父と娘と酒と熟成（菊水ふなぐち）

懐かしいものを見かけました。菊水ふなぐち。初めて覚えたお酒です。

中学くらいの頃かなあ（っておい！）、今でこそコンビニなどでも売られていますが当時はまだその辺のお店には置いていなくて、父が行きつけの飲み屋さんのツテで注文してもらって箱買い、家でちびちび飲んでいたのでした。
そんな感じで「幻のお酒なんだぞ～。なかなか手に入らないんだぞ～(*￣ω￣*)」とか言いながら嬉しそーに飲んでるもんだからちょっと飲ませてもらったら、あらなんか濃ゆくてうまい（って中学生の感想か？）。
以来すっかり味を占めてちょくちょくもらうようになったり。
当時はTVでやってる2時間の洋画を観ながらちびちび1本あけるのがちょうどよいペースでした。
で、話はトップの写真に戻って。
これ、2色あるでしょう？

黄色いほうは当時からあった通常版。朱色のほうは、製造から少し寝かせた熟成版なんですね。
当時から黄色いほうにも フタの裏の説明書きにそんなことが書かれていました。「製造後すぐは新酒の爽やかな香り、半年経つとまろやかに、1年以上で古酒かブランデーのような枯れた味わいに」とかなんとか（”数ヶ月”でまろやか、だったかも）。
黄色いほうも大事にじっと待ってれば、おうちで熟成させることもできたわけですね。
うちの父も、せっかくの箱買いですから。当然何本かは熟成させようと 飲まずに大事に押入の奥にしまっておいたものでした。
そして月日は流れて….。

「ああ～～～っ！？」

突然父のおたけびが聞こえて何事？(・_・)？と思ったら、

父「き、菊水全部飲んだなァ！？(||;ﾟДﾟ)」

あ、あれ？全部だったっけ？
いやーあんましょっちゅうもらってたら悪いなあと思ったからこっそり（←ってをい）手探りで取ってたもんで、残り何本あるかとかわかってなかったや。ごみんに。

父「じゅ、熟成させようと思って飲まずに取っておいたのにっ(＞Д＜||;)」

え？あそうだったんだ。ごめん全然知らなかった。

父「なかなか手に入らないのにーーっ
　(((；Д；)))」

そ、そうだねえ。ごめん。
↑娘なんて父に悪いとなんてちっとも思ってないことがうかがえるテンションの低さですね。（かわいしょ）
以来しばらくほんとに手に入らなかったのか、「どうせ飲まれちゃうからもういい(´。ω 。`)」とか言いながら父は菊水取り寄せをやめてました。（かわいしょ）
数年後、朱色の缶の熟成菊水が売られているのを見た時には、うちの父が製造元にとつとつとお手紙を書いたんだったらどうしよう、とちょっと思いました。
お父さん元気にしてますか。あんまり飲み過ぎちゃダメよ？って私が言うなって感じですね、ハイ。