ドラマ『きのう何食べた?』最終回が素晴らしすぎて一人実況をやりました



はい。もう。素晴らしすぎて。
あ、ええともう7月も二週目突入してますよね!いだてんも後半だったりエヴァ冒頭公開だったり(まだ見てない!!)ヴィンランドサガがまさかの3話一挙放送だったり佐々木倫子『Heaven?』がいよいよ今夜から!石原さとみに罵られるとかご褒美!
とか色々書きたいんです!書きたいんですけど、まずは『きの何』を!

渋谷でやってたきの何展に時間ができたからふらっと行こうとしたら前売り完売の時間制入場状態で当日ふらっとなんて全然入れる状況じゃなくてすごすご帰ったりとか(移動中の電車内で気づいて問い合わせの電話かけて確認したので乗り換えが無駄になっただけで済みましたが)。

本当に、ささやかな社会現象と言っても過言ではないきの何現象。
ああ素晴らしかった…「きの何ロス」なんて言われていますが、私はまだ余韻に浸っていられるのでロスってないよ。何も失ってなどいない。
本当に素晴らしかったなと。

以下、私が最終回見ながら書き留めたセルフ実況と、ネットの関連記事へのリンクです。単にこの興奮と感動を数年後の自分に届けたいだけの記事。読んでくださったみなさんにも届いたら嬉しいです!

さて。
冒頭のケンジの美容室仲間の人たちの、髪型やヒゲに対するアドバイスはドラマオリジナルでしたね!店長の奥さんがあくまで自分らしくで良いのよ、と言ってくれるとこステキ。こんな奥さんもらっといて手近なとこで浮気するとかマキタサイテー。(マキタスポーツさんは無実です)

家を出る時、シロさんが持ってたとらやの袋をいつのまにかケンジが持ってる!そしてご両親に渡してる!
これよく読んだら漫画の方もさりげなくそうなってましたね!すごい…YながFみさんさすがです。気配りの人。シロさんの細かさや気配りって絶対原作Yながさんの性格だよね。そうでないとああいうキャラは描けない。

あっあとね!この際だからちょっと気になっていたドラマの惜しいとこ書いちゃおう!
あのオープニングのね、郷愁を誘う素敵なメロディーに美しい声の男性ボーカルを乗せた名曲をお供に、シロさんがお料理作って、そしてテーブルに運ぶじゃないですか。
生姜焼き(たぶん)の二つのお皿の、どっちをどっちに置こうか一瞬迷って、生姜がちょっとお皿にはみ出しちゃってる方をケンジの側に置いちゃったでしょ!?
あれは逆だよ!
逆だよ西島さん!
シロさんなら絶対逆に置く!綺麗に盛り付けられた方を相手に、ちょっと崩れた方を自分にする!
村上春樹もエッセイで言うとった。作った方としては、より美しくできた方を相手にサーブしたくなるもの、と。
なので毎週あれ見るたんびにああっ逆だよ〜、西島さんお料理あんまりしないんだろな〜、と思っていました。細かいことですいません。

ーー
で。
玄関での挨拶の時、変に男らしさ出そうとして足を肩幅に開いちゃってるケンジ。
そこ、そこは気をつけでいいんだって。変だって。

ーー
数の子w数の子の音響き渡ってるww
そして台所に逃げるシロさんのいい笑顔ww
お父さんもえって顔してるし。

あるある、ありますよねー。私も20代の頃、「かまぼこは歯型をばっちりつけないように、ちまちまかじって噛み跡を平らにする」みたいな技?をどこかで読んで実践してたな〜こういう席で。

オットのうちに初めてご挨拶に行く服がない!!って夜中に自転車でジーンズメイトまで走ったな〜。間違ってる。色々間違ってるけど。まずなんでいきなり明日なの!?オット急すぎ!!明日実家行くことになったから、ってええええ!?服がないよ!?!?ジーンズしか!!お宅訪問にタブーとされているジーンズしか!!
こんな時間にあいてるお店ジーンズメイトしかない!ってんでジーンズメイト行って、ジーンズじゃない紺だったかグレーだったかの無難なパンツ買った思い出。

ーー
そしてアルバムターン。
シロさん確かにきゃ〜可愛い〜!

