いやあ、1月くらいに気づいて密かに楽しみにしていたのです。そして原作漫画も大っ好きで。大っ好きで。好きすぎて1巻から読み始めて最新刊まで読むと必ずもう一度1巻から読み返しちゃうくらい好きで。
何にこんなに惹かれるのかわからないんですけどとにかく好きで。怖いんですけどね。かなり。
それがこの、コロナで。いろんなイベントとか中止になっちゃってるんだろうなあ、10月公開となっているけど大丈夫なのかな…と気になっていたのですが。
ひょんなことからたどりついた平井堅さん『ノンフィクション』2017年FNS歌謡祭の平手友梨奈さんのダンスに衝撃を受けていたら。
平手友梨奈さんの佇まいが、『さんかく窓』の非浦英莉可(ヒウラエリカ)に似ているなあと思っていたら!
キャスト、岡田将生 志尊淳 平手友梨奈!
ほんとに平手友梨奈さんが非浦英莉可役だった!!
ますます楽しみになりましたー!
以下、リンク集と、原作漫画、ヤマシタトモコさんの作品について。怖い話注意です。原作は幽霊とかそういうのの話なのです。
平手友梨奈さんの公式サイトのトップ写真も綺麗だなー。すっかりファン。
■平手友梨奈オフィシャルサイト
原作の公式サイト。映画情報やグッズ情報もいろいろ。
■ヤマシタトモコ「さんかく窓の外側は夜」|リブレ
いやあ、この原作がもう本当に大好きで。
怖いんですけど。
怖いものいっぱい出てくるんですけど。主に超常現象とか幽霊的なね、不気味なものが。
ヤマシタトモコさんのその手の、人ならぬモノの絵、怖ええ。なんともいえない不吉な造形なの。
でもなんというか、本題はそこじゃないように思います。これまでのヤマシタトモコさんの作品とテーマは同じで、抗えないものに対して抗う、決められた枠組みを蹴り倒す、それを許さないもの、阻むものに対して怒(いか)る、悲しみをたたえながら怒る、というような。私にとってはヤマシタトモコさんってそういう作家さんなんですよね。なんともいえない勢いがあって、そこがすごく好きです。
作品リストを参照しますと、初期作品はまだ読んでいないのですが、『HER』『花井沢町公民館便り』『WHITE NOTE PAD』『ひばりの朝』『BUTTER!!!』、そして現在目下連載中の『違国日記』、このあたりを読みました。
特にこの『さんかく窓』と通じるなあと思うのが、最近のもうひとつの連載『違国日記』にも描かれている、大人として、子供に対し責任を負うこと。登場人物たちが見せるそこの潔い価値観が読んでいて心地良い。
『違国日記』で言うと、主人公の姉が事故で亡くなった時、年老いた母親が遺体の確認をまだ中学生の姪にやらせたことに対する怒り、葬儀の席でその姪の処遇をどうしようかと親族の大人たちが本人の前であけすけな物言いを続けることに対し我慢ができなくなって自分が引き取る、と啖呵を切ってしまう(「盥(たらい)」という字の書き方を立て板に水の勢いで説明するとこ好き)、そういう激しさの原動力となる、無責任で無神経な大人に対する怒り。
そういうものが、この『さんかく窓』にも随所に見られて、読んでいてつらいところも多々あるのですが、清々しいところも多い。6巻で、かなり話が進んでようやくオールキャスト勢揃い!となった時、イケメン占い師の迎(むかえ)くんが非浦英莉可に対して言うセリフがあるのですが、
「きみがまだ子供でおれが大人だから」
「きみを守る大人がいなかったのは決して普通じゃないしきみはそれをもっと嘆いていい」
これがこの作品の、そして特に最近のヤマシタトモコさんのテーマを凝縮していて、とても響きます。決して普通じゃないし、それをもっと嘆いていい。
『さんかく窓』はオカルトですが、『違国日記』は30代の一人暮らしの女性が中学生の姪を引き取る、という現実に即した話で(実際の数々の現実的なハードルはともかく超常現象は今のところ起こっていない)、『花井沢町』はある日ひとつの町が突然透明な幕で覆われて外界と遮断されてしまった、というSF設定の中でそれぞれの人々がどのように暮らして、生きていくか、という、何世代かに渡るオムニバス。一見どれもまったく違う話だけれど、どれもどこか繋がっているように感じます。『花井沢町』なんて今のこのコロナで外出自粛の折りに読むと乙なんじゃないだろうか。
『WHITE NOTE PAD』は男女の中身が入れ替わってしまうやはりSF設定で、ドタバタコメディではよくある設定のはずが、ちっとも心華やがない…重苦しくて閉塞感のある、なんとも息苦しい話でした。『ひばりの朝』なんてもう究極に息が詰まりそう。『HER』も私にとっては呼吸困難ものでした。つらくて。この3つはどれも「女」という牢獄の話だと思っています。
中でも今連載中の『違国日記』と『さんかく窓』は本当に大好きで。新刊を心待ちにしている作品なので、ましてその『さんかく窓』が映画化とか!
