鈴木祥子ベスト『SHO-CO-SONGS COLLECTION 3』、SNAPSHOTS と CandyAppleRed

SNAPSHOTS と CandyAppleRed!私の超好きなタッグです。
とうとうベストコレクションが3つ揃いました。
SHO-CO-SONGS collection 3(DVD付)SHO-CO-SONGS collection 3(DVD付)
アーティスト:鈴木祥子
販売元:ソニー・ミュージックダイレクト
発売日:2009-10-28



(関連記事)
鈴木祥子ベスト『SHO-CO-SONGS Collection』が震えるほど高音質な件
鈴木祥子『SHO-CO-SONGS Collection 1 』届いたよ
SHO-CO-SONGS collection2 収録アルバム
鈴木祥子ベスト『SHO-CO-SONGS COLLECTION 3』のトラックリスト
このコレクションの何が楽しみって、スズキショウコご本人による各アルバム解説がついているところです。超赤裸々な。彼女らしい。当時どういう状況だったのか、ということが率直に語られていて、読み応えがあります。
今回のコレクション3について、その解説をちょっとだけネタバレしつつ書いてみるので、購入予定で楽しみに待ってるかたはご注意ください。


ええと、今回収録されている SNAPSHOTS。
ロック色を前面に押し出した、今までの静かな “鈴木祥子” のイメージとは全然違う彼女。
このアルバムを作ろうと勧めたディレクター名村武さんも、それを形にすること、そしてアーティストとして苦悩の時期にある鈴木祥子を自由にすることが狙いで、祥子さん本人も心から楽しんで作ったのだそうですが。
セールスという結果から見ると、全然売れなかったんだそうです。
それまでのファンにまるっきり受け容れられなかったと。
なんで!?
全然わからない。超いいアルバムだとしか思ったことなかった。むしろ大好き。
でも確かに当時、私に鈴木祥子を教えてくれた先輩男性のウケは非常に今ひとつだったんですよこのアルバム。それから次の CandyAppleRed も。それであれ?そうかななんで??と思ったなあ言われてみれば。
あれがファン全体の中で多数派の反応だったとは。
これじゃ鈴木祥子の魅力が台無しだ、けしからん、みたいに、なんかすごく怒ってたなあ先輩。
どうしてかなあ。
鈴木祥子はアルバム毎のカラーがものすごくはっきりしていて、シャッフルできない強固な結合力がそれぞれのアルバムに働いていると常々思ってきたのですが、そんなアルバムを順に並べてみるとまた、ひとつの大きな流れが見える気がします。
この展開って非常に納得いくんだけどな。
オフィシャルサイトのdiscographyを見つつ、私の個人的な各アルバム感を書いていってみる。
・VIRIDIAN(静かな小作品)
・水の冠(静かさを引き継ぎつつまとまりが出てきた)
・風の扉(初期完成形)
・LongLongWayHome(新たな段階へ、明るい音)
・Hourglass(内面へダイブ、がっくりと静)
・Radiogenic(洋楽っぽくおしゃれ、バランス良い、でも印象薄い?)
・SNAPSHOTS(一転ロック、でも鈴木祥子的さみしさや閉じた感じはそのまま)
・CandyAppleRed(さらにロック、女として開いた感じはここから。『私小説』や『あたらしい愛の詩』に繋がっていく世界観)
9a1a09f2


