あの物売りの母子~『エマ』7巻で一番印象に残ったこと。

(ネタバレなし)
今回この巻を最後まで読み終わってみて、もう一度最初のほうをちらとめくってみると。
冒頭に、貧しい身なりの物売りの母子が服を買いたたくシーンがあります。
ほんのささいな場面なのですが。


服=良いお屋敷のメイド服(エマが身ぐるみはがされた時のものですね)=実は良い出物、というわけで、売り主を適当に言いくるめてまんまと安く買い取れた。母子は内心ホクホクなわけです。
まあ現代日本でも仕立ての良いメイド服は本当に良い出物だろうなあいくらで売れるのかなあしかもエマみたいな照れ屋で巨乳のあげくメガネメイドさんのだよ!?(*´Д`*)
とそういうことではなくて。
すいませんもっとマジメな話。(自分で茶化してるって)
10代半ばの年頃の娘さんと中年の骨張った顔付きの母親が、売り主に背を向けてからこう、何とも殺伐とした表情をしていてですね。
その後本編では貴族さんとか成功した商人さんとか、そこのうちできびきび・活き活きと働くメイドさんたちとか、主人公のエマとか、貴族なんだけど階級にとらわれたくなくて愛する女性を守りたい一心のウィリアムとか、そんな彼らを応援したがる素敵な人々とかばっかり出てくるわけです。
不安と幸せと申し訳なさに顔赤らめっぱなしのエマ(゚Д゚)とか。
そして大団円の後で最初のページに戻ると。
物売りの母子の何とも殺伐とした、いやしい表情。
それを見て何だか、ああ現代にも身分・階級の違いって歴然とあるよなあ、としみじみ思ってしまいました。当たり前の話ですが。
働かなくても生きていけるとか、働かなくては生きていけないからとか、きついけれどやりがいのある仕事で充実した日々とか、ノブレスオブリージュとか、いろいろ。
要は気の持ちようだとか、努力の問題だとかいうけれど。
今の自分の 毎日の生活に困らない境遇を、本当にほんの小さな偶然の積み重ねの結晶だとしか思えない私には、そんな偉そうなことはとても言えません。
何かが違っていればどうなっていたかわからない。
服を買いたたき、背中であさましい表情を浮かべたりなど自分は絶対にしないと、どうして言い切れるでしょう。
そんなこと考えました。
考えるな?
じゃあ5巻が出た時アタマ空っぽで撮ったエマたん立て看でも載せておきます。
見返りエマたん7巻は赤らめ頬のみならず谷間率もえんらいこと高くてハァまんまと萌へ萌へです(*´Д`*)。
コミックビーム9月号からは『エマ』外伝読切がスタートするそうで、楽しみですね。エレノアたんを幸せにしてあげて>森薫さん。


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“あの物売りの母子~『エマ』7巻で一番印象に残ったこと。” への3件の返信

  1. 森薫新連載『乙嫁語り』

    森薫の新連載!すごい気合い入ってる!
    先月末の話ですが、buruさんのblogで知りました。
    うお!エンターブレインのサイトで、本編が途中まで読める!!!

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    わああ!なんてすてきな企画なんだ!
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