そして、何も知らずに「この子非浦英莉可っぽいなあ」という印象を受けた平手友梨奈さんが!ほんとにエリカ役だなんて!
岡田将生さん、志尊淳さんも、最初にお名前拝見した時は原作とはちょっとイメージ違うかも、と思ってしまいましたが、トレイラーを見るとちょっと近付いたかも?
さっきも出した迎くんと、超現実主義者の頼もしい半澤刑事も誰になるのか楽しみです!
迎くんはね、めっちゃ個人的にはグリーンウッドの光流先輩ですよ。実在の人物じゃねえじゃねえのと。他作品やんと。でもでもだって!似てるでしょ?面倒見の良さといい、面倒なことをしょい込んでしまう性格といい、外見だけでなく内面も似てるのよ。モテるわりには女運悪そうなとことか。
半澤刑事もあれです、同じく那州雪絵先生の『魔法使いの娘』シリーズに出てきた超ホーリーパワーの神主、Jrさんと同じ系統の、ある意味もう異能力者。信じてないから呪いが効かない。究極のお札ですね。魔除。実際冷川さんも魔除として使ってるし。
Jrさん違うところは、半澤刑事は完璧に祓っちゃうわけではないので一瞬の隙をつかれて奥さんが困難に巻き込まれたりもしてしまって、ハラハラします。でもまた奥さんが素敵な人で!
そういう、キャラクターの魅力もふんだんで、読んでいて楽しいです。
あと逆木さんも!いったい映画では誰が!?まさか存在カットになっちゃわないよね!?
彼もやはり、大人として子供を守るのが当然と、考えるまでもなく身体が動いてしまうタイプの好人物ですね。
原作は8巻を数えていよいよストーリーが盛り上がっているので、今後どうなるのか楽しみです。
前にもちらっと書いたのですが、オカルト、妖怪漫画比較というか感想も書きたいなー。気づけばなんとなく好きでその手のものけっこう読んでるんですよね。
この『さんかく窓』と、那州雪絵さん『魔法使いの娘』(むちゃくちゃ面白い)、今市子さん『百鬼夜行抄』(べらぼうに面白い)、緑川ゆきさんの『夏目友人帳』がもしかして一番知名度あるかもしれないけれどこちらは原作ほぼ未読でアニメを少し見た程度なんですけど。どれもそれぞれに、共通点や違った点が面白いのです。日本の、妖怪とか幽霊とか、人の思念のようなもの、異形のものに対する考え方や、差別の構図、なんてことのない生活の知恵などなど、いろんなことが窺い知れて。民族学的な興味深さ、というのだろうか。
あとは漫画じゃないけど京極夏彦先生の『姑獲鳥の夏』や『魍魎の匣』などの京極堂シリーズ。
うっかりついここ数日で読んじゃったのが…
小野不由美主上の『残穢(ざんえ)』…
怖えええええ。
怖えええええ。
怖えええええ。
これについてもまた書きたいです。読んでいたら吉野朔実さんとの繋がりも発見して面白かった。
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バターは高校生部活もの。他と比べると若くて青くて青春!て感じです。ストーリー自体も若くて荒削りな感じ。確かこれが初連載だったんじゃないかな?