[訃報]吉野朔実逝去

period 5 (IKKI COMIX)
吉野 朔実
小学館
2014-11-28



【訃報】吉野朔実さん – 本の雑誌特派員|WEB本の雑誌


「本の雑誌」で〈吉野朔実劇場〉を連載中の吉野朔実さんが、ご病気のため4月20日にご逝去されました。
 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

吉野朔実が病気のため逝去 – コミックナタリー


吉野朔実が病気のため4月20日に逝去した。
吉野は2月19日、大阪府生まれ。1980年、ぶ~け(集英社)にて「ウツよりソウがよろしいの!」でデビューし、その後の代表作に「少年は荒野をめざす」「ジュリエットの卵」などがある。
近年の活動としては、2003年から2014年まで月刊IKKI(小学館)にて「period」を連載。4月28日に発売された月刊flowers6月号(小学館)には、読み切り「いつか緑の花束に」と、同誌の創刊15年を記念したインタビューが掲載された。また文学にも造詣が深く、本の雑誌(本の雑誌社)では本にまつわるエッセイマンガ「吉野朔実劇場」を連載中だった。

2日夕方にオットからのメールで知り、しばらく呆然としてしまいました。
10代から20代への過渡期、思えば人生が一番つらかった時期に出会い、世界と人間の残酷さと美しさを、冷静で詩的な文章と端正で柔らかい絵柄で書き綴る数々の作品にどれだけの慰めと励ましをもらってきたことか。ここにはあまり書いてこなかったのですが、自分にとって特別な人でした。自分にとってというだけでなく、作家としてもこんな人は他にいないんじゃないだろうか。学者のような理知的で純粋な、冷徹でいて温かく、あんな表現ができる人は今までにもいなかった、少なくとも私は似た人を知らないし、これから先も現れないような気がします。稀有な人でした。失ってしまったのか…もう新しい作品は読めないのか、と思うと悲しい。
悲しいけれど、本当に、繰り返しになりますがどれだけの慰めと励ましを彼女の作品からもらったか。感謝の気持ちも言い尽くせないほどあります。日常に潜む暴力のこと、本を読んだり絵を描いたり、好きなことを淡々と積み重ねて過ごす静かな時間が確かな力になること、子供時代から脱却する人生の転換期に必要だった様々なピースを、彼女の作品からこんなにも多く受け取ってきていたことに改めて気づかされています。まだ気持ちの整理はつかないですが、吉野先生本当にありがとうございました。どうぞ安らかに、眠ってはいなさそうですね。きっと果てのない本棚の前で好きなだけ本を読みながら今後を過ごしていかれるのではないかと想像します。本当にありがとうございました。心よりご冥福をお祈りします。

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