Mの誤算

旧友が、夏といえば高校の頃大恋愛したのも夏、なんてステキな日記を書いていたのでつい思い出しちゃった、自分のじゃなくて友人の恋愛話。

M君て人がいてですね。
高2の夏、友だち同士でしょっちゅう集まってはワイワイやってたんです。
その中でYちゃんとね、Mくんはもう誰がどー見ても両想いで。あとどっちか告ればも～ステキな真夏のバケイションの幕開けですよ。秒読み状態ですよ。

星見に行ったり、プール行ったりさ。ゆうえんち行って夜まで残ってそこの花火見たりさ（当時は門限とかあったからそんな夜出歩いてることが冒険だった）。
みんなはしゃいでみんなで楽しかったけど、そんな時にもその二人はひときわ楽しそうにきゃっきゃはしゃいでるわけですよ。

告白とかしないでいいのかなーとか本人たち以外の全員が思ってたんですけど、M君というのがしょっちゅう言ってたのが

「本物の愛って、別に相手に伝えたいとか、そういうこと思わないんだよ。彼女の幸せを一番に望むのが愛だから、自分の気持ちを伝えたいとかそういのってただのエゴだろ？相手が他のヤツのことを好きだったとしても、彼女のことを本当に好きなら心から喜べるんだよ」

まあ今風にいうと中二病ですね。
そんなことばっかりいっつも言ってたので、私なんか当時は自分もガキんちょだったからスッゲーこいつオトナ！かっこいい！とか思っちゃってまんまともらい中二病だったんですけど、そんなもんなのかな～、と思いつつ月日が流れて夏は終わり。
鉄板両想いな二人は互いの気持ちを確認しあわないままで他に気になる人ができてしまったり。

それからだいぶ経ってから、友人たちの一人に聞いたのですが、ある時M君がなんか、やけにくよくよしだしたんだそうです。やっぱあいつのこと忘れられないみたいな。
なので、
「でもさー、夏頃ってYちゃんお前のこと好きだったよな？」
って聞いていた友人がふと言ったら、

M「えええ！！？？ナニソレ！！？？
　そうなの！！！？？？」

え、うん。なにお前気づいてなかったの？

「知らないよ！！！！
　全っ然知らなかったよ！！
　なんっっっっだよそれーーー！！！そんならあの時告っとけばよかったじゃんかーーーーー！！！！ぐおおおおおおおおおおお」

と、大変なのたうち回りようだったそうです。
ごめんこの話聞いた時私も笑いすぎてしぬかと思ったよ。バッカでー、高校2年生とかいう一生のうちで二度とない輝かしい夏を棒に振ったね。しかもその身も世もない取り乱しようは何なのｗｗ あんなかっこつけたこと言ってたクセに。
中二乙。高二だったけど。

いや～、たまに思い出してもにこにこしてしまいますこの話。タイミングって大事だよね。特に10代の頃なんて時間の加速度違うからね。
ま、付き合ったからってうまくいったとは限らないけど（今回いろいろ容赦なし）、でも付き合わないまますれ違うのと付き合ってドロドロに揉めてボロボロで別れるのと（サッパリ別れるっつー選択肢はないのか）（そんなもな都市伝説です。もしくは見たくないものにフタしてるだけだ）（断言かよ）どっちがいいかっていったらそんなんやってみないと何ともいえんわな。やってみたって何にもいえんがな。どっちに転んだって後悔するもんだー。

あひる読んでくれてるお客さんはもうとっくに手足伸びきったオトナが多いとは思いますが、とりあえずビッグウェイブには乗り遅れないように気を付けましょうねー。人生いつでも賭けの連続ですなあ。

あの夏、いちばん静かな海。 北野武 バンダイビジュアル 2007-10-26 売り上げランキング : 7346 Amazonで詳しく見る by G-Tools

**関連あひる**
**スクリーンの中も外も青春 ～映画『ハチミツとクローバー』
あの頃って確かに「全員片思い」状態だったなー。若いねー。