柴田昌弘『紅い牙』シリーズ『ブルーソネット』などがKindleで0円〜99円!(重複注意)

あらま懐かしい。あひるちゃんが小学校の頃から読んでいた、少女漫画誌『花とゆめ』に連載していた男性作家によるエログロハードSF超能力バトル漫画長編、柴田昌弘先生の『赤い牙』シリーズが今Kindleで安くなってます!ものによるけど1冊0円!だったり99円だったり!
キャンペーン価格のうちについ30冊くらいまとめ買いしちゃったのですが、買ってみたら重複している話があったりしたのでせっかくだから情報を整理しておきます。

えっとですね、『紅い牙』といえば全19巻の『ブルーソネット』が一番有名ですが、その前日譚となる短編も8話分ある。読んでみたらブルーソネットに収録されている短編も混じっていたので、まとめ買いはしないで1話ずつ購入をおすすめします。

こちらから!記念すべき一作目『紅い牙 -狼少女ラン- 1』です。
第1話発表は1975年!あひるちゃんが生まれた年じゃないですか。
現在0円。

愛蔵完全版 紅い牙 -狼少女ラン- 1
柴田昌弘
ゴマブックス株式会社
2021-03-15





表紙は最近(といっても完全版が出た頃だから2000年くらい?)描き下ろされた綺麗な絵なので中身を見るとびっくりします。北島マヤみたいなめちゃ昭和少女漫画な絵柄です。
それから、こちらは短編集ではなく短編1話分のみ。54ページ。あら?昔持ってた単行本だと何話か入ってたんだけど、その他の短編SFなんかはどこいっちゃったんだろう。

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で、2話目が『紅い牙 -鳥たちの午後- 2』
記念すべきバードとワタルくん初登場の回です!なぜか表紙はイワンとソネットだけどイワンはまだ出てこないよ。
こちらも同じく1話分で、現在0円。ページ数を見るといきなり100ページとか書かれているので、どうも昔の単行本をスキャンして1話ずつ分売しているみたいですね。

愛蔵完全版 紅い牙 -鳥たちの午後- 2
柴田昌弘
ゴマブックス株式会社
2021-03-15



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3話目が『紅い牙 -さよなら雪うさぎ-3』、イワン登場!哀しいお話です…。
なぜか表紙がベース弾いてるバードだけどバードは出てきません。
こちらも1話分、99円。

愛蔵完全版 紅い牙 -さよなら雪うさぎ-3
柴田昌弘
ゴマブックス株式会社
2021-03-15



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4話目『紅い牙 -タロン・闇に舞うタカ-4』
タイトルかっこいい。とある人物が再登場!
1話分、99円。

愛蔵完全版 紅い牙 -タロン・闇に舞うタカ-4
柴田昌弘
ゴマブックス株式会社
2021-03-15



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5話目『紅い牙 -コンクリート・パニック- 5』
1話分、99円。
小説家の桐生さん初登場!悪役の安曇親子がむちゃくちゃ下衆。拷問大好きドSのド変態です。こんな漫画小学生が読んじゃあかん。

愛蔵完全版 紅い牙 -コンクリート・パニック- 5
柴田昌弘
ゴマブックス株式会社
2021-03-15



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6話目『紅い牙 -ハトの旋律- 6』
1話分、99円。
王翠学院の奈留や真知姉妹、杵島大介くんたちが登場!

愛蔵完全版 紅い牙 -ハトの旋律- 6
柴田昌弘
ゴマブックス株式会社
2021-03-15



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で、ここからの2話はブルーソネットにも収録されているのでご注意。

7話目『紅い牙 -番外編 I 獏(ばく)- 7』
1話分、99円。
なんと!和田慎二先生の『超少女明日香』と共著です!ランと明日香が一緒に活躍する短編!すごいな!超豪華企画!
ブルーソネット全巻は買わないけど5人に増える超能力少女明日香のファン!という方はこのお話だけ購入してぜひお読みください。エグい超能力ものですけど。

