成田美名子さん原画展、ご本人のお人柄に感服の巻

行って参りました成田美名子さん原画展。予想と会場キャパを遥かに上回る、ものすごい人出でした。いっときは行列が400人にも及んだとか！
そ、そして。。。

なんと直接、成田先生とお話することが出来たのです！！
ほんの少し言葉を交わしただけだったのですが、作品の通りの誠実で柔らかなお人柄なのだなあ、ということがひしひしと伝わってきました。

「ずっとファンで、」とか言ってる途中で、本気で涙が出そうに。
だって目の前のこの女性が、あんなに、あんなに凄い作品を手で描き出しているんだと思ったら何だか大げさな話ではなくしみじみ感動してしまい。
成田さんがよく描いていることですが「人間てすごい」とまっすぐ思ってしまって。要するにただのファンなんですけども。
だけど「ファンです」ってその場の全員がファンだよ、みたいなことしか言えませんでした。「いつも新刊が出るのを楽しみにしています」とか「これからもお身体に気をつけてがんばって下さい」とか、ファンレターの朗読かよみたいな。
でもかなり伝えたかったところ、「『CIPHER』からずっと読んでますが、今の『花花』が一番好きです」とも言えました。こういう長く活動しているアーティストで、新しいものが過去の傑作を塗り替えていくってとてもレアなことですよね。「昔のがよかった」なんてことにならず、常に新作が期待を裏切らないって本当に凄いと思う。
一緒にいた友人にあとから「一週間前にもここ（能楽堂）きました、とか言ったの？」って言われてうわそうだよ言えばよかった！『花花』を読んでお能を始めた友人（くりおねさん）の発表会で一週間前もここにきたんですよってうわ言えよ自分！一番伝えるべき人っていうかそれをご本人に直接伝えられるなんてまさに千載一遇ってうわあ！ファンレター棒読みしてる場合じゃないって！！ギャー！
先生は和服姿でしたよ。ベージュの着物に淡い色の帯合わせが何というかとても素朴で可愛らしくて、大きな目で優しげなお顔立ち。。それからおそらくお母さまと思われる老婦人とご一緒でした。ぎゅうぎゅうに座りっぱなしだった舞囃子が終わった後、成田さんが肩を揉んであげたりしていて微笑ましかったです。
成田先生だけでなくお母さまも、話しかけてくるファンのかた一人一人の顔をじっと見ながらにこにこしておられました。
先生に気づいたファンのかたが数人お話にきていましたが、ただ丁寧に応対するだけでなく、何だかとてもお話が弾んだり楽しそうに交流して下さっていて、端で見ていてもファンとして嬉しかったです。
私に対しては「お着物素敵ですね」と言って下さって！
褒められた！成田さんに褒められたよ！


「あ、はい祖母の反物で、帯はこの近くの表参道くるりで買ったんです」「あ、知ってますそうなんですね～」「はい、帯締めセットも買って、今年初めて着物風に着付けることにチャレンジしてみたんです」「え、今年初めて？！（お母さまも驚き）まあとてもそうは見えないです、着こなしてらっしゃって」「あ、ありがとうございますっ」
も、妄想じゃないですよ？！（泣）（狼少年）
というかんじで普通に世間話してしまいました。ちょー嬉しい。なんという贅沢。
一緒に行った友人に至っては「ドキドキして話しかけられなかった。。(;*´Д`*)」もももったいないよ？！男性にこんな熱心なファンがいると目に見えるのは先生にも嬉しいことだったのではないかな。ついてきただけじゃなくてファンだってわかって頂けたかしら。
全体的には女性が多かったですが、男性の姿もちらほら見られました。
というか。人が多かったの多くないのって。
まず会場である銕仙会能楽堂に入るまでに20～30分並びました！びっくりしました長蛇の列で。
展示室に入っても、作品の展示順路に沿ってじりじりじりと列をなして進む。でも終始係のかたがたがつきっきりできちんと行列を管理して下さっていたので、それほど苦にはなりませんでした。
期間が2日間と短めだったり、会場が小さめだということもあるのかもしれませんが、それにしてもこれだけの人が足を運ぶというのはすごいなあと思いました。
漫画家歴は長いけれど、逆にファン以外の人からは「あのサイファの人まだ描いてるんだ～」と言われたりもするので（すごいよ、どんどん良くなってるんだよー）、知名度としてはそんなにないのではないかと思うのですが、それでもこんなにもたくさんの人が、成田作品に魅力を感じて集まってくる、というのを目の当たりにできたのはなかなかに、静かな感動を覚えるものがありました。
年齢層も幅広かったです。ここ数年で知ったであろう若い人も多くて嬉しかったし、成田さんと同年代かもっと上のご婦人や男性もいらしたし（和服のおばさまがたが4人くらいで連れ立っていらしていて素敵でした！）。
ようやく辿り着いたグッズ売り場。しかしとっくに完売のもの多し！
かろうじて一筆箋をゲット。ポストカードもほしかった（涙）
あでも和装来場者特典の記念品（手前の一色刷のポストカード）は頂けました。わあい楽(がく)ちゃんとメガネなしケントくんだあ。

