『真菜板』つづき。くりおねさんからお手紙ついた。日本酒についてもうちょっと。

先ほどご紹介した至福の居酒屋『真菜板』の記事に、一通のトラックバックが舞い込みました。どなたからかと思えばくりおねさん!
あまりにも先の記事を補完して下さる内容に感激し、こうして別記事を立てている次第です。


『真菜板』に行って、まずまっさきに「ああ、連れてきたい!」と思ったのが日本酒大好き新潟出身、くりおねさんだったのです。「アルコール酵素を有効に活用するために一杯目から日本酒!」「とりあえず純米!」などの名言を持つくりおねさん。
何より実は、以前の飲み会セッティングの時に”くりおねさんを喜ばせるお店リスト”の中に『真菜板』入ってたのです(この時は人数の都合で断念)。
というわけで、ぜひ今度ご一緒しましょう☆
そんなくりおねさんがトラバ下さった記事がこちら。
COMIC 「蔵人 クロード」第一巻&第二巻 尾瀬あきら(くりおね あくえりあむ)
(【】=引用)
【「夏子の酒」「奈津の蔵」の前作二作品では、酒づくりそのものに焦点を当てられていましたが、今回はさらに踏み込んで「どうやって飲むか」「何を飲めばいいのか」というところにまで視点が広げられているのが印象的です。】
『蔵人』、初めて知りました。これは面白そう。
いや、恥ずかしながら私、『夏子の酒』『奈津の蔵』も未読なのです。これはもう大人買うしか。


また、くりおねさんの記事にはこうも書かれています。
【日本酒は本来食中酒であり、料理と併せてこそ料理とお酒が両方さらにおいしくなっていくという事実がいつの間にか伝えられずにいる今、この作品はとても重要な「日本酒を中心とした食文化」をもう一度伝える役割を担っているのだと感じました。】
こ、これはまさしく、先日私が『真菜板』のご主人から聞いた話そのまんまです。
日本酒は食中酒。
実は私も最近になってようやく、この言葉を再認識したところだったのです。
それまでのここ数年は、居酒屋に行くと焼酎ばかり頼んでいました。翌日残りにくいから。あと趣味に合う。もともとラムとかジンとかウォッカとか、スピリッツ系が好きなのもあって焼酎のきつさというか辛さというか、酒っぽさがはまったんですね。
だから「女性に人気の」とか「あっさり飲みやすい」とかいうのじゃなくて「芋くさ~くて濃い~のはどれですか」とかいう注文。
それより前は、日本酒、地酒大好きでそればっかり飲んでました。もともと初めて覚えたお酒が『菊水ふなぐち』だったので、やはりここでも濃いい酒。八海山の黒いラベル(吟醸酒ですね)が大好きでした。
学生になってチェーンの居酒屋などに友人と行くようになって、”日本酒”っていうお銚子頼んでみたらなんじゃこりゃ飲めねえよ!こんなん日本酒じゃねえ!なんていう生意気な若造。
親が通ってる高くて良い居酒屋についてって、良い地酒ばっかり飲んでる娘でした。
それが何となく、地酒に手を出さなくなったのはどうしてだったかなあ。。当たりはずれが大きいなあ、と思ったからだったでしょうか。うーんあんまり口に合わないなあ、何だかつーんとアルコール臭くて飲みにくい….と、そんなふうに思ってしまう一合って飲み干すのがしんどいんですよね。しかも値段もけっこう張るし。そしてまんまと翌日二日酔い。
そんなことが続いて、なんとなく焼酎にシフト。折しも流行っておりますので、どこへ行ってもたくさんの銘柄が置いてある。そんなこんなですっかり焼酎ばかりを飲むように。
で。時は流れて。
ある時入った料理のおいしい居酒屋さんで。
魚料理が旨い。
最初はいつもの習慣で焼酎を頼んだけれど、これは日本酒だろう、ということで久しぶりに地酒を頼んでみた。
ちょ…………..
思わずしばらく無言になるくらい旨い。
それでようやく、焼酎だと刺激が強すぎて舌が麻痺してしまう、料理とあわせるのなら日本酒だ、と、気づくことができました。(って前にもちらっと書きましたね
さてそう思ってみても。
今、飛び込みで”地酒のお店”を探すのは非常に困難ですよね。どこも焼酎の割合のほうが多い。10年ほど前かしら、地酒ブームの時にはどこもかしこも地酒地酒で焼酎なんてほとんど置いてなかったのに、今はほとんど逆転してしまっています。
いや、あの、焼酎がだめだと言いたいんじゃないのです。
もちろん焼酎には焼酎の良さや楽しみかたがあるのですが、こうもぶわーーーっと流行ってしまって、猫も杓子も同じものに染まってしまうというのはどうなんだろう。本当にそれがおいしいと思って、今食べている料理に合うと思って選んでいるのかなあ(飲む側も、用意しているお店側も)、とちょっと前までの自分を棚に上げて疑問です。
そしてそんな水物・流行ものに流されて、ブームでほうっておいても売れていた地酒の蔵が今潰れてしまったり、反対に今は波に乗って飛ぶように売れている焼酎は、そういう造り方・出荷の仕方に慣れてしまった数年後には果たしてどうなっているのだろう、と、しても仕方のない心配をしてしまいます。
数年前から定期的に取り寄せている、鹿児島県沖永良部の黒糖焼酎(新納酒造の寿と、赤いラベルの30°焼酎)があります。
(下の写真は酒造所を見学させてもらった時のもの。事務所で利き酒させてもらって、みんなで注文書を書きました)
新納酒造、見学新納酒造、事務所で利き酒

