『毎日かあさん』で、サイバラがミャンマーの寺院に行った時のことを描いています。
■毎日かあさん（毎日.jp）
（リンク先は順次新しい作品に変わっていってしまうので、今回の分はこちらに残しておきます）
そうだ、そういえばマンガの企画の中で（といってしまっていいのかな）、サイバラはミャンマーで出家してるんですよね。頭を丸めて寺院に寝泊まりして、僧侶としての生活をしばらく送っていました。詳しくは”くりくり編”に描かれています。
鳥頭紀行・くりくり編（西原理恵子）
文庫も出てるけどすんごい書き込み細かいので大判のほうがお勧めです。
この『毎日かあさん』のニュースはファンコミュニティで知ったのですが、皆さん「（現在のミャンマーで起こっていることを知ったら）鴨ちゃん悲しむだろうな」「いや、激怒するのでは」なんて話をしておられました。
（現在のミャンマーで起こっていることについては大西宏さんがまとめてくださっているので、リンクを貼らせて頂きます）
そうですね、鴨ちゃんという人は、サイバラマンガを読んでいる人には周知のことですが、世界中（の特に政情が不安定なところが多かったように思う）をカメラマンとして回っていたから何というか、世界情勢とか各国の政治に対してすごい怒りを持っている人だったんですよね。いつもニュースを見ては本当にカオを真っ赤にして怒鳴り散らして激怒してた（例としては迷いアザラシに住民票を発行、というニュースに対して日本に住んでる外国人にやれーー！！とブチギレる、とか）。
サイバラの絵でコミカルに描いてあるから、大抵はそういうシーンは”笑えるとこ”として描かれていたけど実際にこういうことでここまで激怒出来るってすごいなあ、といつも読みながら漠然と思っていました。
サイバラは鴨ちゃんと一緒になってからそういう不安定で民が貧しい生活をしている国を繰り返し訪れるようになって、そこの様子のことを淡々とマンガに描いてきているんですよね。大抵は子供たちのこと。小さい頃から働いてるし、親に言われて物乞いをしたり。「そういう子にはお金をあげても親に取られるだけなので、あめ玉とかお菓子をあげることにしている。お菓子をあげるとにっこりと子供の顔になる」、というようなことがよく描かれていました。
サイバラ版PLUTO『うつくしいのはら』のような作品が描けたのも、もともと彼女の中にそういう視点が備わってもいたけれどやはり鴨ちゃんの影響も大きいのだろうな、と思っていました（前にも書きましたね）。
その流れの中にミャンマーでの出家、というのもあったので、言われてみれば確かに今回のことではサイバラも心を痛めているでしょうね。
営業ものがたり
こちらに『うつくしいのはら』収録。
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それからちょっと話がずれていってしまう、というか前半と同列で語る話ではないですが関連脇道として一緒に記しておきます。
今回リンクを貼った『毎日かあさん』の中で鴨ちゃんが、ミャンマーの人々の礼儀正しくて温かく慎ましい様子を、「日本の明治人ってこんなかんじじゃなかったのかなー」と言っていますが、ちょうど友人とそんな話をしたばかり。。海外旅行から帰った友人女子は、海外では日本人に見られることはほとんどないんだそうで。理由はおそらく消去法で、”日本人らしい”特徴が薄いからじゃないかと。海外の人が思う”（観光地における）日本人らしさ”というのは、
・茶髪で厚化粧
・ブランドものわんさか抱えてる
・姿勢が悪い
なんじゃないかなと。言っており。
ちょーショック！！
しかもこの場合若い女性限定ですが、さらに日本人男性に関してはアジアで油断してると勝手に風俗に連れて行かれる、という話も非常にあちこちから聞きますし（『花よりも花の如く』にも描いてあったなあ）。一体なんだと思われているのか日本人。。恥ずかしい。。
そんな話の流れで、彼女が「昔の日本人は外国人が無条件にリスペクトしてくれるくらい姿勢もよくて、礼儀も正しくて佇まいがすばらしかったらしいよ」と言っていて、そっかそうだったのか～（そういえばそれも『花花』に書いてあった）。
日本の、日本人の良いところももちろんたくさんあるようなので（ピンとこないけどこういうのを読むと海外は治安が悪いんだな、日本人は大人しいんだなと思う）（ってコレを見て思うなよ）、何というかせめて個人レベルで治せるところは治していきたいなあと思います。
あそうだ、あと反省。初めて海外に行った20代後半の頃、ついつい「日本人はこういうところが悪い」とか言っちゃったことがありますが向こうにしてみればお前もその日本人じゃん、だよなあ。。ちょー恥ずかしい。反省。せっかく相手が「日本てどんなとこ？」って聞いてくれてるのに（海外の人ってそういうことをすごく熱心に聞いてくれる気がします）。。
誇れるところはきちんと誇れるくらいは日本のことを知っておきたいなあと最近思います。
花よりも花の如く(成田美名子)
**サイバラ・成田さんのその他の作品に関してはあひるマンガ索引へどうぞ**
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