そうそうお父さん役ね、志賀廣太郎さんがご病気で降板されたんですよね。代役は田山涼成さん
「確かにいつも思いつめたような顔をしている子だった」というセリフ、原作の中でも印象的で好きなセリフでした。こんなふうに丁寧に言ってくれて嬉しい。志賀廣太郎さんのご快復もお祈りしています。

おお、こんな事情だったとは。
孤高の名脇役「きのう何食べた」シロさん父親役・志賀廣太郎に集まるエール アサジョ

ーー
一方台所のシロさんとお母さん、味見の仕方!味見の仕方が一緒なのは演出!?
手のひらにちょっと取ってぱくっと。小皿に取るとか、菜箸に口つけないようにしつつもそのまま食べちゃうとかじゃないんだ!これ普通!?普通ですかね?手のひらに取る味見。
仕草が一緒で親子〜、っていう演出だとしたら面白いな〜、さりげなくて。と思いました。

お母さんのこの唐揚げなどのノウハウ、一人息子のシロさんとお父さん2人のためだけに長年培ってきたものなんですよねえ。すごいなあ、主婦業って指向性?志向性?の極まったホスピタリティだなあ、と思ったり。

ーー
そしてアルバム見ているお父さんとケンジ、ちょっとしたポジションチェンジですっかり打ち解けてる感が出ている不思議!!

唐揚げが美味しすぎてうっかりいつものオネエな感想を漏らしてしまったケンジに引き気味のお母さんに対し、お父さんが一言情報を与える、という流れるようなシーンの繋げ方!天晴れ!!
この機微はドラマオリジナルです!原作でも流れはほぼ一緒ですけど、ケンジの感想にお母さんがちょっと引いちゃった、的な演出ではなかった。
いやあすごい!ほんとすごい!

ーー
それから帰り道の2人の会話…
シロさんの「油と糖分控えてさ、薄味にして、腹八分目で」という、ご飯に関する何気ないセリフがこんなに泣けるとは。

それからね、原作だとここで、夜道で思わず寄り添ってしまう2人に、通りがかりの無粋なヤローどもがうわ気色悪い!みたいに罵声を浴びせるんですけど、ドラマではそんなのカットでした!
いいよ!!カットでいいよあんなの!!
素晴らしい!!英断!!
きっと原作7巻当時では、しかも男性が主な読者だったモーニングでは、ああいうのを入れておかないと大多数の共感を得られないだろうと想定して、よしながさんご本人か担当さんがあえて入れたんだと思うんですけど、いいよあんなの令和の今は入れないで!!
ほんと素晴らしいです。本当に素晴らしいドラマ化だとこの原作改変で強く思いました。

ーー
ああっそして中村屋!最後の中村屋のテーマにここでも泣きそう!名残惜しい!
そして店員さんのクールなアナウンス!
あっ笑った!!
ていうか中村屋にケンジが一緒に行くって初めてじゃない?はしゃぐシロさんを愛しげに眺めるケンジのまなざし。

ーー
あとキャフェー!キャフェーのシーンね!
すいません見る。店内の女性客たちと同じくあんな睦まじくキャッキャしてるカップルおったら見る。すいません。ダメなのかな。

20年も前の話ですし、しかも友人から聞いた話でしかないんですけど、こういう時ふと思い出す情景があるんです。

学生時代、うちのクラスにゲイの男の子がいて。
4月の最初の自己紹介でカミングアウトしてて、ゲイのための様々な活動の主催もやってます、みたいなアクティブな人で。めっちゃ可愛かったんです。ケンジみたいな可愛さ。ぱっと見は普通の男の子なんですけど、仕草や言葉遣いなんかがいちいち可愛いの。

そんなある日、私が友人C美と待ち合わせしてたら、現れたC美が、そこで〇〇くんに会ったよ、と。
何してんの?と聞いたら、

「ん?彼待ってんの(はぁと)」

やだ可愛い///
てかラブラブやん///ステキ///
と、こっちまで幸せのおすそ分け頂いたみたいなほっこりした気持ちになったのを、なんだかすごくよく覚えてるんですよね。

これってこう、恋してる女子高生を見るような、初々しい若いカップル、あるいは仲良く手を繋いで公園を散歩している老夫婦を見るようなね、そんな気持ちなんですよね。
男性同士、あるいは女性同士…でも女性同士だと友人でもスキンシップあったりするから、やっぱり男性同士の方が日常の中では目立つかもなあ。でも、そういう彼らだからこそ際立つ、ささやかな幸せ、というのかなあ。当事者の方々に失礼だったら申し訳ないんですけど。

前にも書いたように、私なぜかBL読むとオットにも優しくしないとなーと思えるんですよね。なぜホワイ。でもたぶんここなんじゃないかと。当たり前と思わずに、感謝して、大事にしないといけないよな、そうだよね、と思い出させてくれるというか。
うまく言えないんですけど。

