良かった、素晴らしかった、と思うのですが…なんと第3部の前半をまるっと見逃しております!
今度オンデマンドで見ようかな…
気づいた時には放送が始まっており、再放送の第5回6回をからくも捕まえて録画、しかし見る暇がなくて7回から見始めました…最終回は9回。全然最後の方じゃん!!
あまりにもひっそり始まってて…朝ドラとあさイチとかNHKアニメはずっと見てたのになあ、もっと宣伝して欲しかった…
あの、このドラマ、視聴率とか話題性的には大コケだったらしいですよね…ところどころの衣装や演出が韓流ドラマっぽいとか安っぽいとか、確かに私もそう思った部分はあったんですが。
でも、全体としてはとても丁寧に作り込まれていて、かなり大掛かりだったように思います。
原作と違う部分も多かったけれど、それでも原作を大切にしながらドラマとして作り直していたように思う。なのでなんだか、このドラマがあまりにも話題になっていなかったり、こきおろされたりしているとちょっと気の毒…2016年から2018年にかけて、今できる最大限、最上級のことをしてくれたんじゃないかなあ。
特に良かったのがキャスト。誰もかれも素晴らしかった!イメージぴったり!
特に男性陣。青年チャグムも、ラウル王子も!シュガも、よくもまあこれだけ原作のイメージにぴったりな、それぞれにタイプの違った美男子が揃ったものです。数年ずれていたらできなかったのではないだろうか。惑星直列級の奇跡かと。特にラウル!!高貴で残忍で自信に溢れ、かつ歪んだ美しさが素晴らしかった!!高良建吾さんにしかできないでしょうあれは!
以下、思ったことをだだ漏れに。
タンダの癒し系なとこも、ヒュウゴの苦しみと野望と猛々しさを秘めた上品さも、ジンも良かったなー。忘れちゃいけないディーンフジオカのイーハン様もね!
聖導師様の平幹二朗さんが亡くなられてしまったのがとても残念でした…威厳ある聖導師様そのものだった(原作と違ってドラマではけっこう惑いもある役どころでしたが)
帝の藤原竜也さんも、なんか見慣れてきた。最後、二の妃に見せた愛情と、チャグムとの邂逅のシーンは良かったなあ。ああいう緩急をしっかりとつける演出といい、丁寧に作られたドラマだったなあと思います。
ただ、シーズン1のamazonレビューに「藤原竜也の無意味なシーンに時間を割きすぎ」とあってちょっと同意。今回も祈りのシーンが間延びしていた…。
あと衣装がちょっと、流水紋をエアブラシで描いているようで、その技術は当時ないのでは…というのがずっと気になってしまいました。昔のようにひと針ひと針刺繍するのは無理にしても、もうちょっと何とかなかなかったのかな。帝が登場するとあの衣装がずっと画面内で大きく幅をとって映っているので、祈りのシーンや、宮廷内の原作にはない妙な色恋沙汰の場面とあわせると陳腐さが際立って…
最初に見た時も思ったけど長髪に清潔感がないのもどうかと。藤原竜也さんのせいじゃないんだけど、引っかかる点でした。
綾瀬はるかさんも…悪くはなかったけど、最後のラウル王子やヒュウゴたち、男性たちの決死の演技の中で1人だけちょっと緊張感がなくていまひとつだった気がする…アクションがんばってたけど。
トロガイの若返りは、どうせ「綺麗な女の人だった」って言わせるならもっと普通にすっぴんにしてあげて!あれじゃ全然伝わってこないよ!
