萩尾望都『あぶな坂HOTEL』はやはり中島みゆきへのオマージュ

04f843cb.jpgあぶな坂HOTEL (萩尾望都)
冒頭のモノローグがなんと
【あぶな坂を越えたところにあたしは住んでいる】
です。中島みゆきのデビュー曲『あぶな坂』冒頭の一節ですね。


タイトルがモロだし、どうも表紙の絵を見ても中島サマに似てるなあと思っていたのですがほんとにオマージュだったとは。中島サマには『ミラージュ・ホテル』という曲もあって、

【そんなホテルがどこにあるのか 誰も確かに見た人がない
 どんな造りでどんな色なの 人の噂のたびに違うよ】

なんていう不思議な場所、という歌なのですがそうかあぶな坂を越えたところに建っていたのかー。それはそれは。
検索してみたらいろんなところで取り上げられてました。やはり中島ファンの皆さんタイトルでピンときた様子。

中島みゆき研究所【最新情報】
【2007/04/14 (土)
 ◆「YOU(ユー)」
  (2007年5月1日号, No.9/集英社)
  …萩尾望都「あぶな坂HOTEL~女の一生」
 日本少女マンガ界のカリスマ、萩尾望都が中島みゆきの『あぶな坂』に着想を得て描いた読み切りファンタジー。「YOU」(2006年9月1日, 第17号)に掲載された「3人のホスト」に続くシリーズ第3弾。あの世とこの世の境界に建つ「あぶな坂HOTEL」の女主人“藤ノ木由良”のもとを謎の美少女“銀乃”が訪れる...。物語のオープニングで『あぶな坂』の歌詞のの一節が引用されている。】

あぶな坂HOTELの人々(萩尾望都作品目録)
【「あぶな坂」と聞くと、萩尾先生の「あぶない丘の家」を思い出すのですが、中島みゆき1976年のデビュー作「私の声が聞こえますか」のオープニングの曲のタイトルです。萩尾先生が中島みゆきを聞くっていうのがちょっと意外な気もしました。】

意外かな?むしろいわれてみれば萩尾作品の演劇的な演出の仕方やテーマ・世界観、が中島サマのライフワーク『夜会』という生演奏・生歌つき舞台のテーマや演出ととても近いような気がしました。中島みゆきをディープに知っているかどうかで印象が変わるのかもしれないですね。

萩尾望都 「あぶな坂 HOTEL」 – まこりんのつれづれなる日々 in はてな
【そもそもこの「HOTEL」ってのも好んで中島みゆきが使う舞台だったりして「ミラージュホテル」なんかもこの作品ににあう歌だよな、と思ったり、つまりは、「是非、中島みゆき主演で映画化していただきたいっ」そんな一品かと。】

やっぱりミラージュホテルも連想しますよね。

第4話『雪山へ』の1ページ目で、あぶな坂ホテルの支配人・藤ノ木さんがテーブルに向かってタロットをやっているカットがあるのですがそのドレスといいポーズといい、アルバム『短篇集』の歌詞カードの写真に確かこんなかんじのがあった!はずなのですが今家中探し回ってみたけど見つからず。大好きなアルバムだけにiTunesに入れっぱなしじゃなくてしょっちゅう実物を出してきては歌詞カードを眺めたのでかえって行方不明。。
『あぶな坂HOTEL』の中では、4話あるオムニバス的なお話のうち『女の一生』がとても印象深かったです。一人の女性の、幼い少女の頃から子供を産み育てて歳を取ってゆくまでをまさに走馬燈のように、お芝居で子役と大人役が舞台袖で入れ替わるように次々と見せてくれて、なかなか読み応えがありました。

ーー
やはり最近の萩尾先生の連作短編、『山へ行く』の中の『柳の木』に通じるものが。
**あひると中島サマ記事一覧(Google検索)

409167027X 山へ行く (flowers comicsシリーズここではない・どこか 1)
萩尾 望都
小学館 2007-06-26

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B00005HMV2 短篇集
中島みゆき 瀬尾一三
ヤマハミュージックコミュニケーションズ 2000-11-15

by G-Tools

B0000CEB8Y 恋文
中島みゆき
ヤマハミュージックコミュニケーションズ 2003-11-19

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『ミラージュ・ホテル』収録。

B00069BN7E 夜会 VOL.13 24時着 0時発 [DVD]
中島みゆき
ヤマハミュージックコミュニケーションズ 2004-12-15

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ミラージュ・ホテルを舞台とした夜会のDVD。これは舞台を見に行きましたよー。推理小説のような不思議なお話でした。

ああ・・・・『ウィンター・ガーデン』を萩尾先生が漫画化したらどうしよう。合いすぎて痛すぎて読めないかも。絶対買うけど。

4344000722 ウィンター・ガーデン
中島 みゆき
幻冬舎 2001-03

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初めて観た夜会がこれでした。舞台上にあがる役者は3人のみ、それも一人は犬役、一人は樹の影の役、という凄い舞台でした。しかも全編を詩の朗読だけで構成し、それでなお総毛立つような物語が浮かび上がってくるという鬼気迫る舞台。それを完全再現した写真詩集だそうです。うわ、見てみたいなあ。
ここで語られる「女」という生き物の愚かさ、哀しさといったらもう何年も前に一度観たきりなのに思い出すだけで目が潤むほどです。


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“萩尾望都『あぶな坂HOTEL』はやはり中島みゆきへのオマージュ” への2件の返信

  1. 「あぶな坂」 ピアノの練習でよく弾きます。この歌 けっこう意味も難解です。みゆき様は夫々の人の解釈に任せて説明されることがないので。私 チューブに投稿しようと志して 自分で場面 場面の挿絵まで描く熱のいれようだったのですが諦めてしまいました。どなたか有名な方があげているし。みゆき様の歌では ふるさとをテーマにしているのでホテルとは全然 内容は異なるのです。でもそれはそれで面白い。ちなみにアニメの「境界の りんね」を思い出しました。どなたもどなたも この世に未練を残して、あの世に旅立つ。幸せになればなるほど反比例して思い残すものや事は増える。皮肉なものですね。やりきったので何も思い残すことはないわというのは言葉だけで。そういえば あの世とこの世の境が選ばれて あなたの御意思次第とホテルでは言われるのですね。蛇足ながら みゆきさんには転生とかハーフとか天理教の教理をオブラートで包んだような歌がたくさんあります。両親も熱心な信者でありました。「糸」も御柱様の結婚への祝福の歌でした。みゆきさんも70歳近い これからどのような歌を作られるか楽しみです。

  2. 二度目のコメントですがこれで失礼いたします。
    望都さんに依れば あぶな坂は黄泉津なんとかいう神話の舞台がそのイメージとか。臨死の人がそこに泊まって あの世に行こうか はたまた この世に戻ろうか 考えるホテル。みゆき様にも「帰れない者たちへ」という歌があり「INDIA Goose」には「もうもどる場所はない」とい詩があります。あ ついみゆき様のことばかり。実は お名前ばかりで 読んだことがないので さきほど「ポーの一族」をアマゾンで注文しました。ホテルでは冒頭のお話に垣根越しに亡くなった母親が おいでおいでをしています。介護はもう いやって主人公は思うのですが、考え直してあちらの世界にいってしまいそうです。自分の父も亡くなる一週間前 90歳に近いのに お父さんが笑って「○○ おいで待っているよ」と話しかけたといいます。会えるなら死んでもいいかなって このマンガみて思ったのです。

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