完全に主観なのでなんのことやらさっぱりかもしれませんがすいません。
でも俺の書いた文章は俺のツボをつく!俺には手に取るようにわかるぞ俺の言いたいことが!
いやいやいやいや、この流れ、謀ったようじゃないですか。なるべくしてなってるじゃないですか。
ゆるやかに蛇行しながら確実に深まっているじゃないですか。
だってこれでどうなの?『水の冠』と『LongLongWayHome』の間を行ったり来たりしてればよかったの?
なんかそれって失礼じゃないか?
変わらない世界観や曲イメージを貫き通すこと、というのもすごいことだと思う。維持し続けることの莫大なパワー。
でも、鈴木祥子の場合は、変わることに全力を使い果たしながらここまで来た人なんじゃないかと思うんです。
そういう人が、変化を拒絶、否定されるって。ファンの大部分から。
どんなにかショックだったろう。
それにその変遷の中に、歴然と動かないものがあるじゃないですか。
「鈴木祥子」という、核のようなものがちゃんと。
好きの欲目なだけかもしれないけどいいじゃないかファンなんだから。
どうしてそんなにも変化を嫌われたのかなあ。
ガールポップ全盛期のデビューで、当時アイドル的扱いだったというのもいけなかったのかなあ。
なんかそれ突き詰めていくと暗ーい何かに指先が触れるなあ。
前に鈴木祥子自身がエッセイで言っていた、「アナタが大好きとでも歌っとけ」とかそういうことなのかなあ。
うーむ。
単に好みの問題だったのかもしれないですけども。
私はたまたまロックっぽいものも好きだったし、歌詞的にも中島みゆきとかの情念系大好きだったし、だからそれまで綺麗で静かな曲が主だった鈴木祥子がガツンとロックにどろっとした歌詞でも全然OKむしろカモンばっちこいだったけど、ジャンルとして綺麗で静かな曲が好きだった人にとっては、彼女がついていけない方向に行ってしまった、と思って残念だったのかもしれないな。
でも、SNAPSHOTS でこけたからってもうロックは封印、というふうにはならず、やり残してるからもう一枚この流れでやろう、と CandyAppleRed を作った、という名村ディレクターの話にはホッとしました。
よかった、CandyAppleRed 超好きなのにそういうことならひょっとしたら生まれなかったかもしれないんだ。困るよこのアルバムないと背骨が抜けちゃう。私の(自分のかよ)。
それから、バブルもはじけてレコード会社が作品作りにお金や情熱をかけなくなっていったという時代の趨勢についても少し語られていて、そこも興味深く読みました。そうなのか。
私にとっては SNAPSHOTS も CandyAppleRed も本当にのめり込んで聴いたアルバムなので、この2つが姉妹のように繋がった存在だと今回のライナーノーツに書かれていてちょっと嬉しかったです。やっぱりそうなんだ。
 * * * * * *
以下、超個人的な思い出話。
先日、学生時代からの友人で、今は遠方に暮らす彼女とすごく久しぶりに電話で長話をしました。
当時の話になって、あん時きみがこんなこと言ったじゃん、ほらあの頃お互いしんどかったから。ああそういえば!そんな時期もあったねえ!
と一瞬盛り上がり。
学生の頃は私も彼女もなんというかそれぞれの家族の中で一番下扱いで、簡単に言っちゃうとまあ下っ端の下働きで上役の顔色窺いながら小さくなっていたというか。
あの頃に比べたら、今は家事の時間配分やら何やらを誰の目も気にせず、(彼女にとっては子育てがあるけど、そのさじ加減も含めて)すべて自分のペースでできるから、なんと自由なことか、と。
ほんとそうだよねえ、と。
あの頃、その苦しいドアの外へ抜け出して夜中、自転車で川べりの道をひた走りながら聴いていたのがこの SNAPSHOTS でした。1995年。私は20歳で、夜と川と涙のにおい、遠くの灯り、このアルバムの音や歌詞の情景はそんなものと一緒に記憶の中にしまわれています。
逃げ出したくても非力で、勇気もなくて怖くて、どうしたらいいかわからなくて、ただ必死に働いてお金を貯めた。
暗がりの中で誰にも見咎められないように、じっと小さくなっていた私の隣にしゃがんで寄り添ってくれていたのが SNAPSHOTS でした。
CANDY APPLE RED は逃げるように走り出した踵の翼になって、力強い推進力を私にくれた。1997年。だから SNAPSHOTS よりちょっと明るいイメージです。
どちらも大好きで、ほんとに。
友人との会話はすぐ次の話題に移ったのですが、その一瞬をちょっと一時停止のコマ送りにして書き留めてみました。
ちょうど電話のすぐあとにこのベストが届いたこともあるし、ましてこれが送り主鈴木祥子にとってそんなにも、徹底的な拒絶という苦い傷になっていて、いまだに克服できていないなどと聞いてしまっては。
私にとってはこんなにも特別で、このアルバムの曲たちにどれだけ助けられたか知れない。ありがとう。
と、書き記してここに置いておこうと思います。
連綿と続く血脈の枝からふっと離れて、どこかの土地に根付いて咲く。たんぽぽの綿毛みたいに。虫にまるでうっかりといった風情で運ばれてみせる花粉の計算みたいに。
あっけらかんと笑って。
アルバムの表題曲 “SNAPSHOTS” のPVで、異国の街を軽やかに走る鈴木祥子の背中を見ながら、女ってそういうもんなのかもな、と今思っています。
関連あひる。
ここじゃないどこかへずっと行きたかった
SNAPSHOTS と川べりの思い出は以前にもつい。
それは秋のせい
『3月のせい』とか『夜の中へ』とかもう大好きです。
「昔の曲はよかった、今の曲は女を前面に出しすぎてて恐い」の話
Modern Syntax Radio Show にて鈴木祥子のことをしゃべる
それは普通のことよ
その他、鈴木祥子関連記事(blog内Google検索)
わーい、3つ並んだ並んだー♪
スペシャルボックスの画像も公式サイトのNewsに載ってますね。可愛い!
SHO-CO-SONGS Collection1(DVD付)SHO-CO-SONGS Collection1(DVD付)
アーティスト:鈴木祥子
販売元:Sony Music Direct
発売日:2008-06-11
おすすめ度:3.5
クチコミを見る