あとガカイ様の扱いひどすぎない!?あれじゃ完全に道化じゃん!あと詰んでるし!(助かったけどめっちゃ崖の真ん中)
タンダの負傷は、どうして腕じゃなく脚にしたのかなあ。原作で腕を斬る時のバルサの「何度となく自分を抱き寄せた腕」みたいにふと回想する場面がとても胸を締め付けられて好きだったんだけど。ドラマ的にも十分絵になったと思うんだけど。ドラマではあの2人はまだそういう関係ではなかったっぽいけれど、でもそれっぽい場面はいくつもあったからそれをカットインするとかさ。
そしてあの斬り方はないと思う…緊張感なさすぎ…「冷静に振る舞う」のと「だらっと緊張感なく動く」のは違う…
まあでも、切るシーン自体が無しになるかもな、残虐描写だし、と思っていたので、切っただけでも英断だったのかも。
と、なんだか「良かった」と切り出したわりには気にかかった難点ばかりをあげてしまった…
でも、細かい点は確かにもっとこうだったら良かったのにな、と思ってしまうところもあるのですが、全体的にはすごくしっかり作られていたと思います。これ以上の映像化はなかなか望めないんじゃないかな。原作ファンの1人としては十分満足でした。
で、何しろ前半をまるまる見てないので、肝心の『闇の守り人』部分を全然見てないのです!!ガーン。『闇の守り人』原作ものすごく好きなんですけど…でもドラマではけっこう大幅に変えてきたみたい。どうなってたのかなー、気になるなー。
吉川ジグロ晃司も、どうだったんだろう。
とりあえず見てない分(1~4話)のあらすじを読んでしまった。ほうほうふむふむ。
■【精霊の守り人】最終章(シーズン3)1話のあらすじと感想「バルサ、故郷へ」 – 森ドラマのテレビ感想ログ
おお…これは録画してある5話6話も早く見ないと!槍舞のシーン見たい!!
じ、時間を作って何とか見ようと思います…。
(ちょっと追記)
とりあえず5話を見た!そしたらトルネの録画データでは、地震速報で最後の10分が切れてた!!ガーン!!
しかし…5話の槍舞、素晴らしかった…綾瀬はるかの熱演!綾瀬はるかさん、ここで燃え尽きちゃって最終回では微妙に気が抜けてたのか?と思ってしまうくらい鬼気迫る、素晴らしい剣舞と演技でした。
あとカンバルのラダール王子がすごく良かった。ちょっと頼りない、所在無げなところのある、だけど徐々に覚悟が決まっていく役に、何というか風貌や存在感がぴったりだった。中川晃教さん、シンガーソングライターさんなのですね。舞台を多くやってらっしゃるっぽい。
うーん、やっぱりこのドラマはよく出来ていたなあ、と思いました。最終章、1話からちゃんと見ないとな。
ちょっとん?と思ったのは、ジグロがバルサの叔母に思いを寄せていたっぽい設定になっていたこと。原作では違ったはず。そりゃあ…好きな女性の娘なら守りたくもなるよね。そこにわかりやすい理由を持ってきちゃったのが、うーん。
そんなものは無くても、ただ力弱い幼い者に手を差し伸べずにいられなかった、そのことで自分の大切なものを損なうことになり、想像を絶する犠牲を払い続けることになり、時に運命や、その幼い存在そのものを恨む気持ちを抱いてしまったとしても、それでも、幼い子供が成長していく喜びや、自分が与えてやれるものでは幸せにできないのではないかという葛藤など、ジグロの気持ちって、単純なものじゃないと思うんですよね。だからこそ物語に深みを与えているんじゃないかと。
まあでも、しょうがないのかな、わかりやすくしないと。テレビだから。
今回久しぶりにこういうドラマをしっかり見ていて思ったんですけど、いちいち字幕が出るんですよね、「バルサ 用心棒」とか、「ログサム カンバル国王」とか。
あの、ファンタジーだし音だけでは判別しにくい国名やオリジナルの地名なんかも多いからある程度字幕を出すのは仕方ないとはいえ、いや、そこで改めての人物紹介は不要では?と思う箇所がとても多かった。そのたびに、わかりやすくなるどころか現実に引き戻されて正直やや興ざめでした。あ、これそうでしたねドラマでした作り物でしたね、って。
もったいないというか…
半端に一般視聴者向け?にわかりやすく、恋愛とかゴシップとか?でつかみを作ろうとしたってことなのかな。しかしそんなに視聴者の理解度って下がっているものなのだろうか…ここ10年ほど、映画のTV放送でも無駄に字幕で説明入れたりすることが多いし、CM明けにちょっと場面を戻したりとか酷いじゃないですか。
今作の場合は、それがかえて原作ファンに酷評されてしまっていたようにも思うので、結果的にどうせ視聴率も振るわなかったんだし(すいません…)もう完全に伝わる人だけ伝われば良い!ってマニアックに突き詰めて作ってくれたら良かったのかな。
いや、でも十分素晴らしかったです、うん。
(追記以上)
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以下、関連したりしなかったりするリンク。
原作好きの日月さんも絶賛!
