オスカル症候群 ~志村貴子『放浪息子』

さあ、書くぞ~『放浪息子』。
日本全国・見たいもんはみたいぞの会の、「小学生をマンガの題材とすることについて」というエントリの中で、並み居る大作と引き比べてなお絶賛されていた志村貴子さんの『放浪息子』。気にならないはずがありません。読みました。


う、うおお痛い(;口;)。
内容に触れる前にまずは。
絵がとっても綺麗。カラーが大変綺麗!淡くてポップな水彩が美しいです。
それから、悪意な人物が出てこないところもストレスがたまらなくて良いです。
見たいもんのいしたにさんも「説明できない」とおっしゃっているように、内容というか雰囲気というかは読んで頂くしかないとして。あああ、続きが気になる。どうやって終わらせるつもりなんだろう。
テーマとしてはおそらく。
小学校高学年の少年少女たちを、モロ第二次性徴期問題に取り組ませています。痛いはずです。男性も読んで痛いようですが、女も痛いです。
生理になったりムネが痛くなってきたり、周囲からオンナとして見られる気色の悪さ・重さ・絶望感。
覚えがある、覚えがあるぞ~(苦)。
むしろどうして今こうして自分の性を受け容れて普通に暮らせているのかが不思議になってくるほど、読んでいるとあの頃の感覚が甦ってきます。
登場人物の高槻さんほど切迫してはいなかったかもしれないけど、女子なら誰でも「男の子になりたかった」と思っていた時期、ありませんか?
日本はそろそろこれを教科書に載せるべきなんじゃないかな、というくらい国民的名(迷?)作『パタリロ!』の初期に、聖歌隊の少年合唱団のリーダー的存在が実は女の子だった、という話がありました。
(ちなみに「11月のサナトリウム」つー何ともアホなタイトルの話ですが、これは萩尾望都「11月のギムナジウム」へのオマージュなんですね;)
ま、そのサナトリウムのほうで。いやパタリロのほうで。
男の子になりたかったんだ!と泣いて告白するその少女の目から見た「男の子たち」の描写が、美しくて切なくて秀逸でした。ボール遊びではしゃぐ、キラキラした男の子たち。「かかとに羽が生えているんじゃないか」とか書かれていてもう、ほんと少女の憧れそのままです(いやまあ魔夜峰央ですからもうちょっと違う、バンコラン的視点も含まれちゃってるのかもしれませんが)。
中学の時、雪が降ったか何かでぐしょぐしょの校庭に男の子たちが駆け出して泥まみれになってサッカーやってるのを、教室の窓から眺めながら友人女子と
「いいよねえ」
「男の子に生まれたかったな」
「ね」
とぽつぽつと語り合ったことを思い出します。紺色の制服スカートに身を包んで、ストーブの湯気で曇る窓ガラスの内側で。
女子の皆さん、そんな経験ないですか?
男性はこんなふうな転性願望率って低そうですよね。そしてその願望を持ってしまったら女子より困難でしょうね。『放浪息子』の二鳥くんのように。
そんな個人的な記憶のリンクをしばしうろうろしてしまいました。
いやしかしこれはよいものを知った。
『敷居の住人』も集めようかな。
あと、いろいろ思いついてしまったので「小学生を題材としているマンガ」について、私も書いてみたいと思います。
*追記’05/12/28*→書きました~。

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5 Replies to “オスカル症候群 ~志村貴子『放浪息子』”

  1. 二鳥くん、キミはblogをやりなさい。~『放浪息子』5巻

    志村貴子『放浪息子』5巻、やっと出ました。
    もう月1冊くらいのペースで出してほしい。
    ネタバレはしませんが、ストーリーには関係ない細かいところをちょぴっとだけご紹介させて下さい。

  2. フェミニズムはやっぱり関係なくないんだ! よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり 途中感想

    よしながふみの対談集、買いました。まだ半分くらいなのですが、いやあ。。
    おもしろい!!

  3. 放浪息子8巻と大東京トイボックス3巻

    放浪息子 8 (BEAM COMIX)志村 貴子エンターブレイン 2008-10-25by G-Tools
    大東京トイボックス 3 (3) (バーズコミックス)うめ幻冬舎コミックス 2008-10-24by G-Tools
    ぐおー、どっちも痛い急展開です。放浪息子は胸が、大東京トイボのほうはもはや胃が痛い。。

  4. 志村貴子『青い花』アニメ化

    青い花 1巻 (F×COMICS)志村 貴子太田出版 2005-12-15by G-Tools
    うわあ!びっくり。
    ご本人のblogで知りました。
    ■日々メモ | アニメ化
    もうちょっと詳しい情報を求めて検索してみた。

  5. 田中圭一の『ペンと箸』、魔夜峰央と手塚治虫

    おお、ちょうどバンコランがどうとか書いてたら(ていうかわりとよく書いてるけど)、魔夜峰央先生の娘さんがゲストではないですか。
    ■【田中圭一のペンと箸-漫画家の好物-】 …

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