それから、原画を見ている途中（15：30過ぎ）で係のかたから「16：30からの舞囃子(まいばやし)のための列を外に作りますのでご覧になるかたは会場の外にお並び下さい」とのお知らせが。なので原画を見終わったらすぐに外に並ばなくてはならず、休憩室も覗いてみたかったけれど見られませんでした。（しかし会場を後にしてから、休憩室にも絵や先生の私物などたくさんの展示があったことが発覚！うわあ見たかった～！）
そうして、舞囃子を見るためにまた外で小一時間ほど行列（舞台の客席を展示に使っていたので、設営のため一度お客さんをすべて外に出す必要があったのです）。
途中で係のかたが、ちょうど私たちの少し後ろの人たちに向かって「このあたりは立ち見は確実か、ひょっとしたらご入場頂けないかもしれないのでご了承下さい。。」と説明をしにきていました。14：00から行われた仕舞の時にはなんと400人もの行列が出来てしまい（シャレじゃないよ？！）まったく入りきらなかったため16：30からの舞囃子のための整理券を配ったのだそうです。
整理券とこの行列を合わせてすでに200人くらい。何とか全員のかたに見て頂けるようにしたいのですが。。と係のかた。いや、すごい人数です！
結局、スタッフさんたちが見所(けんじょ。客席)に通常の3倍くらいの人を詰め込んで下さったおかげで全員座ることができた様子。でもぎゅうぎゅう。体育座りみたいな格好できゅきゅっと詰められ、もう足の組み替えとかできません（^▽^;）。
そんな中、最後のほうで案内されてきた成田先生とたまたま席が近くだったので気づくことができて、終演後お話することができたのでした（客席はぎゅうぎゅうだったし先生は隅のほうだったので、気づかなかった人も多いと思われる）。
一緒にお話の順番待ちをした若い娘さんとちょこっとお話したのですが、彼女は「プレゼントを持ってきたんですけど、まさか直接渡せるなんて！！」と大感激でした（博多織のポーチだとか）。うわいいな！良かったですね！ていうかお嬢さん可愛いですね！（友人が「また若い娘さんを毒牙に！」とか言ってました人聞き悪いなあ！）
ああ。。嬉しかった。
長くなってしまったので、お能の感想と肝心の原画の素晴らしさについてはまた別に書きます。
ポスターの絵は最新巻の表紙ですね。

花よりも花の如く 5 (5) (花とゆめCOMICS) 成田 美名子 白泉社 2007-08-17 by G-Tools

花よりも花の如く 4 (4) (花とゆめCOMICS) 成田 美名子 白泉社 2006-04-05 by G-Tools

花よりも花の如く 3 (3) (花とゆめCOMICS) 成田 美名子 白泉社 2005-02-05 by G-Tools

花よりも花の如く (2) (花とゆめCOMICS) 成田 美名子 白泉社 2004-05-01 by G-Tools

花よりも花の如く (1) (花とゆめCOMICS) 成田 美名子 白泉社 2003-07-05 by G-Tools

本当に1冊1冊の密度の濃さといったら！