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森薫『乙嫁語り』1巻が発売されたのが2009年10月、その頃のコミックナタリーの企画で、「描き込み魔」の作画プロセスを動画で公開!というものです。馬上のアミルさんを、ひたすらに黙々と描いている動画なのですが、す、すごい!
■コミックナタリー – [Power Push] 森薫「乙嫁語り」
各6分ずつくらいで全6編。お時間のある時にぜひじっくり眺めてみてください。見入っちゃう。
■森薫「乙嫁語り」の現場から その1:下書き – YouTube
えっ下書きって、この程度のアタリつけだけでもうペン入れしちゃうの!?
”森 下描きはあまり線を多く描き込みすぎると、ペン入れを終えて消しゴムをかけた時に線が減っちゃって「あれ? なんか違う」ってなることが結構あるんです。なので、下描きはあまり濃くならないように、気合い入れて線1本で勝負するくらいが理想かな、と。”
■コミックナタリー – [Power Push] 森薫「乙嫁語り」
なるほど~。
■森薫「乙嫁語り」の現場から その2:ペン入れⅠ – YouTube
わああああ。目が、目がぁ。
”──机の上で目立っている物体、それキッチンタイマーですよね。
森 そうです(笑)。ひとつのコマをいつまでも描いてしまうことがあるので、進みが悪いときは1コマ15分とかって決めて、強制的に進めています。1コマだけしっかり描き込まれてても意味ないし……、決めゴマならいいんですけど。”
■コミックナタリー – [Power Push] 森薫「乙嫁語り」
■森薫「乙嫁語り」の現場から その3:ペン入れⅡ – YouTube
ええええ、その細かい布の織り目や模様ほとんどフリーハンドなの!?編集でカットされているんじゃなく、ふと目を離した隙にびっちりと描き込まれています。何かのスタンドか?
”──キャラの民族衣装は資料なしで描かれていますが、この細かい模様まで覚えてるんですか?
森 さすがにもう1年描いてますから、いいかげん覚えます(笑)。でももっと良い描き方が見つかったら変えたいので、あんまり決めすぎないようにしてますね。例えばアミルの帽子、最初は黒いラインはなかったんです。でも入れたほうが絵が締まるな、って途中で思い付いて。“
”森 遊牧民族って、割と持ってるもので暮らすというか、全財産を女の子に身に着けさせて、女が財産管理、みたいな感じなんですよ。だから服のジャラジャラは全部財産。男は戦いだ何だで死ぬかもしれないので。”
■コミックナタリー – [Power Push] 森薫「乙嫁語り」page2
■森薫「乙嫁語り」の現場から その4:ペン入れⅢ – YouTube
主に馬を面相筆で。あの細かい馬具もほぼフリーハンド!エマの髪とかもこうやってネチネチ描かれていたわけですね!
”──ベタ用の筆、それは市販の筆ペンですか。
森 中身が空になった屋外スケッチ用の水筆ペンです。この毛先が使いやすくて好きで。キャップも付いてるし。あとベタには普通のサインペンも結構使います。「かきかたサインペン」とか(笑)、太さを3種類くらい用意して。”
■コミックナタリー – [Power Push] 森薫「乙嫁語り」
■森薫「乙嫁語り」の現場から その5:ペン入れⅣ – YouTube
おおおおお。スカートのひだのかけあみとかうううわあー。いやあわかっちゃいたけど、ほんとに手で描いてるんですねえ、ひと筋ひと筋の線を。
”──森さんはどこまでご自分で描かれるんですか?
森 ペン入れは全部自分です。背景まで全部。あんまりアシスタント頼みになるのもどうかと。
──背景も、ですか……。じゃあアシスタントさんには仕上げだけ手伝ってもらう感じですね。
森 そうですね。最近はベタも全部自分で塗っちゃってるんで、消しゴムかけと、あとトーンは削りが難しいものは自分で、それ以外のベタ貼りはやってもらってます。2カ月に1ぺんだし、できるだけ自分で描こうや、って感じで。”
■コミックナタリー – [Power Push] 森薫「乙嫁語り」page3
■森薫「乙嫁語り」の現場から その6:トーン – YouTube
わあああ、トーンって「貼る(足す)」ものではなくもはや「削る(引く)」ものなんですね!
いや、部分的に削る効果を使うのは知っていましたが、ここまでとは。しかもその削る場所もアタリすらなし。何のどこにどういうふうに光が当たって影が出来るか、とか、完全にそういうエンジンが搭載されてるんだなあ脳内に。
いやあ職人芸の世界でした!すっばらしい。見入ってしまいました。そしていつまででも見ていたい。
よく見たら、その1の動画再生回数30万とかになってます。最後のその6が12万回。
なお、動画中の作業進行に対応する形でインタビュー文を引用しましたが、一部だけなのでぜひともリンク元で全文あたってみてくださいませ。
■コミックナタリー – [Power Push] 森薫「乙嫁語り」
**森薫関連あひる**
■November 03, 2008 森薫新連載『乙嫁語り』
■ホロ酔いエマ 盗撮ハプニング
■女子向けエロゲを作るなら 森薫の描く女体はむちっとしていて良いと思う。というお話。
■C.C.ベニスンは森薫がマンガ化するといいと思う
■あの物売りの母子~『エマ』7巻で一番印象に残ったこと
乙嫁語り(3) (ビームコミックス)
著者:森 薫
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乙嫁語り 2巻 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)
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乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)
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作者・森薫さんがつくる「乙嫁語り」レシピがコミックナタリーに
コミックナタリーにて「乙嫁語り3」にでてきた中央アジアの様々な料理が、作者・森薫さんによって再現されています。作ったのはニンジンの焼き飯(ポロ)、五目肉うどん(ラグマン)、そして羊とキジの串焼き(ズィフ・カワプ)うわー、あの美味しそうな料理が実際に!w( ̄