もうすぐ父の日なのに母の日の話ですいません。
「子供にお手伝いさせてるお母さん」を私は尊敬する!!
突然。すいません突然で。
わかってるんです。将来的に子供のためにも子供と一緒に暮らしてくれる人のためにも自分のためにも、小さいうちから当たり前のように家事をするパーソンに育てておいた方が良いことは議論の余地のないところであるのはガッテン承知の助でありますのですけれども。
もうね、ムリ。
「子供と一緒におかし作り」とかもね、なんて甘々しやわせな光景だと思うじゃないですか。萩尾望都大先生の『イグアナの娘』でも(例えが甘々じゃなさすぎる)「娘と一緒におかし作り、夢みてたわ…」とかほっこりしてるじゃないですかあの闇を抱えたごく普通のお母さんも。ラブラブすてきな子育てじゃないですか。とんでもないです。叫びっぱなしです。俺が。粉まみれにするわバターに指つっこむわ卵粉砕するわ、あのほら絵本のしろくまちゃんのパンケーキあるじゃないですか。マツコデラックスの番組にも出てきた。わかやまけんさんの名作絵本。あれ毎回読むたびしみじみ思うんですけどたまごぽとん、あ、われちゃった、じゃないですよ!ギャアアア何やってんの!ちょちょちょ触んないでもっと被害が広がる動かないでギャーーなんでそこに足を下ろす!!!ちょああああ!!!ってならないしろくまちゃんのお母さんは現人神です。マツコも指摘したどっしりとした肩幅と二の腕であくまでも無表情。きゅうりのようにクール。一方私は阿鼻叫喚です。子どもと一緒のお菓子作り、ちっとも素敵じゃない。なぜこんな騒ぎに。
そんなこんなで、おてつだいするー!とせっかくのお申し出を頂きましても丁重にお断りしてしまうことも多々あり反省の日々です。子供の芽を摘んでいる。
ただでさえそんななのに!さらに恐ろしいのが!
「お手伝い券」ですよ!!
「お手伝い券」!!(カイジのナレーション声で)
母の日のプレゼントの定番!!
あれは恐ろしい…恐ろしいものじゃ…。
「お手伝い券」は闇のアイテムです。
一刻も早くご飯作りとシンクの片付けと洗濯とお風呂の用意をすべて並行して(掃除は優先度低いので外している)やらねばならない!という24(TWENTY FOUR)ばりの秒読みスピード展開のなか、突然天からの啓示を受けてしまったうちの子タロー4〜5歳。
TR「母ちゃん!おてつだいしてあげるー!」
二分割画面でナニイイイ!?ってなる私。進み続ける秒読み。居間のおもちゃカオスから満面の笑みで台所まで移動してくるうちの子。無慈悲な秒読み。ええええ、このくっそ忙しいのに子供が安全かつ満足感と達成感も得られて私の余計な手間も最小限に留められるような作業を急遽設定して提供しないといけないの!?
何だ!何をやらせてあげればこの場がハッピーにおさまるのか!?
気分は新人研修担当さんです。
自信とやる気をくじいちゃいけない。すぐに終わっちゃってもいけない。相手の今のスキルでできるギリギリのところを示して、効率は悪くてもこの際オーケー、むしろ上等。集中してもらえばこちらはこちらで自分のタスクに取り掛かる時間が確保できるじゃあないか!今!この場でのその作業は!なんだッッ!?
といつのまにかジョジョのスタンドバトルみたいな心理状態に。俺が。
最近見つけた技は、「お刺身を切っといてもらう」です。まぐろの切り落としをね、さらに細かく一口サイズに、ステーキナイフで切ってもらうの。そうすると危なくないし一定時間作業に集中しててもらえるしこちらもいろんな意味で助かる。
手がむちゃくちゃ生臭くなるので、ふと見たら飽きちゃって静かにその場を離れておもちゃ触りに行っちゃったりしているあああああ!!!みたいな事態にさえ気をつければだいぶ捗ります。
あと「ごまをする」というのもありました。リアルに。比喩じゃなしに。慣用句でなく。
一時期ブームで、ごまをするのが大好きだったことがあって。2〜3歳の頃。これも危なくないし集中してくれるし、飛び散ったってごまだから掃除機で吸えばいいし、わざわざすりこぎでごますったり面倒でやらないし一品ちょっと一手間加えた感じになるし、栄養もあって良し。良いことづくしでした。
ただいつでもすりごまにスータブルなメニューがあるとは限らないしするのが楽しいだけでタローさんご本人は食べないので、お味噌汁にかけたり白米にかけたりして大人が無理矢理消費しないとだったりしてたんですが。セサミン摂取摂取。
そんなわけで、私が私のストレスにならないお手伝いをなるべくやっていただいています。
by the 私。for the 私。
いつかそれが子どもの人生の糧にもなると信じて。いやそんなん知らん。今そんなん考えてられん。
もっと子どもファーストで、汚れてもあとで拭いたり洗ったりすればいい、ととことんやらせてあげているママさんもいて尊敬しかありません。
えええと…こんなかんじのあひるちゃんとうちの子のおてつだいでした…
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絵本っぽくコミカルな絵柄なのが凶悪。すごい短いページ数の短編なんですよね。本当に凄まじい作品です。
24 -TWENTY FOUR
キーファー・サザーランド