ゆうきまさみ『白暮のクロニクル』がエロ展開に!やはり吸血鬼ってエロい(雑誌ややネタバレ注意)



楽しみに読んでいる『白暮のクロニクル』、最近のスピリッツ掲載分がですね、俄然盛り上がっており。
(以下、最新号のネタバレをちょっと含みます)
(三谷幸喜『ヴァンプ・ショウ』とか『ポーの一族』の話とかもちらっと)


(以下、最新号のネタバレをちょっと含みます)
とうとう先週号で、とうとう吸血キタ!
誰と誰とは言いませんが、キタ!
そしてエロイ!マジすかキタコレ!!大興奮!!
そしてイイところで次週へ続く!きゃーーーー焦らす~!焦らすわあゆうきはん~!
と思っていたらば!
マジ楽しみにしていたらば!!
ほぼ何事もなく今週号!!
あっさり服着てはる~!!
なぜWHY!?(稲葉さんちの浩志くん)
WHYなぜに!!(矢沢の永ちゃん)
そこで2週くらいかけようよ!ゆうきさん相変わらずエロが淡白だよ!すごく美味しい素材を持ってきてくれはるのに!なのに投げっぱなし!薄い本に期待しちゃうよ!もうこの話と話の間に90ページくらいどどんと描き下ろしちゃっておくれよ!
と、甚だご不満です。
色々すごい展開になっていて、すぐにでも最終回でもおかしくなさそうなくらい事件は収束しつつあるけど予告によると次週から最終章に突入だそうです。まだ終わらなそうでちょっと嬉しい。
ゆうき作品のヒロインほとんど全員に言えることですが、今回もヒロインの伏木あかりさんがまっすぐで明るく、真面目で、すごく素敵なキャラなんですよね。それに主人公の雪村魁さんもいい。ツンデレっぽい無鉄砲な少年。
ストーリーは、ゆうき作品にしては『パトレイバー』後半くらいの暗い深刻な展開が続いていましたが、今後の章ではその詳細が明かされていくのだとしたら、まだ暗い展開は続きそうです。あやしい登場人物いましたもんね、「大きい羊は美しいのですよ」とか言っていた…。
暗い展開とはいっても、どこかしら明るさがあるところもゆうき作品らしくて好きです。
ところで吸血鬼がエロいといえば、大昔に舞台で見た三谷幸喜『ヴァンプ・ショウ』を思い出します。前にもちらっと書いたけど堺雅人さんが出ていた。
三谷作品らしく、ちっとも深刻にならずに途中まではドッタバタで話が進むのですが(そして後半はけっこうえげつない展開に)、一回だけ、真面目に吸血しようとするシーンが出てきて、それがまたエロいのです!!
当時はよく知らないまま見ていたのですが、今キャストを見てみるとあれは佐々木蔵之介さんだったんだな。キャッキャウフフと『バイプレイヤーズ』みたいに共同生活を営む吸血鬼たちの中にひょんなことから人間の女性(松尾れい子さん)がやってきて、誰がそのひとの血を吸うか!?とジャンケンなんかで大騒ぎをした挙句権利を獲得した佐々木蔵之介さんが、それでは…!と女性の背後にぴたりと立ち、斜めに抱きかかえるようにして首筋を反らせ……いざ…!とやろうとした瞬間また邪魔が入ってドタバタしちゃうんですけど。その首筋を反らせて斜めになっている二人の立ち姿がすごく官能的で、美しくてよく覚えているのです。あれはエロかった。
吸血鬼、的なものといえば有名なのは『ポーの一族』ですが、あちらは吸血鬼というかバンパネラで(どう違うのだろうか…ムーミンがカバって言われると怒るみたいなものだろうか…)、男女というより少年と少年(男女の吸血シーンもあるけど)、エロというより耽美なので、エロいと思ったことは私はあんまりないかなあ。エロとかよりもうあれは悲しすぎて。ただただ孤独の話ですよね。だから男女の性とか生とかそういう生々しく生き生きとしたものとは別の次元にあるような気がする。
あとは小野不由美『屍鬼』もあるか。起き上がり。あれはどちらかというとゾンビものに属する気がするな。ゾンビについては長くなりますのでキリッ)やめておくとして。
死んで起き上がってまで結局組織の中で不自由を強いられ、優劣をつけられがんじがらめ、というのがなんとも、すごい物語だったなあ…。起き上がり側も人間側も、あれはどちらも「生きる」ことに執着した物語だったように思います。
『白暮のクロニクル』にも『屍鬼』を彷彿とさせる少女のオキナガが出てきましたが、あの回で伏木さんが少女の両親に対して怒るところが、すごく健全だなあ~と思いました。それが亡くなった娘さんを大切にしていることになるのか!?みたいに。ゆうき作品の、ふと垣間見えるこういうところがすごく好きです。
つらつら書いてしまいましたが、そんなあひるちゃん吸血鬼考?でした。
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お、ゆうき先生へのインタビュー記事。
ゆうきまさみ『白暮のクロニクル』インタビュー【前編】 画業30年を越えて初挑戦のミステリーは、計算しないで描いている!? このマンガがすごい!WEB
関連あひる
August 13, 2011 パトレイバー上司比較、内海さんと後藤さん
August 27, 2013 ゆうきまさみ新連載『白暮のクロニクル』、週刊スピリッツにて開始
October 13, 2010 屍鬼9巻の謎の言葉「はいだら」に関するささやかな解説
July 01, 2016 木村佳乃の“ゾンビ愛”に共演者もタジタジ、ゾンビはいつから走るようになったのか?[ゾンビ]



これKindle版出ないのかなあー。あ~るくんが完全描き下ろし復活掲載されてるんですよね。


Vamp show ヴァンプショウ [DVD]
三谷幸喜
パルコ
2001-11-01


屍鬼〈1〉 (新潮文庫)
小野 不由美
新潮社
2002-01-30


屍鬼 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
小野不由美
集英社
2012-07-06





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