■大河ファンタジー「精霊の守り人シリーズ」感想と次の大河ファンタジー予想 | 日々の書付
うんうん、ネットで見ていた他の評判が散々だったので、これを読んで私も「ですよね?そんなに酷くはなかったですよね…?」と思えました。
バルサ、誰だったら良かったのかなあ…吉田沙保里さん…やだ最強すぎ。
■イケメンと吉田沙保里に同じセリフ入れたら全然違う意味になったwwwww |とあるさんのTwitterで話題の画像
以前書いた自分の記事。
■March 14, 2017 精霊の守り人シーズン2のナレーター山崎阿弥(やまさきあみ)さん
■April 10, 2016 NHKドラマ『精霊の守り人』シーズン1終了、シーズン2が意外な展開に!?(ネタバレ感想)
■March 23, 2016 NHKドラマ『精霊の守り人』第一話面白かった!今後の予想?のようなもの(ネタバレあり)
■March 16, 2016 NHK大河ファンタジー『精霊の守り人』、いよいよ3月19日土曜夜21時スタート!
■February 02, 2016 NHKドラマ版『精霊の守り人』メインビジュアル発表、高島礼子さんのトロガイが予想の遥か上
■July 31, 2014 上橋菜穂子『精霊の守り人』など守り人シリーズ全編がNHKで実写ドラマ化!主演綾瀬はるか
■August 10, 2015 NHKドラマ「精霊の守り人」、メインキャスト発表
■July 25, 2014 上橋菜穂子さん、国際アンデルセン賞を受賞 児童文学のノーベル賞
■March 16, 2013 『獣の奏者』を読んで思った、上橋菜穂子作品はやはりエロくて素晴らしいと
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原作の素晴らしさは本当にもう。
神山監督のアニメ版も素晴らしかった。滅多に買わないボックス書いました。
レビューを読むのも面白い。高評価も低評価も、なるほどと頷けるものが。
特にカンバル編はログサムが生きていたりとがっつり設定が変わっていましたが、それがラストに向けてよく生きていたのだと思います。
思えばアニメだって原作派からは当初酷評だったものですよ…。
ログサムが生きていたため、彼が悪党面を一気に引き受けてくれたおかげでラウルのイケメン度が上がっていたのは個人的に好みでしたわww
ブログでも書いたのですが大河ファンタジーというジャンルを確立した以上、次の作品への期待が膨らみます。
個人的にはぜひとも十二国記を映像化してほしい。
最近では八咫烏シリーズも面白いですよ~!
日月さん
アニメも酷評、そういえばそうだったかも!バルサが美女すぎる、とか言われてましたね。
ログサムが悪党役を一手に、確かにそんな感じでしたね。悪人ヅラすぎる…
でもちょっと、ジグロに対して「なぜ私を裏切った!」と傷ついていたそぶりを見せたり、人間的な面もありましたね。原作ではひたすら異常に猜疑心と残忍性が高いってだけだったような。
私は今回の最終章全話をまだちゃんと通して見れていないのですが、でも7,8,9話を先に見てから5,6話に戻ってみて思ったのは、綾瀬さん、というかバルサはもうカンバル編で人生の目的を達成してしまっていて、すがすがしい表情になっていて、だから9話あたりのタルシュ帝国とかラウルとかを相手にする場面ではあんまり活躍もしないし気が抜けたような雰囲気だったのかな…なんて思いました。あれじゃしょうがないよね、というか。
もともと原作でも、確かチャグムを救出してからはタンダ捜索に出かけて、チャグムとはそのまま別れ別れでしたよね?
その辺の、最後の新ヨゴとタルシュの政治的なあれこれみたいな場面に無理やりバルサをいさせていたから取ってつけたようになっちゃったのかな?とか。
でもうん、あの規模でよくやってくれましたよねえ。大河ファンタジーというジャンル…しかし世間的評価が振るわなかったようなので、続編は難しいのかなあ~。十二国記はアニメ版の続きも作ってほしいですね!
八咫烏シリーズも、日月さんのブログで気になってました~。読んでみたい!