先日知人とひょんなことから、おすすめSFを教えあう機会がありまして。その人から薦められたグレッグ・イーガンの『祈りの海』を読んでみて…ざ、ざんねんながら合わなかった…私にはちょっと、うーん。
今年還暦のおしゃれで気さくなおばさまが、「暗くてね~、もう何っっともいえない悲し~い気持ちになったの!」とおすすめ(?)してくれたのですが、ほんとに暗い。というかエグイ。しかし暗くてエグいからダメなわけじゃなくて(中島みゆきとか新井英樹とかどうなる)、何かこう、ねちっとしてて、んん~。
何よりアレだったのが、脳みそいじる系の話が目白押しだったこと。私ダメなんです脳みそいじる系。いや大抵の人は得意じゃないとは思いますが。大好物ですっていう人の方が少数かとは思いますが、たぶん私人よりいっそう苦手なの。ハンターハンターも脳クチュのおかげで評価だだ下がりだし、大昔に観た映画『ハンニバル』も脳みそ生きたままスプーンですくわれて食われるシーンがあって勘弁してくれと思ったし。『銃夢(ガンム)』はなぜかオッケーなんですけどね。なんでかな。あれこそ脳みそいじってるのに(ラストオーダーはほぼ未読で昔のオリジナルしか読んでませんが)。
ともあれ、そんな脳みそいじる系が苦手なあひるちゃんだのに『祈りの海』ったら脳みそいじる系の短編オンパレードで。薦めてくれた方には申し訳ないのだけど最初の3つ4つ読んだだけで止まってて。
そこへオットくんが、出張の移動時間に読んでみたと。どうだったどうだった?
OT「まあ、確かに脳みそこねる系がキライならあれかもね」
でしょ?そうなのよ。
OT「あひるたんはじゃあ、ぷよぷよの会社のキャッチフレーズとかもキライなのか」
ぷよぷよの会社のキャッチフレーズ??どんなんなの?
OT「のうみそこねこねコンパイル」
さ、サイテー…サイテーです……両手で顔を覆って泣き伏すレベルです。よりにもよって……
OT「……(検索)(差出)」
■のーみそこねこねとは – はてなキーワード
”
今は無きゲームメーカー「コンパイル」が使用していたキャッチコピー。ただし、正確には「の~みそ コネコネ コンパイル」である。
“
サイテー。表記がまたいちいち一番やなかんじ。「~」とか、「コネコネ」がカタカナなあたりとか。他人様の会社のキャッチフレーズに大変失礼で恐縮ではありますがムリです。
と思いました。ところでオットくんが「コンパイルなくなっちゃったのかー」とちょっとさみしそうにつぶやいていました。そうなんだね、ぷよぷよみたいな超メガヒット作ってもつぶれちゃうんだねえ。
ちなみに銃夢はオッケーな理由を考えてみるに、脳みそこねることが作品の中で重要なテーマ、登場人物ノヴァ博士にとってのアイデンティティになっているからだと思います。他の作品は残虐さやグロさのための演出にすぎなくて、そこがいやなんじゃないかな。脳みそどうにかされるってこう、その人の人格や尊厳を踏みにじられるじゃないですか、すんごいあったり前のこと言ってて恐縮ですが。そういうところが見るに耐えない。んじゃないかな。
あと『祈りの海』に関しては、訳があわなかったのもあるのかなあ自分の好みと。原文もそういう英語なのかな?まわりくどくて何度か読み返さないと意味が掴めない箇所がいくつかあったり、皮肉屋っぽい語り口というのか、斜に構えたような物言いもあんまり読んでて楽しくなかったな(´・ω・`)。
んー、好きになれなかったのは残念だけど、久々の知らない作家さんとの出会いでした。もうひとつおすすめしてもらったのは『天の光はすべて星』。こちらは未読ですがどうかな、楽しみ。
私からおすすめしたのは上橋菜穂子先生で、そしたら『精霊の守り人』シリーズにどハマりして一気読みしてしまいました!とお返事を頂きました。嬉しい。
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関連あひる
鱗粉系も苦手です。
■September 06, 2008 オライリーの表紙も凶悪 [鱗粉ムリ]
■March 13, 2010 弐瓶勉スレメモ、気づけばSFがけっこう好きみたい
■March 22, 2012 好みにあいそうなミステリを紹介しあうスレ