もう本当に最新刊も素晴らしすぎて言葉もありません。
海街diary(うみまちダイアリー)5 群青 (flowers コミックス)
著者:小学館
販売元:小学館
(2012-12-10)
販売元:Amazon.co.jp
5巻目を数える今回の『群青』ですが、もう本当に素晴らしい。この海街シリーズは、1話ごとにオムニバスのような形で話がきちっと成立していて、そのひとつひとつの出来映えが本当に素晴らしいです。家族ものとしても、中学生の瑞々しい青春ものとしても。一話ごとに笑い、泣き、深く考えさせられ、そしてちょっと元気になれる。
(以下、若干ネタバレあり)
その一話一話、登場人物の一人一人が、5冊分約20話の時を進むうちに少しずつ関わり合い、成長していく。近づき、あるいは離れていく。その過程が鎌倉の街の生活や季節感とともに、鮮やかに繊細に、ユーモアを交えて描き出されていくというもう本当に!素晴らしいとしか言いようがありません。
素晴らしい内容の大作は数あれど、大抵は数冊から10冊以上も読み進める必要のあるものばかりで(どれも素晴らしいので一気に読んでしまえるのですが)、この作品のように1話だけ、1冊だけ手にとってもそのすべてに物語全体のエッセンスがしっかり込められているというのはそうないのではないか。1話だけでも読んでもらえれば作品の魅力を一発で解ってもらえるというのは人にお薦めする際にも嬉しいポイントです。
今回5巻の中で、登場人物の一人に大病の兆しが見つかってしまいます。精密検査を受けに行くまでの重い気分、結果を待つ間の不安、動揺、そんな自分を「情けない」と思ってしまう気持ち、親しい人にほど打ち明けられない葛藤、「病気になったっていうだけで、住む世界が違ってしまったみたいで」という孤独感。確率という数字の意味のなさ。
そんな細かい感情の機微の描写にいちいち心を動かされてしまうのは、やはり私が今この30代後半という年齢になったからだろうな、もっと若い時、ただ健康に日々を過ごせることの貴重さ、幸運さに気づいていなかった頃に読んでもここまで考えられなかったかもしれない。そんなことを思うともなく思ってみて、ふと主人公の一人、中学生のすずはその年齢で家族の死に幾度も立ち会ってきたのだと思い至ったり。
物語としても面白く、笑ったりぐっときたり夢中になって楽しく読めますし、同時にそんなふうに、ふと自分や家族友人など身近な人たちの人生についても静かに思いを馳せることができる、そういう作品です。
関連あひる。
■August 21, 2007 蝉時雨がやむ頃というのは、(1巻の感想)
■October 28, 2008 「医者にしてはまとも」 吉田秋生『海街diary』2巻
■February 15, 2010 新刊ラッシュ、聖☆高校生と海街Diary
4巻については書いてないけどやっぱり素晴らしかったです。ほんとにひとつひとつの話がさりげなくすごい。
これもものすごく気になります。お値段高くてもいいからカラーページはカラーで載せてほしい!と前から思っていましたがまさにそういう本。
吉田秋生-夜明け- (フラワーコミックス)
著者:吉田 秋生
販売元:小学館
(2012-12-07)
販売元:Amazon.co.jp
海街diary 1 蝉時雨のやむ頃
著者:吉田 秋生
販売元:小学館
(2007-04-26)
販売元:Amazon.co.jp
海街diary 2 真昼の月 (フラワーコミックス)
著者:吉田 秋生
販売元:小学館
(2008-10-10)
販売元:Amazon.co.jp
海街diary 3 陽のあたる坂道 (フラワーコミックス)
著者:吉田 秋生
販売元:小学館
(2010-02-10)
販売元:Amazon.co.jp
海街diary 4 (flowers コミックス)
著者:吉田 秋生
販売元:小学館
(2011-08-10)
販売元:Amazon.co.jp
ラヴァーズ・キス (小学館文庫)
著者:吉田 秋生
販売元:小学館
(1999-08)
販売元:Amazon.co.jp
うん、うん、今回も良かったですねぇ~
やっぱ、吉田はイイですネ!
もう「ミド・フォー」のオヤジですが、この類のも読んでます。
というか、吉田は別格で、高校の頃から読んでるので(「河よりも長くゆるやかに」~で、ほぼ全巻コンプリしてます^^)
ある解説で書かれていたんですが、吉田の主人公たちは何らかの「トラウマ・心の傷」を抱えていて(今作もそうですネ)、内容は「Banana~」の様なアクションものもありますが、基本的に「魂の鎮魂と再生」を描いていますよね。
なので悲しい結末だったとしても(アッシュや凛みたいな)、とても落ち着く・納得できる作品ばかりで、それがとても「心地よい」んで大好きです!
