思い出 ~吉野朔実『瞳子』
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『瞳子』好きです。状況と人物を鮮やかな言葉で繋ぐ、吉野朔実流健在。
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■November 01, 2010 本にまつわるエッセイ集、吉野朔実劇場の新刊『神様は本を読まない』
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こちらは、『本の雑誌』に不定期連載されている、吉野朔実の本にまつわるエッセイ集です。おすすめ本の紹介あり、本の装丁に対するこだわりあり、彼女の友人たち(これまた好奇心旺盛で面白い人たちばかりの様子)との小説の解釈についての激論あり、しみじみ語りあり。
思えば最初の『お父さんは時代小説が大好き』『お母さんは赤毛のアンが大好き』の頃には、ここで紹介されている本を読んでみたい!と思っても本屋さんに問い合わせて注文しないといけないのか…と、興味はあるものの結局躊躇してそのままになっている本ばかりだったものですが。
今はamazonがありますからね、タイトルや著者名で検索するだけで一発で見つかり、レビューがついていれば内容についてもある程度知ることが出来る。なんて便利な時代になったものでしょう。
という本に対するアプローチも、便利にはなったけれどある種の情緒は影を潜めてしまったのかもしれないな、と、この『吉野朔実劇場』で本に対するさまざまな感じ方や出会い方を読んでいると、何となく考えさせられたりもしてしまいます。
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■ February 02, 2009 吉野朔実 period 3巻、まだ続く物語
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哲学的で、示唆的で、寓話的。吉野朔実の作品を読む時はいつも色彩が薄れた迷路の中を歩くような気分です。他の作家さんではなかなか味わえない、完成された不安感。
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■March 21, 2009 友人に貸すマンガラインナップ
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『ジュリエットの卵』(美しい男女の双子の葛藤と自立。耽美な物語)も大好きだけど、吉野朔実らしさが凝縮されてるのは『ECCENTRICS』のほうかなと。
吉野朔実といえば『いたいけな瞳』(全8巻、珠玉の短編連載作品)と『少年は荒野をめざす』(全6巻、初期連載作品)が有名ですし、この2つも大好きなんだけど、ここ数年の彼女からしてみるとやはり”初期”ってかんじがするので、あえて最近っぽいものを集めてみた。初期も良いけど最近もますます凄みを増してるよ。
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・吉野朔実『ECCENTRICS』全4巻
哲学的で混乱するから余裕のある時にね☆?
(おまけの短編『カプートの別荘へおいで』のことは以前書きました。読み終わったらどぞ)
・吉野朔実『記憶の技法』全1巻
短いけど重いから余裕のある時にね☆?
最近ではこの人らしさが一番まとまっていて面白いかと。サスペンスというかサイコホラーというか。
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■December 23, 2008 吉野朔実『period』3巻、1月末発売らしい
■May 31, 2007 吉野朔実劇場、新刊が6月に!
■February 02, 2007 カプートの別荘へおいで
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「スーパースター」アインシュタインが息子に向けて書いた『カプートの別荘へおいで』という詩が、そのままタイトルになっています。淡々と静かな、深くざっくりと身を切るような物語です。弱っている時に読むと染みます。
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主人公が一人野原で、風に膨らむスカートのすそを追いかけるようにくるくると踊るラストシーンが、とてもとても好きです。映画のように動く映像として頭に焼きついています。
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