SHO-CO-SONGS collection 2(DVD付)SHO-CO-SONGS collection 2(DVD付)
アーティスト:鈴木祥子
販売元:Sony Music Direct(Japan)Inc.(SME)(M)
発売日:2008-12-24
おすすめ度:3.5
クチコミを見る

SHO-CO-SONGS collection 3(DVD付)SHO-CO-SONGS collection 3(DVD付)
アーティスト:鈴木祥子
販売元:ソニー・ミュージックダイレクト
発売日:2009-10-28
クチコミを見る

romances sans paroles~bande originale du film~romances sans paroles~bande originale du film~
アーティスト:鈴木祥子
販売元:スリーディーシステム
発売日:2009-07-15
おすすめ度:5.0
クチコミを見る

ハートをつけてあげて ハート 0

6 Replies to “鈴木祥子ベスト『SHO-CO-SONGS COLLECTION 3』、SNAPSHOTS と CandyAppleRed”

  1. 興味深く読ませて頂きました。
    まだ全部読んでないけど。
    私は歳はとってますが、祥子作品を新しい方から聴いているので感想はちょっと違いますが、すばらしいです。
    でも、みんなロック色が強すぎて売れなかったっていうけど、そんなに強い?そのせい?
    これはロック?という疑問は残る。
    3月のせいはいいですね。
    現在があることに感謝します。

  2. はじめまして。
    いつも楽しく読ませてもらっているものです。
    今回、鈴木祥子さんの記事で、読んでいたら自分もどうしても書きたくなってしまいました。
    「snapshots」自分も大好きです。あの赤のジャケット写真がまずインパクトあったし、気持ちを開放させてくれる曲が一杯で。
    特に「goin’home」が好きです。なんていうか、自分を許してOK!って気持ちになります。
    今回のCDは今日明日に買いに行く予定です。記事読んで尚更楽しみになってきました。ありがとうございます。

  3. ありがとうございます。そうですね、私も最初から順番にでなく、LongLongWayHomeあたりまでを一気に聴いたので、そんなに極端に変わった!とショックを受けなかったのかもしれません。
    あと、確かに「ロックだから売れなかった」というだけではないのかもしれないですね、複合的ないろんな理由があったのかもしれませんね。歌詞の雰囲気もここからガラリと変わって、率直になっていますし。
    私はそこがますます好きになったので、好きになれてよかったな、と思います。ほんと感謝ですね。

  4. はじめまして、コメントありがとうございます。
    そうですね、前向きになれるアルバムですよね、SNAPSHOTS。GOIN’HOME私も大好きです!泣いても笑っても同じ。なら笑っていよう、ですね。
    ライナーノーツ、私が触れたのはごく一部分だけなので、楽しみに読んでくださいね~。ほんとこのコレクションのすべての解説が、祥子さんご本人の分も他のディレクターさんたちの分もどれもすごく面白いです。

  5. TM Network ‘s works

    はい、いつのまにやら12月です。しわす。
    しわす~♪(師走の歌)(←謎)
    今度EPIC Recordsカラオケ行こう!と盛り上がっており(もちろん鈴木祥子がきっかけだ!)、ついついいろいろ検索中なのです。
    そうして久しぶりに聴いてるTM。
    ひゃーキラキラする!
    ■TM NETWO…

  6. 鈴木祥子「SHO-CO-SONGS collection 3」発売記念ツアー at SHIBUYA-AX 2009/12/17

    行ってきました!素晴らしかった。
    以下、セットリストやインタビューなど。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です