ま、願わくば、もうちっと早く出ないかな?というトコでしょうか?年一じゃファンとしても辛いわぁ~:::(^^;)
それが唯一の「玉に瑕」ですが、この内容でしたらそれもまた納得・といったトコでしょうかね?
この「海街~」では、すずちゃんも可愛いですが、何と言っても『風太くん』がイイですね!
気配りが出来て、尚且つ男の子らしく、そして実に「等身大的な中学生」であるトコが「お気に」です!
何ともイキナリで、長文のレス・失礼しました~
長年のファンとして、こういった「素晴らしい感想」は嬉しくってネ!
初めてこういったトコへレスしてしまいました。
ああッ~!早く6巻・出ないかなぁ~・・・
(また来年まで・か?辛いよ・吉田さん!笑)
初めまして。私も吉田秋生さんの作品が大好きです。
待ちに待った5巻を読んで、こちらの文章を読んで更に嬉しくなり、コメントしてしまいました。
40代の私だけではなく、10歳の娘も「海街Diary」を繰り返し読んでいます。彼女なりに感じるところがあるんだろうなぁ。
素敵な文章ありがとうございました。
> jamcoucilさん
はじめまして、こちらこそお褒め頂き嬉しいです!本当に素晴らしい作品ですよね。「魂の鎮魂と再生」、だから悲しい結末だとしても、落ち着く・納得できる…すごくすごくわかります。そうなんですよね。
年一冊のペースも、それが作者さんが無理なく描きやすいペースならもう喜んで待ちます!昔に比べて漫画家さんも無茶な働き方をさせられなくなって良かったなあ、と思ったり(新人さんは今でもかもしれませんが…)。
風太くんいいですよねえ!年相応におたおたしたり情けなかったりしつつ、ハッとするほど洞察深かったり。多田くんのスマートさも大好きです。あの、すずちゃんへのプレゼントのアドバイスとか!モテる男は違う!
> 富乃宝山さん
はじめまして、こちらこそ嬉しいコメントありがとうございます!わああ、娘さんと読んでらっしゃるのですね!私たちのようにすっかり大人になったからこそしみじみと励まされるものもありますが、そんな若いうちからこんな作品に触れられるなんて、なんて素敵なことでしょう。
こんにちわ!またコメントさせて下さい。
んで、ニュースはもう確認されましたか?
「海街diary・マンガ大賞受賞」
コノ前の*にも書きましたが、永年のファンとしては嬉しいニュースですネ!
「にわか」でも構わないんでファンがもっと増えると更に嬉しいです。
で、読めばキット嵌ると思うんでネ!(^^)
でも・・・怖いのが「映像化」
満足な演技もできないアルファベット軍団・アイドルとかJタレは勘弁してもらたいです。
後、今回のニュースによって「6巻」の刊行が早くなるんじゃないかな?
などと、期待しています!(笑)
*前回はご返事まで頂きまして・・・大変恐縮です!
> jamcoucilさん
マンガ大賞取りましたねえ。良い作品が評価されて、多くの人に読まれる機会が増えるのはファンとして嬉しいですね。
映像化も、ありそうな気がしますね。昔に比べると最近は丁寧に良いものを作ってくれる場合も増えてきた気がするので、ぜひそっちで。もう小津か北野武かってくらい叙情溢れる映像を作って頂きたいです。
どうもごぶさた・です!
んで、映画化のニュースはもうお聞きになりましたか?
前の*で映像化の話をされてましたが、ホンとになりましたねぇ~・・・
内容云々より、キャストの話題が先行してますね。
長澤は地元出身だし、『ソレなりに』応援もしてますが(^^;)、どうみても「佳乃」のイメージじゃないし、綾瀬もキレイだとは思いますが、「幸」~?
「千佳」はストーリー上、そんな重要じゃないんで(ゴメン)いいんですが(演じるコもよく知らない)、「すずちゃん」もよく分からないです。(実際にそのコは全く知らないです)
話題もこの4人だけで、「風太」とかの話は聞かないし・・・
さて、どうなるコトでしょうか?
原作のファンとしては、とても心配です。
既にネットでは、杞憂する*が多いです。
私も「激・同」です。
個人的にも監督の是枝は・・・な感じです。
映画とかど~でも構わないんで、早く6巻を出してもらいですネ!
ちょっと気になったんで送らせてもらいました。
でわッ!!
> jamcoucilさん
ご無沙汰しております!映画化情報、初めて知りました!ありがとうございます。
綾瀬はるかさん、イメージは確かにちょっと違うかなと思ったのですが、私の周りではすごく評判の良い女優さんなので、けっこう楽しみにしています。他のキャストや脚本も、どうなるんでしょうね~。