ここ数日〜数週間、酷いニュースが多すぎて。落ち着いてブログを書く気力がなかなか湧かなくて、更新できずすみません。
小学館マンガワンの件、到底許すことはできません。
被害に遭った女性の「(加害者の)次のターゲットを見つけたという発言に、自分のような犠牲者をこれ以上出してはならないと訴訟に踏み切った」という言葉の、まともさが痛ましい。なぜこんな人があんな理不尽な目に遭わされ、それでも闘うことを選び、にも関わらず蹂躙され続けているのか。間違っていることを間違っていると訴えても訴えても潰される世界。どこに持っていっても否定される世界。
どれだけ辛かったか。よく生き延びてこられた。賞賛しかありません。
それは、被害の深刻さと犯罪性では比較するのが申し訳ないけれど、私がこの数年直面させられ続けてきた理不尽さと地続きにあるもので。女性蔑視。人権無視。
多くの漫画家さんたちが抗議の声を上げ、自作を次々とマンガワンから取り下げるという行動を起こしてくださっていることには救いを感じています。大人として子供への加害が許せない、漫画家として、作家として、かつて自分たちが漫画に救われ、漫画家に憧れた身として、小学館という子供向けコンテンツの出版社に関わるものとして、どうしても看過できない、と、それぞれの言葉を尽くして表明してくださっているのをここ数日ずっと見ていました。高橋留美子先生も黙って全作品取り下げ。それにより海外にもこのニュースが知れ渡るようになって、海外の漫画ファンが日本の一部の男性たちよりずっと率直に当たり前のように激怒してくれていることにも、日本の異常性を感じずにいられなかった。
残念ながら、好きだった男性作家さんが歯切れの悪い小学館擁護とも取れる発言をしていたり、また別の男性作家さんはまっすぐに被害者を慮り、小学館への憤りを表明したり。こういう時にその人の本質が見えるものなのだな、と改めて思いました。
一方で、漫画界ではこうした声が瞬く間に広がりましたが、映画界、演劇界、テレビ業界、スポーツ界ではどうだったか。こんなふうに、加害者を責める、加害者を擁護、支援した編集者や出版社を責める意見が内側から、ここまでたくさん噴き出したのは見たことがないです。逆なら散々見た。あって当たり前、むしろ芸の肥やし、Promising Boy(将来性のある男の子、として罪を減じられる)。数少ない、業界内の歪さを正そうとする人はよってたかって潰されていた。
それはもしかしたら、漫画家さんが、もともと搾取されてきたからなのかもしれないな、とも思いました。もともと孤独で、一人でコツコツと作業をする人たちで。それから、芦原妃名子先生の事件の衝撃と憤りも、漫画家さんたちの中に消えずに残っているんだと思う。
ここ数年は、SNS上での連帯もある。多くの同業者たちが声を上げているのが可視化され、背中を押された人も多いと思う。編集者を窓口にするしかなかった昔に比べて、ネット上で作品を公開するという選択肢もあるし。
そうはいっても、大手出版社にNOを言える作家ばかりではないのも現実で(編集や出版社を擁護している年配男性作家たちではなく、若手新人という弱い立場だから言いたくても言えない、という場合を指します)。
そこへ、うちの子も大好きな『映像研には手を出すな』の大童澄瞳先生がいち早く出していらした声明には、最後の方に「事件と直接関係していない社員を含め関係者、作家には多大な負担と損失が発生しており、この負担と損失に対して謝罪と補填を求めます」とあって、リアル金森氏!!と思いました。本当にその通り。多大な負担と損失に対して謝罪と補填を。
私が好きだった作家さんたちのほとんどが、まっさきに被害者を思いやる発言をし、小学館に抗議の意を示していて、ほっとしてしまいました。
たとえ小学館が潰れたとしても、被害者の方が受けた傷や失った時間の補填には到底なり得ないのですが、それでも、これ以上の苦しみを浴びせられることのないように、せめて今後は護られてほしいです。適正な判断を…と思った矢先に、福島県の災害ボランティア団体代表50代男性の20代女性への性加害に無罪判決を出す高橋正幸裁判長…。
当たり前のことが当たり前に裁かれる世の中に、なってほしいと願って止みません。被害者がここまで身を削らないとならない、身を削っても叶わない世の中なんて。
記事にはできないかもしれませんが、続報を注視していきます。
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こちらの記事に引用していた鴻上尚史さんも、ごく最近一般人向けの有料ワークショップでハラスメント発言をしていたようで、残念です。少し前から人生相談コーナーでの発言にも違和感を持つようになっていたのですが…。好きだったベテラン男性作家さんたちがどんどん無理になっていく。
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