ーー
ドラマの話に戻りますと。
そこでシロさん、「なんとなくな」と言い切っちゃうあたり!
これぞよしながふみ!
この、不条理をそのままにしておく感じ、細かく分析して理由づけして分類しちゃわない感じ!
わかりやすくしちゃわない感じ!
ここがすごく好きなんです。
『西洋骨董洋菓子店』の原作のラストシーンもそうだった。わからないものはそのままにしておくかんじに、すごくすごく救われたんですよね、私。
そうか、はっきりしなくていいんだ、スッキリしなくていいんだ、って。

それを、さらにドラマでも!
そのまんま「なんとなくな」で押し通してくれた!!
ドラマってこういう時、「親切な解説」を加えがちじゃないですか!わかりやすくしちゃいがち!
でもそれが無粋なの!
原作の繊細さをガリガリ削ってごろんごろんにしちゃうの!(なんとなくわかってください)
だがこのきのなにのふんわり感!
すごい!!
ほんとすごい!!

ーー
そして、シーンを変えてから、さらりと説明してくれましたね。このセリフも原作通りなんですが、流れが若干違っていて。
ドラマの最終回にふさわしい、静かな、とてもじーんとくる場面に仕上がっていました。

からの、エビチリのあれはアドリブなの!?ケンジがくっだらないことを言ってシロさんが白い目で見つつ笑っちゃう、みたいな。なにあなたたち楽しそう。

うん、ほんと、楽しく暮らせるのが一番だよね。家族と仲睦まじく。
本当に良いドラマでした。

と、ここの話をさっきも出てきた友人C美としていたら、

C美「散髪からのバックハグと、ご飯の支度の間に、二人は致したなと」

な、なんだってーーー!!??

C美「ケンジがルンルンしてるし、あーこれはしたなと」

ぶっはっはっはっはっは!!
私はシロさんというより西島さんがまだか!?まだカットはかからないのか!?どこまでやるんだ!?と内心バクバクしてるんじゃないかと気になってはいましたが。ケンジというより内野さんがいつまでも抱きついてて時々すりすりしたりしてたから、このままでは内野さんの役者魂が先に立ってどんどん進行してしまう!と。
ところがもう進行しきっちゃってた説!
あのあとがっつり進行しちゃった!
言われてみれば!エビチリの妙な下ネタはそのせいか!?
もうそうとしか思えない!

C美「あとシロさんのお父さんお母さん、シロさんは女装こそしませんがタチネコで言えばネコですよ…とも思った」

それいらない情報!!言わないだげて!!お母さんまた壺買いに走っちゃうから!
でも、このあと寝込むんですよね…とは思ったなあー。
この辺は原作ネタバレなので詳しくは割愛しますが、ドラマで綺麗にまとまった話も、原作ではその後もずっとゆるやかに形を変えながら続いたりするのですよ。あの、一緒に遊園地に行った依頼人さんの家族の話とかも。
あと、佳代子さんの娘さんの話とかね!

ドラマは終わっても、原作の方ではまだまだゆるやかに、ああいう感じで二人を中心とした登場人物たちの人生が進んでいくので、これからも原作が楽しみです。ああ本当に、素晴らしかったなあ。

ーー
そうそう!!最終回をフィーチャーすると漏れてしまう重大なキャラ!
ジルベール!!
と小日向さん!!
ひとつ前のクリスマス回も、それはも〜すごかったですよね!!
ジルベール!!
あのケンジの指輪を見せつけるスローモーション!わざわざスローモーション!
それにさすが目ざとく気づいてしまうジルベール!しかしガン無視するジルベール!
こうして私たちがジルベールジルベール言えるのも、竹宮惠子先生が許可をくださったからですよねたぶん!!本当にありがとう竹宮先生!!

あと山本耕史さんの小日向さんがうるっうるしてたのももらい泣き笑いでした。目でか!!隠しきれない涙目。
シロさんの語りも、原作だともっと淡々としてるんですよね。あんなに涙をこらえてつっかえつっかえじゃないの。
ヨシくんとテツさんの回(正名僕蔵さんと菅原大吉さん、そっくりすぎた!!)もそうでしたよね。「両親にはビタ一文渡したくない」というセリフ、原作ではさらっとあっさりだったのを、けっこうエモーショナルに。
ああいう箇所に、原作と違いあえて重い芝居をもってきたのは、やはりそこをしっかり伝えたかったからなのかな。

ーー
関連リンクはまた別記事にします。
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