その時ちょうど東京では黒糖焼酎ブームで、九州にも業者が買い付けに来るものだから品切れ続出、県内に出す分もまったくなくなってしまった、なんてニュースをつい先日見たばかりなのに、新納酒造(にいろしゅぞう)さんには何事もないかのように、ダンボールで出荷を待つ商品がのほほ~んと積んである。
東京ではこれこれこんなんですよ….なんて思わず酒造所のかたに言ってみましたが、へえ~そうなんですか~、とのほほんな反応。
宣伝したらもっと売れるだろうに商売っ気がないなあ、のどかだなーなんて思っていましたが、何というか、一時のブームに左右されない、ああいう姿勢が本当に大切なのかもしれないなあ、と。物作りには。そんなことを『真菜板』のご主人の話を伺って、くりおねさんのエントリを読んで、思います。
商売ですから、なかなかそういうわけにもいかないのだろうとも思います。霞を食べては生きられない。売れる時には売りたいだろうし、売れないものを手間暇お金をかけて作り続けるなんて、口で言うような簡単なことではないでしょう。
いち消費者としてできることは、やっぱりおいしいものにきちんとお金を払うことかしら。おいしいものを探して、求めて。
それから、遅くなりましたが、blogでお店を紹介することを快諾して下さった『真菜板』のご主人、杉田さんに改めてお礼を申し上げたいと思います。
いわゆる”こだわりのお店”って、そういうのをいやがる場合もあるでしょう。実際TVや雑誌など大きなメディアで紹介される威力は凄まじいと聞くので、そういうものに翻弄されるのはごめんだというのも無理のないことだと思います。
ですが、情報を求めている側としてはやはりとっかかりが欲しいのです。別にグルメサイトにお金を払って掲載してもらわなくとも、webのどこかに載っていれば、検索して辿り着くことができます。お店の側も、ひっそりでいいので、道しるべを用意しておいて下さると助かります。
へのへのもへじ**『真菜板』で飲んだお酒リスト、住所電話などはこちらに書きました。
写真はこの日飲んだ中から一本、秋鹿 純米吟醸 へのへのもへじ。

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5 Replies to “『真菜板』つづき。くりおねさんからお手紙ついた。日本酒についてもうちょっと。”

  1. こんにちは^^。
    日本酒のマンガもいろいろ出ているんですね。ワイン派なので(日本酒も好きだけど)あまり知らなかったけど今度見かけたら読んでみます。
    >いち消費者としてできることは、やっぱりおいしいものにきちんとお金を払うことかしら。おいしいものを探して、求めて。
    同感です。ブームに乗って変なものやお店にお金は払いたくないですね。
    先日フランスでお世話になったドメーヌ(ワイナリー)のご夫婦が来日されました。身体に優しくおいしいワイン作りへの情熱をお聞きして頭が下がる想いでした。
    ところで、「るみ子の酒」ってご存知ですか?
    http://homepage3.nifty.com/moriki/
    商品ラベルの絵は尾瀬あきらさん。飲みやすくておいしい日本酒ですよ。

  2. 菊水の名を見て飛び込んできました。
    僕が子供の頃、親父の実家では菊水酒造に米を卸していて、
    初酒も、親父と一緒の晩酌も、独立仕立てでフトコロ厳しい頃も、
    いつも菊水と一緒でした。
    「米と一緒に送ってくださいー」と何度ばーちゃんちにTEL入れたことか。

  3. >shamonさん
    >ブームに乗って変なものやお店にお金は払いたくないですね。
    そうなんですよね、そういうことをしないことって、実はけっこう難しくて大事なことなのかも、と最近特に思います。
    >身体に優しくおいしいワイン作りへの情熱
    >をお聞きして頭が下がる想いでした。
    ううん、本当に真摯な作り手のかたがたのお話には頭が下がりますよね。
    あっるみ子の酒!ありましたよ。今回は飲みませんでしたが、ラベルや説明を見せてもらいました。

  4. >ryoooさん
    おう、飛び込んできたー。
    >僕が子供の頃、親父の実家では菊水酒造に米を卸していて、
    >初酒も、親父と一緒の晩酌も、独立仕立てでフトコロ厳しい頃も、
    >いつも菊水と一緒でした。
    おおおお、何と素敵な。。逢坂みえこの短編にそんな、毎年届く酒と父親と息子の話がありました(『桜酒一献』)。そういうのっていいですよね。
    でもそういうものはどうしても時の流れに逆らえないものなので…若い世代が引き継がないといけないんですよね。。

  5. 惚れてまうやろくりおねさん

    なんてすてきな往復書簡でしょう。
    くりおねさんのblogに、「先日珍しく神戸に出張があり、ツイッター経由で知った居酒屋さんに行ってきました。」という記事が上がっており。
    ■神戸三宮の「さかな料理 咲咲」さんに行ってきました: くりおね あくえりあむ
    相変わらずフ….

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