うな重のフタを開けた第一声として、いたたまれないもの

お昼にオットくんとうな重を食べに行ったのです。
そしたら、先にいらしたお隣の席のご年配のご婦人お三方のところに「ランチうな重」が運ばれてきたのです。
きゃ、きたきた、いただきましょ(*´∀`*)(*´ω`*)(*´∀`*)、とその小振りなお重のフタを開けたご婦人方の第一声が、
「ちっさ！(;´´Д“)」
ちっさ！？
お店を出てからオットくん「ご飯が多いわね(;´´ω“)、とも言ってた」
なんてことでしょう。うな重のハレの感じ台無しです。

狭いお店なのでお隣のテーブルもすごく近くて、つい反射的に見てしまったところ（見てしまわずにいられようか、いやいられない）確かにご飯がちな鰻重でした。ただでさえお重が小振りなのに、中のうなぎがさらにちんまり。
お店を出てからオットくん「アジフライかよ！(ﾟДﾟ)」
まさしくそんなかんじでした。ちょうどね、しっぽのとこだったからね。
このお店、オットくんがたまに一人で入るんだそうで。
1050円のランチうな重と、1500円からのうな重並、上、極上（特上じゃなく極上でした）、とあり、お店に入る前にオットから「ランチはすんごい小さいからやめたほうがよい(；・`ω・´)」と言われ、私たちは並を注文したのです。めったに食べない鰻だし、来たことがあるオットがそう言うなら。
うな重並はランチより一回り大きなお重で、おそるおそるふたを取るとちゃんとうなぎがそこそこの比重で敷き詰められていました。お昼時だし焼き溜めてあったようですぐ出てきましたが、まあ美味しかった。
しかし、思わず「ちっさ！」と声が出てしまうほどのご飯がちな、アジフライ的なランチうな重を食べている皆さんに囲まれて食べる並はなんかこう、すいません、って気持ちでした。
いつもこうなのだそうです。食べ終わって帰る道すがら、延々この話してました。
もちろん最初はオットもランチうな重を頼んでフタを開けてしこたまがっかりしたんだそうで、その後毎回行くたびに、周りの人がランチうな重を頼むたびに、やめたほうがいいんだけどなあと思うのだそうです。そして皆さん必ず、あんなふうに目に見えてがっかりするのだそうです。
OT「あの、うなぎを食べにきた(*´∀`*)、というハレの気持ちが、フタを開けた途端だだ下がっているのが毎回伝わってきて( ´´Д“)」
OT「しかもその横で並が運ばれてくるとさ、あらそっちはわりとちゃんとしてるのね、と思われてるのもモロわかりで、そのいたたまれなさときたら(;´´Д“)」
うんうんそんなにも毎回ああなのか。ていうかオットくんもよく毎回行くね。
OT「あれはな～～、ど～～かと思うんだよなあ(;´´Д“)」
そんなにか。そんな肺活量測ってるのくらいの勢いで絞り出すほどにか。
その後も商店街の裏路地を歩きながら、お重はあの大きさでいいからさ、せめて鰻を敷き詰めるべきだよね、それで1200円にするとかしたほうが絶対満足度は高いよねフタ開けた時のさ、でもそれだとお昼休みの激戦を勝ち残れないのかなあ、うな重千円っていうインパクトが重要なのかねえ、あんなにがっかりさせても？とランチうな重是正案をあれこれ出しあったりなどしました。
もしもどこかの町のうなぎ屋さんのランチタイムに、あなたあるいは誰か他のお客さんがランチうな重を頼もうとした時、突然ガタッと席を蹴って「やめろッッ！ランチはやめたほうがいいんだよ…ッ！」とテーブルの上の自分の握り拳を見つめながらたまりかねたように小さく叫ぶメガネで一見温和そうな理系っぽい男性がいたら、それはオットくんかもしれません。そしたらどうか引かないで「そ、そう？じゃあ並にするね？」って言ってあげてください。誰もこれ以上うな重のフタを開けてがっかりする人の姿なんて見たくないのです。ですよね？ほんと。
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