宮部みゆき『火車』、上川隆也でドラマ化

なんとそんな企画が!
宮部好き、隆也好きの友人が教えてくれました。ありがとう。見る。
本日11/5土曜、テレビ朝日で夜21時より、2時間あまりのドラマだそうです。公式サイトでは予告編を観ることができます。おお、なかなか良い感じかも。
テレビ朝日|宮部みゆき原作 ドラマスペシャル 『火車』
14)

主演、上川隆也と佐々木希ちゃんじゃないですか。予告編で見る限り、佐々木希ちゃんもなかなか原作の人物像にあっているのかもしれません。


いやしかし、宮部作品の映像化では今までファンとして散々な目に遭ってきたので…どうなることかどきどきです…。今回こそは松本清張ドラマのような重厚で骨太かつ繊細でもの悲しい、原作通りの映像作品になってほしい。
松本清張ドラマといえば、印象深いのが『駅路』でした。深津絵里が地味で清貧な待つ女を演じていてまあ可愛らしくかつ気の毒で。あと木村多江の幸薄さもはんぱなかった。木村多江さんは『ゼロの焦点』でも幸薄かったですね。
今回の『火車』も、キャストの中の井上和香と美保純が、どうやら水商売の女役として出ているようでこれまた幸の薄さの層が厚いというか何というか褒めてます。楽しみです。
関連リンク。
こんなまとめ発見。随分多いんですね!私が見たのは『クロスファイア』『模倣犯』、あと『理由』をちらっとくらいなのでほんの一部だ。
舞台・映像化された宮部みゆき作品 – NAVER まとめ
隆也の所属していた劇団、キャラメルボックスの話。(2009年に退団し、以降は客演として出演)
May 11, 2011 [地震関連] キャラメルボックスの春公演はどのような状況下で行われたか
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観終わって追記。
お、面白かった!面白くってほっとしました!
原作をなかなか忠実に、淡々と映像化している感じがしました。キャストがどの人もわりに原作のイメージに近かった。特に関根彰子、宇都宮出身の赤毛のほう。彼女がなんだかぴったりだった。それから寺脇康文さんの飄々とした相棒っぷり。寺脇さんらしい役どころでもあり、同時に宮部作品にもこういうキャラって定番という印象があります。あと保っちゃんも。原作ではもっと身体の大きな屈強な若者という描写だった気がしますが、でもうん、こんなかんじの実直な人柄だったよな。保っちゃんの奥さんの複雑な心境なども、短いやりとりできっちり盛り込んでくれたなあと思いました。
いま原作をつい手に取ってぱらっと見てみたところ、さすがに捜査(というか捜索)の手順や、手がかりに至るまでの道筋などは原作のほうがより詳しく複雑に書かれているようです。その辺を、ドラマではうまくはしょっていたみたいですね。
隆也も苦み走った父親役、良かったです。あんた不器用や。不器用すぎや。
全体的に、ちょっと淡々とし過ぎていたのかな?とも思いますがどうかな。原作を知って見ている分には、おおお、そうそうそうだった、と核心に近づいていく感にわくわくできましたが、知らずに見てるとピンとこなかったりするかしら。ドラマシリーズ『相棒』の見過ぎで、どうもすっかりドラマに点数が辛くなってしまっている最近です。やーでも面白かった。今度は『龍は眠る』を寺脇さん主演で映像化してくれてもいいなーなんて思ったり。
そして、『火車』って宮部が32歳の時に発表された作品なのですね。その若さでこの重厚感。
1990年代、バブル崩壊直前の頃のお話でしたが、テーマになっていたクレジットカード等による多重債務について、今も現状はあまり変わっていないどころか悪くなっている気さえするな、と、ドラマの合間にも明るいキャッシングのCMが流れているのを見ながら思いました。
物語の登場人物であった女性も、きっと当時よりも法律が整備された今なら親の借金であそこまで追い込まれたりせずに済んだのかもしれませんが、月賦をローンと言い換え、借金をキャッシングと言い換えて、気軽で日常的なものだというイメージを作り出すことに関しては、今のところ規制がかかる様子はないようです。物語の舞台となった90年当時には、借金を勧めるようなCMをやっているなんて想像もできなかったし、今でもなんだか違和感を覚えます。
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さらに追記。2ちゃんの反応。好評だったようす。
芸スポまとめblog : 【ドラマ】佐々木希のセリフ全くなしの「火車」が17.0%で“土9”横並びトップ! ベム15.8%、三谷9.1%
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もうちょっと追記(2011/11/25)
ドラマ以来ちょっとずつ原作を読み返していて気づいたのが、主人公の刑事の妻が亡くなった時期について。ドラマでは半年前、ケガによる休職が3ヶ月前、となっていましたが、原作では妻を亡くして3年、休職して数ヶ月ほど(3ヶ月?)でした。
全然関係ないかもしれないけれど、時間の加速度が、当時と今とでは違っているということなのかな、とふと思いました。時間や物事の移り変わりの速度、変化に感覚が慣れてゆくまでの時間、あるいは慣れるまでに費やせる時間が。
20年前は、3年前のことをまだ整理しきれずにいても自然なことだったのが、今に置き換えると3年前の出来事では過去すぎる、ということなのかな、だから「半年前」に変更したのかな、と。
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“宮部みゆき『火車』、上川隆也でドラマ化” への1件の返信

  1. 好みにあいそうなミステリを紹介しあうスレ

    これはなんというお役立ち。
    ■好みにあいそうなミステリを紹介しあうスレ:アルファルファモザイク
    先日も似たようなスレ(のまとめ)をオットと見ていて、こういうところでよ …

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