愛蔵完全版 紅い牙 -番外編 I 獏(ばく)- 7
柴田昌弘
ゴマブックス株式会社
2021-03-15




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で、こちら8話目『紅い牙 -番外編 II ワタルくんスクランブル- 8』
1話分、99円。
中学生になったワタルくんがクラスで奮闘するほのぼの短編。これもブルーソネットの巻末に収録されていますので、ソネット全巻買う人は買わなくてokです。



ここまでの8話分が、『赤い牙』のブルーソネット以前の初期短編シリーズですね。
正確には7話と8話はブルーソネットの途中に執筆された単発企画もの。最初の2話分が0円なので、8話で594円(現時点)。全部あわせてやっと単行本2〜3冊分くらいの分量なので、そう考えるとまあ普通のお値段。
ただ、ブルーソネットは昔の花とゆめコミックスの1冊分が99円なのでかなりお買い得です。私は両方ともまとめ買いで一括購入して読み始めてから重複に気づいたのですが、短編7話と8話は重複しちゃったけどブルーソネット19冊が1584円で買えたので十分元は取れているからいっか、と思いました。

初めて読み進める場合は、まずこの短編を1から6まで読みましょー。それからブルーソネットに取りかかるとわかりやすいです。
私は小学生の頃ブルーソネットから読んでハマってコツコツと古本で初期短編集を遡って集めたので、おお絵が古い!とかわあバード初登場!とか桐生さんキターとかへえ奈留と真知はこんな初期から出てきてたのかー、など感慨深かったです。そんな読み方も乙ですよ。

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で、ようやく『ブルーソネット』シリーズ。こちらは心おきなく全巻まとめ買いでいいと思います。
最初の3巻が0円なので(現時点)、初めての方は試し読みしてからでもいいかもですね。

紅い牙 ブルー・ソネット 愛蔵完全版 1
柴田昌弘
ゴマブックス株式会社
2021-03-22




(追記)ぎゃっすいません最初貼ってたリンクは定価の方のまとめ買いで普通に6000円くらいする方だった。うまくリンクが貼れないのでこちらの1巻からまとめ買いページに飛んでください。全19巻1500円くらいのはず!(2021年3月現時点では)

でだ。
ブルーソネット連載終了後しばらくしてから描かれた、ミュージシャンのスキャンダルみたいな事件にランが絡んでくる短編もあったはずなのに(Wikipediaによると『32シャッフル』というタイトルでした)、今回は収録されてないみたいですね。19巻にはまったく別のコミカルな短編なら載ってるけど。

おお!?番外編で読んだことないのもある!
『INTERLUDE』(初出 『完全版 紅い牙』第6巻 白泉社 1993年)愛蔵版へのかき下ろし。ソネットとメレケスが、ランの勤めるドーナツショップにESPドーナツを買いに来る、コメディ作品」ですと!?
今回の『愛蔵完全版』6巻には載ってないよ!?ええーっ読みたい!19巻まで読んだらどっかに載ってるかな!?まだ6巻までしか読めてないので、全部読んだらまた追記します。

『INTERLUDE』、文庫版に載っていたみたいですね。うーん今回の完全版にも載ってるといいなー。

LOVING YOU : 紅い牙シリーズ  〜おまけ〜

あとですね、今回のKindle版、初出がどこにも書かれてない。奥付には2021年3月1日、と、今回のKindle版発行日しか書かれてない。連載号の日付とか、花とゆめコミックス初版発売日とか、愛蔵版発売日とか載せておいて欲しいです。これいつ頃描かれたのかな、とか自分が読んだのいつだったかな、とか、自分と同じ異能の持ち主である他人の男の子を引き取って弟として暮らす、って筒井康隆『七瀬ふたたび』と近い設定だけどどっちが先だったのかな、とか時系列を知りたい時にいちいち検索しながらじゃないとわからなくてちょっと不便。ちなみに『七瀬ふたたび』は雑誌掲載が1972年10月、ワタルくん初登場の『紅い牙 -鳥たちの午後- 2』は1977年でした。ほうほう。個人的にはランとワタルくんの関係の方がより業が深くてぐっときます。七瀬とノリオのように偶然出会ったわけじゃないですからね…。

