リアル 7 (7) (ヤングジャンプコミックス) 井上 雄彦 集英社 2007-11-29 by G-Tools |
2002年から実に6年間の間、年に一冊ずつというメジャー青年誌のマンガとしては異例といえる遅いペースで刊行されてきた、井上雄彦の『リアル』。
障害者バスケを軸に、障害を抱える人たちの苦悩、それまでの人生、精神的・身体的な計り知れない苦痛、そして周囲の人たちとの関係。そんなものをまさにリアルに、丁寧に容赦なく、冷徹に熱く描き出していく、そんな物語です。
それぞれの巻に必ず胸を締め付けられるような描写が何カ所もあって、だからこそ年一冊のペースでもその一冊ごとに常に期待以上の満足度を得られる、一年待つことを飽きさせない、凝縮された凄まじさのある作品でした。
決して期待しすぎたわけではないと思うのです。7巻は、今までの6冊で得られた震えるような読後感を持つことが出来ませんでした。
話が散漫で、急に新しい登場人物が出てきて、表現が薄くなってしまっていた。そんなふうに感じました。