いやあ懐かしい。久々に読んでみたらまずはまあ覚えてる覚えてる。細かいセリフやらト書きやら表情やらポーズやらコマ割りやら風景やら覚えてる覚えてる。小学生の記憶力おそろしす。ブルーソネット連載開始が1981年なので私小学1年生。たぶんリアルタイムに単行本発売と同時に読んでる。うちで漫画を子供に買い与えていたのは父でしたがお父さんこれエグすぎよ。面白かったけど。『弍十手物語』よりはましか?いや似たようなもんか?(その前に『弍十手物語』を小学生の手の届くところに置かないでくださいおかげでこんな仕上がりに)

細かいとこはわからないなりに面白いなと思いながら読んでいた覚えがあるのは、うちの子が学童で『鬼滅の刃』読んじゃったようなものかしらん。まだ早いと思ってたんですけどね、親として与えるつもりはなかったんだけどみんな読んでるし学童に全巻揃ってるから読み始めちゃったって言うので、それをやめなさいとまでは言えないなあと(この辺もまた改めて書きたいところ)。うーんでもちょっと残虐描写が多すぎないか?ゲームだったらレーティングかかるでこれ、とやや気になっていただのに母ちゃん同じ小学一年生で『赤い牙ブルーソネット』読んでたでござる。こっちの方がよっぽどエグいわ。柴田昌弘先生、エログロダークSFですよね。大人になって読み返してみるとほんとにただ大人向けの社会派SF活劇ですね。面白い。なぜ花ゆめに連載されていたのか謎。面白いけど。絵柄も素晴らしくデッサンが整っていて構図もスタイリッシュで素晴らしい。今読んでも古くない。アニメ化すればいいのにな。

登場人物がわりと次々増えてくんだけどそれぞれしっかり物語に関わって、まさかの展開とか衝撃のあれこれとかも色々あって、アニメにしたら今でも十分話題になると思うんだけどな。ずーっと伏線貼ってるんですよね、こうして読み返すと初期短編の頃からずっとなの。それがブルーソネットの最後の方でようやく回収されたりすんの。すごいな。柴田昌弘先生、1949年生まれ。赤い牙シリーズの連載は30代の頃なんですね。ソネット19巻がわずか5年!の連載期間というのも短くてびっくり。ほぼ年に4冊ペース!?3ヶ月に1冊!?花とゆめは隔週発売だったから、ほぼ毎号載ってたと想定すると3ヶ月で6話分…確かにちょうど単行本1冊分くらいかも…。なんというハイペース。それでこの密度。描き込みもストーリーも両方濃いのすごいな。時々メイドとかに脱線するんですけどね。それもよき(当時小学生の感想か)。

メイドの回はエロいだけじゃなくなんというか、怪奇的、とでも言おうか。最初の頃に出てくるESP研究所の館もの的な不気味さも、ゴシックホラーというか、おどろおどろしいのもこの作品の魅力でした。いや単にエグくてグロくて無理、て思う方もいらっしゃるかもですが。

とりあえず懐かしく読み進めております。もちろん昔は全巻持ってたんだけどもうあまりにもインプットされてるから何度かの引っ越しを機に手放してしまったんですよね。それがこうしてセール価格でもう一度読めて嬉しい。
他にも短編集なども安くなってますので別途まとめます。『鼻行類』の話とかね!

2021-03-30 柴田昌弘傑作選「成層圏のローレライ」「未来都市バラン」「ミッシングアイランズ」び、鼻行類だー!!!



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余談ですが。メレケス博士に呼び出された時ソネットが読んでいた本のタイトルで検索してみたら、これだった。「幼い時分に両親を失い、叔父に育てられた作者自身の自伝的な教養小説である」ほほう。

Of Human Bondage
Maugham, W. Somerset
Independently published
2020-11-14


人間の絆〈上〉 (岩波文庫)
モーム
岩波書店
2001-10-16



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